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asteryukariさんの恋する彼女の不器用な舞台の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
恋する彼女の不器用な舞台
ブランド
CUBE
得点
74
参照数
184

一言コメント

ハレンチ万歳!ハレンチ万歳!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


愛らしいカントク絵が目を引く本作。原画カントクの作品は数あれど、その中でも好みのビジュアルのヒロインが揃っていた。推せるヒロインが見つかればいいなくらいの気持ち読み始め、すぐに幼なじみの真優ちゃんが目に留まった。作品における立ち位置も大変魅力的だけれど、駄々っ子感が出た怒り顔がもう最高に可愛らしい。こんな武器を持ってしかも幼なじみとか個別ルートに突入したらどうなってしまうんだと、期待で胸が膨らむばかりだった。


...と思ったのが本当に最初の数分だった。後から出てきた「七瀬 千奈」、この娘が助走もつけずに軽くポーンと真優ちゃんを越えていってしまったのである。ビジュアルで言えば真優やアリスの方が良いと感じたが、その絶対にスケベでチョロインな彼女の性格に心惹かれてしまった。ハレンチが口癖の女なんて、そんなの絶対に即オチチョロインに違いないのだ。

そんな下衆な読みは当然的中し、実はエッチなことに興味津々であることが徐々に明らかになっていく。面白かったのがコンビニで雑誌を立ち読みしている場面で、まあ受賞作かなんかを見ているのだろうなと思っていたら、しっかりえっちな本も読んでいたことである。しかもその後に官能小説の素晴らしさについて説いてきたり、むしろエッチな自分をアピールしていくスタイルできたので吹き出してしまった。こいつは相当なむっつり女だなと、自然と口角が上がった。

馴れ初めもスケベ女らしく一つか二つ飛んでいて、モデルとして主人公の竿を露出させ、変な勘違いをして舐め始めるというドスケベっぷりを披露してくれる。思わず主人公が「なにやってんだ!」と焦り始めるのが本当に面白い。自分の勘違いに恥じらいつつも、スイッチが入って止められなくなってしまうあたり救いようのない変態女である(誉め言葉)。

そうやって乱れていくうちにやがては恋仲になっていくわけだが、変態ごっこして終わりではなく、彼女というキャラクターに焦点を当てた少し苦いシナリオを用意してくれていた。シナリオについては意外とあっさり解決して即えっちなのは笑ってしまったが、天才たちの中で藻掻き、そして苦しむ秀才という厳しい立場をそこそこしっかり書いてくれたのは好印象だったかなと。彼女の内が見えてくるという意味で、少なくとも無駄シリアスなどではなかったと思う。



他ヒロインについてもシナリオはあと一歩というものが多く、また主人公もイマイチ天才な感じがせず、何かと説得力に欠けることが多かったのが残念。真優の扱いについても、真優ルートよりもむしろアリスルートの方がしっくり来てしまうのがなんだかなぁと。ただまあ、冒頭でも述べた通りかわいいヒロインを目的に読み進めていたのもあって、それなり満足感はあった。ドスケベ女さんに出逢えてとても嬉しかったです。