シーンの為に無駄を省いたと思いきや、シーンは少し動くだけでありふれたものばかりだったのが残念。また、ヒロインについてもただ発情した雌が転がっているだけで魅力を感じる瞬間は少なかった。
他人に関心を持たず、二次元の世界に浸る生活を送っているちょっと拗らせ気味の男が主人公。まあ魅力なんてものは欠片も持っておらず、隠れた才能もありはしない。作中では姉に唆されて陸上部に加入したりもしていたが、あくまで姉と一緒にいることが目的になっていた。
そんなダメダメな主人公を支えるべく、慰めるべく存在するのが三人のお姉ちゃんであり、お姉ちゃんたちとイチャイチャラブラブ甘々な生活を送っていくというのが本作の基本であり、全てである。姉の優しさを感じるお話や家族の関係が映える良い話などといったものは見当たらない。ただただ欲望に忠実な作品となっていた。
しかしながら最も力を入れたであろうHシーンは凡な出来で、アニメーションが付いたとことで多少は質が向上したようにも思えるが、構図及びシチュエーション等にこだわりはなく、とあるヒロインのシーンなんかは本当にどれも似通ったようなものだった。
また、ヒロインの属性も若干被っていて、地歩は活発なお姉ちゃんといった感じでそれなりに差別化できていたが、沙月と空はどちらかで良かったかなと。まあ空はサブなので気にならないかなとも思ったが、意外とちゃんと話が用意されていたので無視はできなかった。
あと沙月に関して、彼女はキャラクター紹介でこそ「知的でクール」と記載されているが、実際にプレイしてみると全然違った。すぐ欲情する上、頭空っぽの発言、行動しかしない。なので、なぜ彼女があんなにも作業を任されている疑問で仕方なかった。勉強と作業だけはできるのだろうか...。
ちなみにヒロインとしては空が好きで、童貞喪失の際はただの痴女にしか見えてなかったが、物語を読み進めていくと弟とそれから他の姉たちを思いやる優しい心を持っていることを理解できる。他の姉たちは弟の事(というよりも弟の下半身の事)ばかり考えているような発情した雌だったが、彼女だけは姉として揺るぎないものを持っていたのだ。