ご主人様とメイド、この関係が恋人へと移行していく様がとても丁寧だった。二人にはいつまでも幸せでいてほしい。
出会いがあまりにも唐突であり、ああ、そんな簡単に同棲始めるのか、この作品はそういうタイプかと思っていたのだが、きちんと裏事情があって安心した。人工生命体、うん好きな設定だ。人間ではないながらも主人公と生活していくことで愛情が芽生えていく様は非常に美しかった。
そして主人公も中々良いキャラしていて、突如現れた従順なメイドさん相手にいきなり性行為を要求したりせず、あくまで彼女の事を考え真摯なお付き合いを望んでいたところに好感を覚えた。人工生命体であるとわかった後も、彼女をあくまで一人の女性としてこれからも愛し続けることを誓うのが素晴らしい。
二人はお互いの気持ちが通じ合い、正式に恋人になった後も、キスのあといきなり性行為に及ぶのではなく徐々に徐々にというのがまた良くて、これはイヴの体質の影響も大いにあるのだが、それを含めて主人公がイヴの事を大切にしているというのがよく伝わってきた。
また、イヴもイヴで初行為が終わってからは、今まで主人公が我慢してきた分、積極的になるなど、今までの事をひっくるめて恩返ししようとする気概を感じられた。
はじめは「ご主人様」と「メイド」という立ち位置だったのに、共に生活し、お互いの事を知ることで、いつの間にか「恋人」という対等な関係になった。こういった作風の作品全般に言える事ではあるが、これがとても素敵だった。本当にお似合いの二人だ。
ただ、先ほども言った通り設定が好みだったので、それについてもう少し触れてみてほしかった気がしなくもない。まあ設定的に触れ過ぎると重い方向に向かっていってしまうため、これでいいとも思うのだが。
シーンに関しては普段が大人しい分、妖艶さに満ちていた。これはまあ演技の上手さというのも大きく関係していて、流石ベテランだなと。まだまだやれるんだぞというメッセージを受け取ったようだった。そりゃもう、ものすごくえっちだった。
短い中で出会いから結婚まで描いてくれて、やはりもっと見ていたかったという気持ちはあるけれど、まとまり方が綺麗だったのでこれで十分かなと。
人間の女性と同じようにウェディングドレス着て、自分とここまで歩いてきてくれてたこと、こんな場を設けてくれてたことに対し感謝の気持ちを述べる彼女は、メイドではなく、立派なお嫁さんだった。ブーケを持ちながら笑う彼女の幸せそうな顔はしばらく忘れる事はないだろう。