ここにきてついに生粋の眼鏡っ娘がやってきた!キミを待っていたんだよと、期待を胸に読み始めたのだが...。
これまでの二作品は「最近、視力が落ちてきたから」という理由で眼鏡を掛け始める微妙に眼鏡キャラとは言い難いヒロインを用意してきた。違う、そうじゃない。私が見たいのは出会った時から眼鏡を掛けている純正の眼鏡っ娘だと、話の中で良い部分を模索し評価しつつも微妙にモヤモヤしていた。
だが本作は違う。ヒロインは幼少期から眼鏡を掛けているという。しかも本物と言わんばかりの眼鏡と容姿の調和。ベストマッチだった。三部作目になってようやくやってきたかと、「はじめから」を押す瞬間の気分の高鳴りはこれまでの比ではなかった。
読み進めていくとやっぱりヒロインは可愛くて、ついでに主人公も先輩だけあってそんなに不快感がない。加えて部員として先輩の才能を評価しているなど、美術部らしいエピソードも盛り込まれていく。これは行けるのではないかと勝利の二文字が薄っすらと見えてきた。しかし、それは幻影だった。
あっさり告白シーンに入った時に少し不安を覚えたがまだ大丈夫だと、自分を落ち着かせ、しっかりと眼鏡ヒロインの可愛さを堪能しろと自分に念じ続けた。けれど、その不安は先が進むにつれてどんどん大きくなっていって、初めてのシーンを迎えた時には明らかな「不満」に変わっていた。
いかにしてシーンまで持っていくかだけを考えたような、あまりに杜撰な話作りにがっかり。登場人物の心情変化なんていっさい考えていない、流れ作業のように進んでいく光景をただただ無心で眺め続けた。
前の二作で良い話が書かれていたわけでもないし、値段も比較的安価。だから話に期待するなよと言われればそれまでなのだが、やっと生粋の眼鏡っ娘がやってきて、しかも三部作目だ。最後くらい期待しても良いじゃないか...。
シーンについてはうーん、この価格帯でこれだけの塗りなら良い方なのかもしれないが...興奮する元気は残っていなかった。
振り返ってみてもやっぱり最後くらいそれなりの話を用意してほしかったなと思う。始める前はあんなに魅力的に見えていた彼女も今はただの淫乱ビッチにしか見えない。本当に残念でならない。