相変わらずヒロインに容赦しないシーンの数々を用意してくれて、そこに対する喜びはとても大きかった。また、ストーリーにも少し捻りが加えられていたのも大きな評価点かと。
異世界からやってきた異形の怪物「降天魔種」から民を守るため、二人の少女が戦いを挑む。Triangle作品をいくつかプレイしている身としてはもはや見慣れた光景ではあるが、まあ今回もまた良い感じの凌辱ENDを見せてくれればいいかなと、そのくらいの気持ちで臨んだ。
攻略システムはいたってシンプルで、正しい選択肢を選べば物語が進行し、誤った選択肢を選べば即BAD END。作品を追うごとに簡単になっている気もするが、もう魔法戦士シリーズのようなゲーム性のある作品は出ないのだろうか。まあ、あれが面白かったかというと微妙なところではあるが、自らの手で徐々にヒロインを堕としていくあの感覚は好きだったのでいつの日か復活してほしいものだ。
嬉しかったのがBAD ENDに一定の尺が用意されていた点で、時たまみかける敵に犯されて即終了なんてことはない。敵に犯され、囚われ、そこからまた犯される。その絶望を上塗りしていくかのような作りは相変わらず素晴らしかった。
BAD ENDのシーンについては相手が怪物ということで異種姦多めになっていて、馬やネズミ、トカゲ等々様々な生物と性交し、時には孕むこともある。産卵のシーンもきちんと備わっており、好きな人には刺さるなと感じた。私はそういった性癖は持ち合わせていないため、興奮には至らなかったがネズミを産むシーンなど、やや攻めたモノも存在した。
また、BAD ENDには主人公以外の人間とするシーンもあって、それに関してはかなり良かったと思う。特に前崎がヒロインの弱みを握り、そのまま奴隷に堕としこむ様は見ていて実に愉快だった。別に力を持っていないただの親父だが、下半身に対しては自身を持っているようで、その一点のみでヒロインを責め堕としていくというのが実に良かったなと。主人公より圧倒的に彼の方が優れた雄だったわけだ。
といった感じで凌辱シーンに関してはぼちぼちどいったところだったが、ストーリーに関しては思った以上に読めるものが用意されていたかなと。特に良かったのが中盤あたりでクリスタが主人公を刺してからであり、友人として、戦友として共に戦ってきたクリスタに対し紗耶香が激昂し、彼女を殺すことに執念を燃やすようになるという展開は読んでいてかなり面白かった。
また、そこから派生するBAD ENDでは紗耶香がその想いを敵に利用され、鬼化してしまうが、これに関しても同様に良い。愛する人奪われた憎しみをオブラートに包まずそのまま行動で相手に示す。女の子同士が争う様を見たかった私としては、こういったENDが用意されていたことに軽い感謝すら覚えた。
そこから先、実は主人公が生きてましたという所からは消化試合になってしまっていたが、オチの付け方としては悪くはなかった。欲を言えばメテオライトがまあまあ良いキャラクターだったのでもっと磨いて欲しかったなと。第二のメテオライトになってしまう主人公ともいうのも見てみたかった。
総評としては手放しに誉めることはできないし、欠けているものが多すぎるものの期待以上の作品には仕上がっていたのかなと思う。Triangle作品の前作、前々作がイマイチだったのもあるが個人的には悪くはないくらいに落ち着いた。