ただ催眠をかけるのではなく、「学習」という形で支配していくのが良かったと思う。内容自体は単調だが絵柄とシチュエーションが合えばそれなりに楽しめるかと。
催眠モノの作品ということでパッケージ絵にそそられて購入。許さないと言わんばかりのあの目線に釘付けになってしまった。やはり催眠モノなのだから気が強くなければ、生意気でないと困る。はじめから従順な壊れた玩具など不要、求めるのは壊し甲斐のある玩具なのだ。
さて、本作の主人公は催眠モノらしいタイプで、顔も良くなければスタイルもよくない、加えて怠惰な性格だというまあカースト最底辺と言って相違ない男だった。テストの結果を指摘されたから成績を上げて見返してやろうと、その意気込みだけは良かったが、屑はいつまでだっても屑のままだったと。それで楽な勉強法をネットで探しているうちに本作における重要アイテム「催眠学習機」を手に入れるわけだ。
この催眠学習機がなかなかユニークな設定をしていて、相手に直接催眠をかけるのではなく、強力な睡眠効果で相手を眠らせ、対象にものごとを学習させる機能を有しているという。え、ならこれ自分に使えば成績トップ狙えるのでは思ったが、まあそういう作品ではないので...。例によってその装置を使って女たちを落としていくわけだ。
装置を手に入れてからは主人公のワンサイドゲームで、最初のターゲットであった月乃をきっかけに後輩のなつきや月乃の母、それからクラスの担任教師までも手籠めにしていく。上記にも書いた通りいきなり催眠をかけるのではなく、学習という形で命令をすり込み、内側から支配していくのが斬新でなかなか面白かったかなと。ヒロイン自ら「セックスの時は、ストッキングを穿いたまま破るもの」と言い出した時は思わず吹いてしまった。
この主人公はストッキングを破いてえっちするのが性癖なようで、月乃だけでなく月乃の母に対しても同じような学習をさせていた。月乃の母、涼香は母親という立場でありながら娘よりも見せ場が多く、終盤は完全に娘を食っていた印象。書き手の趣味がよく出ていた。
特別お気に入りのヒロイン等はいなかったが、強いて言えば綾子が良かったかなと。容姿といい、女教師という設定といい文句なしだった。積み重ねた学習が効果を発揮し、自分から「マッサージじゃなくてセックス!」と言いだすシーンなんかは主人公も天に昇る気分だっただろう。読んでいるこちらも笑みを浮かべてしまった。
ただ、この作品の残念な所は催眠モノのらしい緩急がない点で、催眠にかかったらずっと従順なままというのがやや引っかかった。途中の催眠解除あるいは甘めの催眠をかけて遊んでほしかったというのが正直なところだ。まあヘタレ主人公なので仕方がないと言えば仕方ないが。ジャンルとしてはそれ相応のものを見せてくれたのかなと思う。