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asteryukariさんの淫蹂の号砲の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
淫蹂の号砲
ブランド
つるみく
得点
72
参照数
2045

一言コメント

女を犯し、痛めつけるのはあくまで情報収集のためだと、一時的な快楽のためではない部分に好感を覚えた。また、本作は設定もワクワクさせるものであったため、そういった面白さもあったかなと。物語的な面白さはないが実に爽快愉快な作品だった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

主人公【ディルク=ベルンシュタイン】率いる部隊が装置の暴走で異世界へ。文化、時代の違いに一瞬驚きつつもすぐに頭を切り替え、異世界の蹂躙を目的に行動していく。あまりのテンポの良さに笑ってしまった。

しかしながらその計画はなかなか凝っていて、ただ武力を行使するのではない。慣れない世界を掌握するために、情報収集を怠らない。そしてそのために女どもに近づくのだ。一時的な快楽のためではないというのがこの作品のミソ。あくまで異世界を蹂躙するために女たちを陵辱し、情報を得る。この作品の目指すところがきっちりとしていて、読んでいて面白かった。

一般の女兵から始まって、やがては王族の女にまで手を伸ばしていく。その段階を踏んだ綿密な計画には見事と言う他なかった。最終的に世界を蹂躙し尽くした描写、挿絵なんかがあればもっとよかったが、ハーレムENDなんかでは女たちはもう完全に奴隷と化していたので、計画は完遂されたと見ていいだろう。

ちょっと嬉しいのは最後までビルギットが反抗心を持っていたことだ。彼女だけ調教のスパンが短かったからか、意志の強い人間だったからか(彼女の言動を見る限り後者はないかと)定かではないが、王族の娘らしい振る舞いに感謝すら覚えた。

そう、個人的にビルギットの頭は弱いが気だけは強い、面倒くさい女らしい性格を酷く気に入っていたため、もっとこの女の陵辱描写が見たかったし、個別ENDも欲しかったなぁと。「ただ権力が欲しかっただけ」、後ろから突かれながら必死にそう言い続ける彼女の姿は極上だった。

また、初見で良いなぁと思っていたフリーダもきっちり陵辱対象にしてきたのには喜びよりも驚きの方が大きかった。こんなにも従順な女をどういった流れで持っていくのか。いやぁ、まさか裏切らせるとは。あまりにも清々しいシナリオに笑みが零れた。あんなにきっちりした性格の持ち主が部下達に無残に犯される、ついつい恍惚とした表情をしてしまった。

シーンについては基本的に調教し始めが好きで、シチュエーションが増えてくる頃には飽きを感じていたのも事実だ。やはり反応が単調になってくるとおもしろさも減る。きっちりとした言葉で悲鳴を上げてほしいものだ。

あとこのブランドで見られる乳首にピアスをする良さは未だによくわからないので、もっと勉強が必要みたいだ。まあ何はともあれ楽しかった。物語的な面白さはないが、主人公たちの一貫した考え、目的には目を見張るものがある。ここのブランドにはこれからも安心爽快な作品を出し続けてほしい。