当たり前の幸せを手に入れて、笑って過ごすことを覚える。そんな彼女達を見ることができて大変に嬉しく思う。こんなにも満たされるおまけ特典は久々だ。
「見ての通り俺は医者だ」
読み始めから終わりまでもうずっと楽しませてもらった。どこからどう見ても戦士にしか見えないだろう。英雄病を治すために各地を飛び回る…というのがアレクくんの物語だったが、まあランスがそんなことをするわけがない。ではどう話が展開していくのかなぁと見守っていたら…流石としか言いようがない。治療もとい性交渉をするためにわざと女の子たちを病気にかける。素晴らしく鬼畜なマッチポンプ作戦に笑いが止まらなかった。
また、その病気をかけるエンデとの絡みが最高なのだ。本編では利用されてしまった形ではあるものの、敵として主人公達の前に立ちはだかってきた彼女。研究所で明らかになる彼女の壮絶な生い立ちを目にしてどうか幸せになってほしいなと強く願っていた。終盤ではアレクの新しい嫁として迎え入れてもらえるが出番が少ないので、そこが本編のちょっとした不満だった。
だからランスくんには感謝しかない。ランスのあの分け隔てのない人柄が上手い具合にエンデに噛み合っていた。ランスの真っ直ぐな一言を嬉しく思ったり、幼い行動に呆れたり、はたまたツッコミを入れたり。共に生活していく内に人間らしい姿を見せるようになっていく彼女はとても素敵だ。恋愛イベントは勿論、百景イベントすらも私からしたら相当に嬉しいものであり、見守っている時間がとても心地よかった。カブトムシを捕りにいく二人の話が凄く見たい。
そして、そんな日常に中でエンデが零すわけだ「一緒って…いい言葉ね」と。この台詞にはやられた。本編の彼女を知っていると自然と目に水が溜まっていく。本当に、本当に良かった。
加えて良かったのがエピデとのお話。あんな悪の象徴のようであった彼女が抱かれて一気に女になる。あまりに衝撃な展開に空いた口が塞がらなかったが、その後に続いていく物語、挟まれる会話が面白い。悪役から一転してランス好き好き状態になってしまった彼女を見て某国の王女を思い出した。”あなた”呼びがまた彼女を彷彿とさせる。あちらは”ダーリン”だが。
中でも恋愛イベントは素晴らしくて、「生まれ変わる際にどんな姿が良いか」と聞くエピデに対するランスの答えが本当にカッコいい。ああ、だからダーリンって好き!
最後のエピデとのあの一件は…ランスシリーズ既プレイ者ならば誰しもあのもこもこピンクを思い出してしまうだろう。結局どこの世界に行っても彼は同じなのだなぁと、感動のあまり言葉を呆然としてしまった。改めてランスの魅力に気付かされた。
わりと本気で本編よりも好きになってしまった。やっぱりランスなんだよなぁ。