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asteryukariさんの自爆カノジョ ~彼女は隠れて身悶える~の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
自爆カノジョ ~彼女は隠れて身悶える~
ブランド
Hending
得点
73
参照数
1247

一言コメント

ヒロインは勿論可愛いのだが、そんなヒロインが惚れた主人公というのもなかなか良くて、誰がどう見てもお似合いの二人だったなと。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いやぁ…こんなタイトルしていたらどうしたって気になってしまう。加えてヒロインの容姿御抜群に可愛いときたら、これはもうやるしか選択肢がない。いつどこでどんな風に、どういった過程で自爆するのか、始めはそればっかりが気になっていた。しかし読んでるうちに掛け合いだったり、彼女が主人公の事を好きになったきっかけだったりに目が向くようになっていった。

基本的にヒロインの亜沙ちゃんがリードしながら物語は進行していくのだが、主人公もただ受け身なだけでなく、ここぞという場面でさらっとカッコいいことを言ってくる。そしてそれを聞いた彼女はちょっぴり微笑む…だけじゃなくて部屋で阿鼻叫喚。足をバタバタさせて悶えまくる。その光景がまた非常に可愛い。普段の余裕は遠くの彼方に消し飛び、子供のようにはしゃぎまくる彼女を見てちょっぴり安心した。

また、彼女が主人公の事を好きになったきっかけというのも良くて、読んでいる側としても納得してしまった。仮面をかぶり続けてることを言い当てた上で、その意志を尊重する。彼は本当に良い判断をしたと思う。ただ押すだけでなく、待つことも必要なのだと…まったく恋愛熟練者かよ。

そして来たるクリスマスデートの日。油断した、欲しいものは何かと彼女に聞いた時点で彼の評価はがくっと下がっていったのにこんなの…。彼女が爆発する前に私が爆発しそうになった。よくやった、よくやったよとひたすら褒め称えたい気分だった。

当然それは彼女も同じだったようである。そりゃそうだ、あんな大砲ぶち込まれた爆発するしかないだろ。「一夜との時間が欲しい」それだけで幸せメーターが規定値に達していた彼女だ、あの時の喜びは相当なものだっただろう。というかよくあそこで抑えたなと、読み終わった今でも思う。

自爆するまでがではなく、その自爆こそが彼女達にとってのスターターピストルだったのである。感情を前面に出し、時に慌てふためく彼女を見て終わる、とても幸せな終わり方をしていた。

これは余談だが、亜沙ちゃんが主人公の言ったことをきちんと覚えていて、サンタの衣装でえっちしてくれたのは個人的にとても嬉しかった。デートの最中に主人公がぽろっと漏らした言葉をきちんと拾い上げ、それを喜びに繋げていく。愛し合っているからこそ光景だなと思うと、あのシーンにもえっちである以上の価値を感じた。

亜沙ちゃんが可愛いだけでなく、主人公の魅力も光る。期待した以上のものを見せてくれる良い作品だった。