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asteryukariさんの神装剣姫 アークセイバー ~魔族懐胞~の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
神装剣姫 アークセイバー ~魔族懐胞~
ブランド
Triangle
得点
72
参照数
3549

一言コメント

シチュエーションについてはあまり惹かれるものがなく、女の子の反応を見るのだけが唯一楽しかったかなと。ただ、陵辱モノとは思えないほど心温まるオチが用意されていたのは嬉しかった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

魔族を倒せる兵器は存在するが、そのは飽き力は周囲を巻き込むため、街中で使用できない。だからこそアークセイバーである彼女多たちの戦闘に頼るしかないと…彼女達からしたらとんだ迷惑である。

ただ、彼女たち自身それを悪いとは思っていないらしく、むしろ困っている人がいるだから助けるのは当然とまで言ってのける。まさしく正義の味方といったところか、眩しくて仕方ない。

そんな正義の味方達は今日も元気に負けまくる。まあ、選択肢を選んでいるのはプレイヤーである私なわけだが、そうでなくても負けまくる。分岐前に三人とも負けて処女膜を失うのは流石に露骨すぎて吹いてしまった。

本作のシーンで印象的だったのは放尿の多さで、これはヒロインがそういった担当だったからというのもあるだろうが、過去作と比べるとやや多めだったかなと。別段、性癖でもないためそこまで惹かれることはなかったが、のけぞりながら失禁してしまうシーンは少なからず興奮を覚えた。のけぞりが出てくる作品は貴重なのでありがたい。

また、無理矢理犯されるシーンが多いということで、女の子がきちんと拒否反応を見せてくれるのも良し。クローバーさんは処女膜を破られる時点で感じまくりだったのが残念だったが、他の二人はなかなか頑張ってくれたかなと。特に恐怖を感じ悲鳴を上げてくれるカルミアちゃんが好きだった。

一方、シオンちゃんはというと…シーンについては普通だが、話のオチがかなり良かった。これが予想外の収穫であり、あまりお話については期待していなかったのもあり非常に嬉しかった。

シナリオ自体は何ら感動的ではなくて、シオンちゃんは復讐の道具として生まれたという悲しい現実が待ち構えている。なんて卑劣な男なのだと、その時の榎原に対する感情はクローバーたちと同じだった。ただ、最終的には自らの罪を認め刑務所に入ってくれたのでそこは評価できる。

そして、その榎原の面会に来るシオンちゃんが本当に素晴らしい。あんなに酷い人間なのに「お父さん」と呼ぶなんて…なんて健気な娘なのだろうか。刑務所は寒くないかとか、自分が最近覚えたことを嬉しそうに話す光景はまさに家族の対話であり、心が動かされた。いつか刑務所を出たら二人で遊びに行ってほしいものだ。

黒い気持ちで始めたのに読後は晴れやかな気持ちになっていたから面白い。逆に徹底した黒を求める人なんかはこれを不満に思うのかもしれないが、私としてはプラス要素だったかなと。