意外性や感動はないものの、性転換したことでまず喜び、その後も自分の身に起きた変化を楽しみ続けるのがとても良かったなと。スケベな女の子になってしまったトワちゃんがとにかく愛らしいです。
幼い頃から女装が身近な存在であり、自身も女装に対してプラスの感情を持っていたトワ。そんな彼はある日突然、起きたら女の子になっていた。
TS病なるもの話していた次の日、自身がその恐ろしい?病気にかかる。導入はかなり雑だったものの、そんなことがどうでもよくなるくらいにはTS後のトワちゃんは可憐だった。トワ自身もそれを自覚しているのが素晴らしくて、目をキラキラさせながら自分の身体を見つめている姿が面白い。読み始めてすぐにトワに対する好感度が上がった。
そして、その魅力的な容姿を使って男たちをたぶらかしていくというのが話の大部分であり、男友達のアルマに始まり、幼馴染のジンも巻き込んでえっちな日々を過ごしていくことになる。アルマくんは序盤のトワとの会話でもわかる通り、優しくて初心な男の子といったところで、故にだんだんと快楽に溺れていく様が映える。そんな彼を見てトワも嬉しくなり、更にえっちになっていくというのがまた良い。
で、ジンはというと、幼馴染という立ち位置ではあるが端的に言ってクソガキ枠であり、トワに自分の性欲をぶつけまくる。ぶつけられる側であるトワちゃんも快楽に負けてなんだかんだ楽しんでいくわけだが、それにしたってあのクソガキの自由っぷりは癪に障った。特に公園での一件は酷いの一言。アルマとのイチャイチャっぷりを見せつけ、そのまま突き放して絶交してほしいくらいだった
基本は誘って誘われてえっちしての繰り返しだが、アルマとのデートパートがあったりと、女の子として過ごす日常も用意されていたのが嬉しい。個人的にはこれがもっとあってもよく、様々な場所で女の子として過ごす彼女の姿を見てみたかった。
エピローグにて海でえっちするシーンがあったが、ただのシーン消化で終わってしまったのが心底残念である。初めてのナンパに戸惑い、そこに勇気を出したアルマくんが助けに来る...そんな展開が見てみたかった。後は女子の制服姿で学校に通ったり、浴衣を着て花火大会にいくなんてパターンも...いかんせんトワちゃんが可愛すぎるので、妄想も捗りまくりである。
若干一名が不快なくらいで、あとはもう特に不満もなく読み続けることができたかなと。ボリューム的にはそこそこだが、えっちの尺が多めなのでお話に期待して読む作品ではなく、あくまでトワちゃんを愛で楽しむ作品になるかなと。TS入門向けのカジュアルな一作だった。