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asteryukariさんのシスターレッスンの長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
シスターレッスン
ブランド
ましゅまろそふと
得点
70
参照数
1493

一言コメント

あのらぶこみゅ学が帰ってきた!相変わらずしょうもない学問だけれど、前作ほどの不快感は抱かなかった。また話に関しても、ただシーンを垂れ流すだけで終わっていないのが嬉し…かったり、不満にも繋がったり。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

研究バカで女に関心がない主人公にどう恋愛の素晴らしさを伝えるか、そのために用意されたのが「らぶこみゅ学」だったわけだ。いやぁ、このワードを聞いた時は思わず吹いてしまった。同ブランドだけれど、まさかあの設定を継承してくるとはね、笑いが止まらなかった。

らぶこみゅ学、それは恋愛を勉強する科目「恋愛コミュニケーション学」の略称である。この世界では各学校の必須課程として設置する「らぶこみゅ法」が制定されているらしく、本家では主人公がらぶこみゅ学を教える側に立っていた。

らぶこみゅ学のテストための試験勉強をする学生はどんな気持ちなのだろうか、想像するだけで笑えてくる。時間割で「国語」、「数学」、「らぶこみゅ学」の並んでいる光景を一度見てみたいものだ。

本家のらぶこみゅ学は教師が生徒と淫行するための口実にしかなっていなかったので、クソみたいな設定だなと思うばかりであった。しかし今回はあくまで学問として教えられていたのでホッとした。

驚かされたのは合宿の話で、絶対にヒロインと主人公がえっちするためだけに用意されたイベントだと思ったのに、普通に課外授業として進行していた点。まあそんな風に真面目な光景を見せられても所詮はらぶこみゅ学なので苦笑モノな内容なのだが...。面白いのが主人公が「らぶこみゅ学の存在意義がわからないからやる気になれない」と思っている事。まったくもってその通りである。

そんならぶこみゅ学を通じて魅力的なお姉ちゃんたちと恋愛関係を結んでいくというのが主な話。日々、共に生活しているため、わりと序盤からえっちな雰囲気になったりもするが案外流されたりしない主人公には好感が持てた。無関心じゃなかったのかよと思いつつも、学園の女子に対してはドライな反応を見せていたので、面識がある場合は違うということだろう。

絵柄的にも内容的にもすぐえっちして終わりなんだろうなと考えていただけに、意外とボリュームがあって衝撃。積み重ねを大事にしているからだろうか。ただ、それが面白かったというと難しい所で、どちらかと言えば冗長に感じてしまう場面が多かったように思える。

また、話の流れも皆似通っていて、ヒロイン側が主人公の邪魔になっていないか不安になるというケースが多く見られた。その不安を解消するための話がしっかりしていれば問題はないのだが、どれも薄かったように感じる。

ただ、絢果ルートはわりと頑張っていたかなと。導入はギャグにしか見えなかったが、主人公の変化と側にヒロインがいることの重要さ描かれていた。他のえっちして何となくや、子供が出来て解決なんて話と比べると少しは読める話だったのかなと思う。

どのルートも不満はたくさんあったのだけれど、最後だけは良い雰囲気の雰囲気で締めてくれる。だから自然と不快感はなくて、読後はまあこんなものかなぁと感じるように。ヒロインが母親らしい姿を見せてくれる、それだけでこんなに流されてしまうとは我ながら単純だ。

結局、らぶこみゅ学の重要性は理解できなかったが、主人公が変わるきっかけになったのだと考えるとそれなりに意味のある設定だったのかなと。

ただ、次回作でも引き継ぐのは勘弁してくれ。