「豪華客船の旅なんてのはさ、毎年少なくない行方不明者が出ているものなんだよ」
“今世紀最高の豪華客船”との売り文句で客を集め、乗ってきたら最後。男の欲望の限りを尽くされてしまう。転落事故や出港時間に間に合わず乗り遅れた者など、行方不明者が出やすい傾向を利用し、メス奴隷確保の隠れ蓑にする。序盤の説明を受けた時点で思わずほくそ笑んでしまうような、実に愉快な作品であった。
女の子を一人ずつ攫い、調教していくのが主な流れで、最終的にはヒロイン全員が主人公の支配下に置かれることとなる。その上で個別エンドもしくはハーレムエンドを迎えるわけだ。もはや見慣れた光景である。選択肢でセーブができない点も同じだ。（いい加減システムを改修してほしいところ）
本作で良いなと感じたのが乗客のタイプが皆違う点。豪華客船だからといってお金持ちの女性キャラクターのみが乗船しているわけではないのがとても気に入っている。豪華客船をダシにアイドルデビューを目指すものや、たまたまチケットを手に入れた貧乏家族など、澄まし顔で乗っている富裕層とは異なる反応を見せてくれるヒロインが存在した。
そして、そんな浮かれポンチな人間たちの表情が絶望に染まっていく光景はまさに愉悦。自然と上がっていく口角を止めることなどできやしなかった。特に理央及び流花の攫い方は実に巧妙、感心してしまうほどであった。閉鎖空間における攫い方を熟知している。
で、肝心の調教内容だが正直、期待外れだった。色々とツッコミ所はあるが、まずはどうしてあんな被り物を使おうと思ったのか。潜水ヘルメットやバケツはまだわかる。だがお魚さんはどう考えてもギャグだろう。あれを見てどの層が興奮するというのか、疑問で仕方なかった。鉄仮面に関しては過去作をかけたお遊びなのかなと。
まあお魚さんは許せないが、お気に入りのシーンは踊に集中していて、特に顔を手で隠しながらのシーンが好きだ。「こっ、こんなっ、簡単な事でっ…よっ、よかっ…よかったんだっ」アイドルになるために日々努力していた彼女が言うからこそ嬉しい一言である。あとはバスケットゴールに裸で縛り付けるシーンなんかも好きだったりする。
そこそこ良いなと思った設定だけにギャク色強めでげんなりしてしまったが、中にはきちんと凌辱色の強いシーンも存在していたのでまあ…つるみくらしいということで終わりにしておく。
とっておきの上質な船旅をありがとうございました。