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asteryukariさんの金色ラブリッチェ -Golden Time-の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
金色ラブリッチェ -Golden Time-
ブランド
SAGA PLANETS
得点
80
参照数
1016

一言コメント

FDということで多少気を抜いて臨んだわけだが、期待以上の内容だった。あの追加√に関しては色々考え込んでしまったが、やはり気持ちとしては好きだったかなと。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

発表から発売までの流れが非常にスムーズだったのが好印象。気付いたら発売したような、そんな感覚だった。それでいて内容も面白く、ボリュームも十分という。ただ、アペンドの話は短く、本編のメインヒロインの話に期待していたりするとやや不満に感じるかもしれない。しかしまあアペンドなのでこんなものかと。

本編ではサブキャラだったミナ、絢華がメインに昇格ということで、発表された時は嬉しかった。何かと主人公の世話を焼きたがるミナちゃんと、ツン成分が高めな分、デレた時の破壊力が凄まじい絢華。この娘達の√がほしいと何度思ったことか。

また、この二つの√に加え、前作の理亜√とは別の結末を迎える新たな理亜√が用意され、単にイチャイチャして終わるFDという感じではなかった。新理亜√は強引なところこそあったものの、本編と分けて考えるとまあアリなんじゃないかと思う。こちらの√の方が好みな点もあったので、私としてはこの物語を読むことが出来てよかったかなと。

以下√ごとの感想

○絢華√
少しは自重しろと言いたくなるくらいの痴女っぷりを見せてくれた。何度自慰のCGを見せられたか。ツンツンしていた時期から既にそんな感じであったから、デレてからはもう大変。えっちにはとことん付き合い、主人公の事を好き好き言いながら喘ぎまくる。

優等生のあーちゃんはどこに行ってしまったのか。しかしそんな彼女が堪らなく可愛かった。付き合ってから急に大人しく、それも敬語を使い始めるというのがまたなんとも。やはり女の子には恥じらいが必要なのだ。

彼女の√は見合いの話こそいまいち楽しめなかったが、理亜と絢華の出会いやマリア誕生の詳細など、二人の関係が濃く描かれており、どちらかというとそちらの話の方が読んでいて色々発見があり楽しめた。絢華が理亜のことを考え、大切に思っていることは明白だったが、理亜もちゃんと絢華の事を気に掛け、大事に思っているというのが、なんだかとても素敵な関係だなと。

「イチくん」の回収はしないのかと思いきや、アペンドでしっかりと回収してくれたのが地味に嬉しい。ずっと目の敵にしていた相手がまさか意中の相手だったとは、それに気付き、慌てふためく絢華がもう可愛いのなんの。


○ミナ√
本編でも世話焼きで包容力があって、まさに天使のようなミナちゃん。その可愛らしさは健在だった。特にあのお出かけの時の格好、あれは素晴らしかった。あの大きなリボンがチャームポイントだと思うんですよね私は。

以前はそんなことなかったのに、他の女の子が央路と話していると嫉妬したり、二人の時はくっつきたがったりなど、女の子らしさだけでなく、彼女らしさも出てきてますます魅力的に。

その気持ちを真っ直ぐに信じ、自分達の間だけでなく、皆から認めてもらい、祝福されるような関係になりたいと願い、宣言する彼女からは、気持ちの強さが窺えた。この二人ならきっとうまくいくだろう、そして彼は恐らく尻に敷かれることになるだろう。

アペンドの昔と今の印象を比べる会話がとても良かった。あー、たしかに虫けら扱いしていたなとちょっぴり懐かしくなった。


○理亜√
前々から思っていたことだがマリア・ビショップはとてもとても可愛い。央路くんじゃないが彼の気持ちがよくわかる。特にマリアでからかってくるのが…ね。あんなの逆らえない。

このまま幸せゴールするのかと思いきやそんなことはなく、また辛い展開が続いていく。体質が変わって妊娠できるようになったの部分で少し引っかかったが、子供を産めるようになったのはハッキリ言ってうれしかった。本編ではシルヴィの娘が彼女に似るということだったが、やはり彼女が産んだ子供が彼女に似ている方がしっくりくる。

最後は正直、感動という意味では冷めもあったが、あれでよかったとも思う。

父親、母親、娘。

誰も欠けることなく家族三人で暮らしているんだと、その事実を考えた時に感情が一気に溢れてきた。このまま三人で幸せな時を過ごしてほしい、そういった気持ちが強くなっていくのを感じた。


まだまだ色々と思うことはあるが、一つ確かな事としては、私は思っていた以上に「金色ラブリッチェ」という作品が好きみたいだ。