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asteryukariさんの夢現Re:Afterの長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
夢現Re:After
ブランド
工画堂スタジオ
得点
72
参照数
236

一言コメント

ただの後日談かと思いきやなかなか衝撃的な結末が用意されていた。そして、無限堂さきさんはやはり素敵な女性であった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ニエ魔女発売からしばらくが経過した後の彼女達の様子が見られるということでまずは喜びを感じた。自分が好きだった作品のファンディスクが出る、それがファンにとってどれだけ嬉しいことか。それは作中でも触れられていた。にしてもファンディスクの中でファンディスクを作る工程を見させられるとは…まったくゲーム制作モノらしい。

さて、肝心の内容についてだが、4人のヒロインのアフター+本編では攻略できなかったほのか社長のアナザーエンドが用意されていた。4人の話はまあ無難といったところだったが、ほのかアナザーには驚かされた。まさかああいった分岐をするなんてなぁ…本当にSP VOICEの声優さんと同じ反応をしてしまった。以下話ごとの感想。

◆ななアフター
前回の事件から1年、やっと彼女達にも平和が訪れたと思いきやまたしても面倒くさい事件に巻き込まれていたので吹いてしまった。本編とファンディスクの両方で拳銃を向けられるって彼女が何をしたというのか…ななちゃんはいつ幸せになれるんだろうね。

相変わらず心が弱い彼女であったが、あいの方はかなりしっかりとした女の子へと成長していた。彼女を思うからこそ、一緒に住むことを考える。その場限りではない、未来を見据えた彼女の反応に脱帽した。きっとあいちゃんがいれば大丈夫だろう、この先もななちゃんを支えていってほしい。

◆マリーアフター
初っ端からキスしまくりで、イチャイチャラブラブな同棲生活を送っている二人。このままいったら出来ちゃうんじゃないかと思っていたら本当にできてしまったからびっくり。この作品は性別の壁を悠々と越えていった。

どちらかではなくどちらもだったのは、やはりどちらにも女の子としての喜びを与えたかったからなのかなと。「妻と夫」の関係ではない、あくまで「女の子同士」にこだわったその結末にただただ圧倒された。すごいよしまりすさんちーむ。

◆こころアフター
いつもは〆切りをクリエイターに押し付けていたこころが、逆に〆切りを押し付けられているのがとても面白かった。さきさんもさぞ気分が良かったろう、容赦なく全ボツしてこころの心を破壊しにいっていた。

自分達が作ったキャラクターが助けてくれるというのはファンタジーだったなと。それもその子供という点が。
「はじめての、まほーは。あいとこころのためにつかいたいなって、思ったの!」

彼女達からしてみたらあの子も自分達の娘みたいなものなのかなと。変な言葉を覚えさせらエロメイドを許すな!

◆さきアフター
本編でかっこよかった彼女はやっぱりかっこよくて、自分の仕事を請け負いながらしっかりとあいの事を考えてくれていた。ついでにこころのことまで。個人的にはグアムではしゃぐ彼女達見てみたかったが、まあ満足だ。

年上として、付き合ってみる身としてあいの親に会いに行く。その行動自体も素晴らしいがないよりも良かったのが、こころも連れていく点。普段いがみ合っているが別に心の事を嫌っているわけではないんだと、さきさんの優しさが垣間見えた。

◆ほのかアナザー
昔、自分のことを好いていた後輩に襲われる。話としては見ていて退屈なものだったが、その分岐に驚かされた。この作品は性別だけでなく種別まで越えてきたわけだ。動物とのアレはあまり好きではないので正直言って不気味に感じた。人間に変身できる獣とかだったらまだ平気なのだが。本当にすごいよしまりすさんちーむ…。



まあ特別な感動はなかったが驚く点はいくつかあって、楽しめたといえば楽しめたのかなと。相変わらず無限堂さきという女性がかっこよく惚れ直した。