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asteryukariさんの闇染Revenger -墜ちた魔王と堕ちる戦姫-の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
闇染Revenger -墜ちた魔王と堕ちる戦姫-
ブランド
Escu:de
得点
70
参照数
545

一言コメント

闇という言葉から連想するものとはだいぶ異なる、とてもマイルドな内容だった。ただ、堕ちてからが本番といったところか、どのヒロインも堕ちることで新しい魅力が生まれている点は良かったかなと。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

突如現れた魔王さんと魂を同化させられてしまう主人公。変身ヒロイン凌辱モノよくある導入。日中は素の主人公のままヒロインと交流を続け、夜になると人格が入れ替わる。そして同時に楽しみにしていた凌辱ゲームも幕を開ける。まずはそのゲーム性についての感想を述べていこうと思う。

バトルは半自動で行われる、セミオートバトル。戦闘準備画面であらかじめセットしておいたスキルデッキを元にバトルが始まる。セミオートなので特別なコマンド入力などはなく、ゲージが溜まるのを待ってボタンをポチポチ押すだけの比較的楽なゲーム。

そう、楽は楽なのだが面白味はない。主人公を強化していくと溜め時間が短縮されたり、技の威力が増したりしてストレスフリーなゲームにはなるのだが、それでもやはり爽快感は生まれなかった。

相手のゲージを減らし切ると始まる闇染パートも単調なもので、じわじわ染めていく事に快感を見出せればそれなりに楽しめるのかもしれないが、個人的にはあまり。序盤は早くヒロイン達の堕ちた姿が見たかったのもあって悶々としていた。

ただ、染め上げた後に見せてくれるヒロインの闇堕ち姿はまさに一級品で、その姿を拝みたいがためにこの作品をプレイし始めた私も大満足の女たちがそこにはいた。単純に黒い衣装にチェンジするというだけでも相当えっちなのに、そこに光沢まで加えてくれたらもう言う事はない。本当にあの衣装に光沢を入れようと言い出したスタッフさんの有能さには平伏すばかりだ。

また、ただ闇堕ち姿がえっちなだけでなくて、闇落ち後の彼女たちに新しい魅力が芽生えていた点がとても嬉しかった。タイトルに使っているだけあって、この作品は染まる事、すなわち闇堕ちを肯定的に捉えているのだ。他の作品であったら闇堕ちはBAD扱いでちょっとHして終わりだが、この作品は闇堕ちしてからが本番。闇堕ちして身体を重ね続けることで、心の距離も縮まっていた。

闇堕ちしてからはどのヒロインも本当に嬉しそうにしてくれる。中でもアーネストなんかは印象的で、かつて敵対心を剥き出しにしていた姫騎士様とは思えないほど女の子らしい表情を見せるようになっていた。

「異世界でいろんな冒険をして、いろんな料理に出会って、和くんと一緒に世界を楽しみたい。」

元々主人公の事を好いていた彼女だが、闇堕ちすることでようやくその恋が実ったわけだ。そういう意味だと彼女にとってクライブは恋のキューピット的な存在であるのかなと。他人に闇騎士呼ばわりされても満面の笑みで応える彼女は凄く幸せそうであった。

また、サブ的な位置ではあるが女神フェインもかなり私好みのヒロインだったかなと。世のため人のために真面目に女神ちゃんらしく振舞っていた彼女が、闇堕ちすることで文字通り堕落していく。

炬燵に入りながらゲームをして、主人公に料理を作ってもらって、食べさせてと甘える。まさに駄目神になってしまったフェイン様だが、そんな彼女が愛おしかった。自然な姿を見せてくれるようになったという意味では彼女が一番闇堕ちの恩恵を受けているとすら思える。

といった感じで凌辱要素は薄く、ハードな堕ち方もしないが闇落ち後は私欲のために市民を虐殺したりなど、闇堕ちヒロインらしいことしてくれたのでそこそこ満足している。また単純にヒロイン達が可愛かったのも大きな評価点かなと。闇堕ち後、即エンディングに突入する作品が多い中でよくぞここまで頑張ってくれた。神…ではなく魔王様に感謝。