話の本筋に関してはまあまあといったところだが、作品の中でも多くの割合を占めているであろう日常パートは中々良かったのではないかと思う。まあ何より良かったのはメアリーちゃんの愛らしさなのだが...
アメリカの郊外にある和風喫茶店、その珍しい舞台設定が目を引いた。というのはまあ建前で、本当は可愛い女の子に惹かれた。忍びの末裔と炎を操る幽霊、そんな奇天烈な二人を動かしてどんな物語が作られていくのか、とても興味が湧いた。感想としてはまあ、本筋のお話よりかは日常パートを楽しむことができたなという感じで、読了感が良かったり、戦闘で燃えるということは皆無だったのだが、それなりに良かったのではないかと思う。
正直な話、首なし騎士との因縁というのがさほど興味を引かず、故に楽しめなかったのかもしれないが、「ふーん」くらいの感じで終わってしまった。引っ張ったわりに…という気持ちが少なからずあったのだ。
また、戦闘においても、日本刀を持ち出したりするのは心躍ったが、戦略なんかはガバガバだったかなと思う。べらべらと喋り続け隙を突いたり、その間にもう一人を回り込みさせたりする。まあ忍者らしいといえばそうなのだが、いかんせん地味すぎる。そしてそれに対して過剰なほどの驚きを見せる敵味方も…。まあこの辺は戦闘スタイルが合わなかったということだろう、いやでも忍者ならなおさらあんな喋るのは…。
ただ、日常会話なんかは、ありふれた会話でありながらそれをマニアックな方向に持っていくことも多々あり、読むのが楽しかった。いや、そこをそんな掘り下げて会話する必要はないだろとか、時たま痛々しさを感じる場面もあったが、飽きないという意味では中々良かったのかなと。
そしてキャラクターに関してはメアリーちゃんが非常に良かった。その性格から弄られることが多く、その反応というのもまた愛らしい。また、弄られる光景からは二人の仲の良さがうかがえる。霧はそんなメアリーが好きだから弄るし、メアリーもまんざらでもない。
「首なし騎士は私たちだったわ」
うん、言い得て妙だ。