パッケージを見ただけでは伝わってこない、隠されたキャラの魅力を存分に堪能しました。まさか一番微妙だと思っていたヒロインをこんなに好きになるとは思わなかった。これだからエロゲ―はやめられない。
冬を舞台にしたキャラゲー。大学生が主人公というのがまあまあ珍しいと思いましたね。ヒロインは月並みの言葉ではありますが皆可愛く、一人に絞るのは中々難しいというのが正直なところでした。最初に描いていたキャラクター像とだいぶ違ったキャラもいれば、話を進めていくうちに意外な一面が見れ、どんどん好きになっていくキャラなど、パッケージを見ただけでは分からないキャラの魅力などもありました。
以下√ごとの感想になります。
●共通√
開幕早々からわかる空と主人公の仲の良さ。ここまで始めから恋愛感情とかなしの仲の良さは結構レアかもしれません。先にも言った通り大学生ということで、大学生生活がを中心に描かれているって程でもないですが、授業時間がバラバラだったり、居酒屋わいわいしたりと大学生らしい(?)ことをしていましたね。彩里沙はクールな見た目とは反して実はバカという。また、意地っ張りというのが共通√の段階でよくわかりました。料理が下手ということも...。史帆さんは親も心配するほどで、本人は急いでない感じが余計に行き遅れの女性を感じさせました。可愛いんですけどね。あゆみちゃんは見た目通り優しい女の子で、この段階では好きという気持ちを出してはいませんでしたが、この子の√はさぞ可愛いんだろうなという印象を受けました。
そして萌美ちゃんですね、見た目的にそんなに好きではなかったので一番最初に攻略しようと思っていたのですが、気が変わりました。可愛くて可愛くてたまらなくなったので一番始めに攻略したくなりましたね。貧乏という設定に弱いのかもしれません。家庭的で家族を大事にする女の子になりやすいのですぐ好きになってしまいます。店ではあれだけはしゃいでムードメーカー的な存在なのに急にしおらしくなるとかズル過ぎる...。
また、姫良梨ちゃんが可愛さとは裏腹に「乳首をつねる」という中々怖ろしいことを趣味にしていましたね。私が小学生の頃も「乳首ロック」という名称で校内で流行ってました。中にはつねる力が強すぎて乳首が青く変色している生徒もいて、今思うと大変に恐ろしい遊びだったように感じます。少し脱線しましたが共通√で一番好感触だったのは萌美ちゃんでした。
●萌美√
共通ルートから好感度が上がりっぱなしだった彼女の魅力は止まることを知らず、メールのやり取り、日々の会話からも大人しくて女の子らしい自分を出していく彼女。そして告白の時にはみんなの前で、控えめではあるけどはっきりとした意思表示で彼女に立候補してましたね。この時の彼女の表情があまりにも愛おしすぎて、よく頑張ったねという気持ちでいっぱいでした。萌美ちゃんはどうやら貧乏以外にも周りの女の子と比べて自分は女の子らしくなかったりとか、フリーターという立場などかなりコンプレックスを抱いていたようで、それを表に出さず普段陽気に振る舞っていたかと思うともう好きにならずにはいられませんでした。そして付き合ってから髪をアップにしてみたり(これがとってもかわいい)、他の女の子と話す主人公に弱めではあるけれど嫌だなと伝える姿はまさに恋する乙女でした。
また、共通√で出てきた姫良梨と健太とも仲良くやっていて、告白の時に萌美が言っていましたが、萌美が主人公に惚れたのはこういう所なんだというのが強く伝わってきました。しかもこの二人の掛け合いがこれまたおもしろいんですよね、執拗に弟を脅す姉とそれに怯える弟。何かあったら乳首つねると脅すのがツボでした。それでいて二人とも萌美のことが大好きで、自分達のせいで萌美に迷惑をかけていないか主人公に相談したりと、ただのモブキャラではなく家族としての温かさみたいなものを感じました。最後には萌美の夢だった「好きな人と一緒に、家族の誕生日を祝う」というのが叶って最後まで温かさに包まれたお話だったと思います。
●史帆√
なぜ父親が心配になるかわかるくらい自分本位、仕事一筋の女性で、仕事に関してはしっかりしているのですが生活は非常にだらしないという。料理などはせずデリバリーを頼んだり、冷凍食品で済ませたりとプライベートタイムをお金で増やしているような生活をしていました。一人でゾンビ映画を見るのが好きというのも上手いキャラ付けだったと思います。まったく惹かれない。そんな彼女と主人公の付き合いは行き遅れのお姉さんとヒモのようで、仕事で疲れた彼女を主人公が癒すといったやりとりが多かったですね。ただ、史帆は恋愛になれていないのもあって初々しさが残っていたのが良かったです。年上行き遅れというキャラの性質上、若い男との恋愛の話になると大体こういった物語になるよなという感じでした。
●あゆみ√
同じ屋根の下での生活、同じバイト先での生活、メールのやりとりと着々と友好な関係を築き上げていったあゆみちゃん。そうしていくうちに従兄妹だからとか、家庭の事情だからとか関係なく自分を一人の女の子として見てほしいという彼女。こんなかわいい子にこんなこと言われたら断れないですよね。弱弱しくて護ってあげたくなる優しい女の子でした。そんないつもは控えめな態度のあゆみちゃんが一変、鍋の時の強気でこだわり深い態度には思わず吹いてしまいました。なんだこの子可愛すぎだろ。また、付き合う前から主人公の見方はしていたのですが、付き合いだしてからそれが特に顕著になっていき、他√では毎回悪でしかなかったオナホの存在を許容したり、主人公のために出稼ぎに行くと言い出したり、ダメ男製造機のような優しさに満ち溢れていました。
●彩里沙√
アホっ娘で家事が出来なくて意地っ張りというおおよそ魅力なんてないんじゃないかと思われる彼女ですが、持ち前の容姿でそれらの全てを愛嬌に変えていました。やっぱり可愛いは正義なんですよね。サイドポニーでピンをしているというまさに私好みのヒロインで、しかも√に入ると金髪ツインテールというこれまた私の大好きなヒロインに大変身する。加えて強気ということで本当に可愛かった。付き合い始めると懐いた子猫のように主人公にベタベタで、主人公以外の男性のメールアドレスを親戚も含めて全部消したり、主人公の生活を知りたいがために一緒に大学に行ってみたりと少々行き過ぎた場面もありましたが、そのくらい主人公のことが好きで好きでたまらなくなってました。ツンとデレの差が激しすぎてびっくりですよ。そして初エッチの方も恐らく全√で一番早く済ませており、学校卒業したら結婚すると言い出したりしいて、若さ(馬鹿さ?)を感じました。でもそんな馬鹿さが可愛く見えるんですから容姿って大事だとつくづく思います。最後の方になりようやく母親との話が出てきますがわりと短かったので、その辺をもう少しがんばって書いてほしかったなと思いました。
●空√
共通では恋愛なんてまるっきり興味ないような態度だった彼女ですが、急にデレ始めて最初はキャラ変わりすぎだろと思ったりもしたのですが、それに関しては後半にちゃん語られていたので良かったです。付き合い始めて恋人らしいことをしても依然と関係はあまり変わらす、周りの友人や家族から見ても本当に付き合っているのか疑問を持たれる二人。傍から見れば小さい時から一緒に育ってきた兄妹のような感じなのですから当然ですよね。でもそれでいて二人の時はちゃんと女の子らしい仕草で甘えたり、オナホに対して厳しく、挙句の果てには燃やしてしまう空は彼女以外の何者でもなかったです。
後半になって翔子から明かされる空の本当の気持ち。それは空がずっと昔から主人公が誰かと付き合って、それで幸せにしているところをずっと眺めていたかったということ。昔から一緒だったからこそ家族同然の主人公を見守りたい、そういった感じでしょうか。この辺から空の評価がグングン上がってきましたね。というのも正直、後半の空の気持ちが語られる部分がくるまでは付き合わない、ただの幼馴染のままの彼女が見たかったという気持ちが強かったんですよね。普通の幼馴染ものなら喜んで幼馴染の恋を応援するのですが、この作品だけはちょっと違いました。空の幼馴染としての主人公との関係が濃すぎるんですよね、それこそ家族と言ってもいいくらいに。恋人という関係になるよりもこの関係を維持したままお互い別の人と付き合って、お互い別の人と結婚するほうがいいのではないかと思ったんです。二人の関係は既に恋愛するという領域を超えていると感じていました。
ただ、これが空の気持ちの全てではなかったというのが私のモヤモヤを見事に消してくれました。半分は合ってるけど半分は違う、そういったところでしょうか。確かに空もこういった気持ちを持っていたが、彼女の中では別の気持ちもあった。それは好きという気持ち。結局はこれが一番重要だったんです。心配、遠慮していたんですよね。そしてそんな彼女に対して今まで同じ時間を共有してきた、共有しすぎた彼女だからこそ、「これから先、隣でお前がいない人生なんて考えられない」と言い放つ主人公は本当にかっこよかったです。それこそ作中で一番と言ってもいくらいに。空はその後も煮え切らないことをぶつぶつ言ってましたが、好きだという気持ちが分かった今では愛らしいとしか思えませんでした。良い幼馴染物語でした。
最初はギャグテイストな日常を楽しむという感じでしたが、個別√に入るとしっかりと恋愛していて、萌美に関して言えば完全に大穴でした。まさかこんなに好きになるとは思っていなかった。なので物語的にグッと来たのは空√でしたが、一番好きなヒロインは最初にやったにもかかわらず、ずっと萌美が一番でした。たぶん温かい家庭というのに憧れを抱いてるんでしょうね、良い作品でした。