ヒロインとの愛に満ちた日常劇についてはもはやお腹一杯に感じてしまったが、過去作キャラクター達の絡め方は実に良かった。過去の自分たちと同じような問題に直面し、苦悩するヒロイン達に対し、ちょっとした助言を与えて背中を押してあげる。Ⅱのキャラクター達の株がますます上がった。
D.C.Ⅲの最後のファンディスク(現時点)であり、前作「プラチナパートナー」でヒロインに昇格したヒロインを含む計7つのアフターストーリーガ用意されていた。内容としてはヒロインとのイチャイチャがメインで、同棲生活は勿論の事、結婚に向けた準備などが行われていた。
前作と違うのはⅢのキャラクター間のみで話が進行していくのではなく、過去作のキャラクターも登場する点。過去作のそれもⅡのキャラクター達が出てきたという事で、Ⅱが大好きな私は歓喜に震えた。ディアレストマリッジについての補完よ嘘なんかも微かではあるが存在した。
まず印象的だったのは立夏ルートで、立夏がシリーズにおいてかなり重要な立ち位置にいるため面白くなるのは必然であったが、やはり最も良い出来だったなと。何と言っても終盤のさくらさんとの会話が素敵だった。
その関係から過去作でも何かと立夏と絡むことが多かったさくらさんだが、今作では少し違った。無邪気にはしゃぐの彼女ではない、成長した姿を見せてくれたのだ。髪が伸びて見た目も大人びたが、それ以上に中身も。落ち着いた大人の女性へと成長していた。
何がそんなにも彼女を変えたのかと考えると、それはやはり義之と音姫、そして桜姫の存在なのかなと。いくつもの喜びと苦悩を経てあのような表情を浮かべるようになったのだと思うと、中々感慨深い。
また、立場的に血筋的にも過去作キャラクターと密接な関係がある姫乃のルートなんかも良い出来だったと思う。話的にはすっきりはしないものの、由夢との距離感が絶妙で、血筋だからといって近くなり過ぎずに幕を下ろすのが良いなぁと。由夢も妹キャラからは卒業し、他者にそれとなく助言を与えられる大人の女性になっていたのが凄く良かった。本当にみんな大人になった....。
といった感じで他にもすももルートなと、Ⅱのキャラクターが絡む話、場面は贔屓目で見てしまうのもあって、非常に楽しめた。反面、Ⅲのヒロイン達とのやりとりについてはもう十分だと言いたくってしまう瞬間もあったが...。
何はともあれ過去と未来が繋がり、Ⅲという作品も終わりを迎えたのだと思うとホッとする同時に寂寥感も押し寄せてくる。Ⅱのように今後、10周年企画の作品が出るのかは定かではないが、出るとしたら何も考えずに購入してしまいそうである。そして、今は新章「D.C.4」が楽しみで仕方ない。