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asteryukariさんのランス10の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
ランス10
ブランド
ALICESOFT
得点
99
参照数
1814

一言コメント

ランス様についてきて、本当によかった…

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

とうとうここまで来てしまったシリーズ最終作。どんな物語を、どんな結末を見せてくれるのか、インストールしている時点で高ぶる気持ちが抑えらなかった。

何と言ってもここに至るまでの流れが完璧。国を救うことで次の作品ではその国が加勢してくれる、それがどんどん連なっていくのがランスシリーズ。そして当然、最後はすべての国と協力することになる。こんなの盛り上がらないわけがない。

でも国同士の仲は実はそれほど良好なわけでもないのが面白くて、それがわかる光景が開始早々見られたのは非常に良かったかなと。リアが相変わらずわがままで安心した。そりゃあマジックとは合わないよね…。そんな彼女たちと国を従わせる人物はランス以外ありえないだろう。自由に槍のように突き進んでいく彼の性格が全てを黙らせていた。

そう、キャッチコピーにもあるようにみんなは「ついていく」のだ。ランスが代表として各国をまとめるのではない。そこがランスらしくていいなと感じた。最終作になっていきなり真面目になっても困るからね…。

ここからは一部と二部に分けて感想を述べていきたいと思う。


☆一部
はじめの50時間で稼いだCPはなんと「2」。どうしてこんなことになってしまったのかというと、CPの仕組みを理解しておらず、常にAエンドを目指して突き進んでいたからから。これまで様々なランスシリーズをこなしてきた私だ、なんだかんだいけるだろうと思っていた。鋼の精神で失敗したらロード!ロード!と前に前に進んでいったのだが毎回、BエンドもしくはCエンド(しかも両者同じもの)に達していた。そしてそれにかけた時間を見返して絶望した。「どれだけ難しいゲームなのだ」と。

まあ戦力的な問題もあるが、Aエンドに辿り着けなかった最も大きな理由はそもそも分岐の条件を満たしていなかったから。「魔王探索?そんなの後回し!後回し!」、「シャングリラ!?あー、鬼畜王でシャリエラちゃんがいたとこだ、後で行こう」みたいな進め方をしていたから、そりゃあいつまで経ってもJAPANを彷徨うことになるわけで…。大変なロスタイムだったが、ああやって何もわからずただがむしゃらに進めていくのもそれはそれで良い思い出になってくれる。

CPを集め、フラグも把握したらあとはAエンドまで走り続けるだけだった。ただ、序盤はCPの恩恵を受けて余裕だが、終盤はどれも厳しい戦いになってくる。フルスペックの魔人たちは本当に固い。そのため強行突破なんかは本当に辛かった。魔物界大侵攻も辛かったがあれは管理の辛さなのでまた違う。

強行突破の何が辛いって勿論、魔人四連戦だ。事前にケッセルリンクだけ倒しておけば後はすんなりいけるだろうと思っていたが…ハニージッポを駆使しながらなんとかケイブリスの下に辿り着いた。手汗びっしょり。メデュウサとはもう戦いたくない…。魔人退治2の時も苦労したし、なんだかんだランス10で一番強かったのは彼女だったのではないだろうか。昼のケッセルリンクと異界の魔王の装甲車もやばめだが。ゲーム的にも物語的にも嫌なのはメデュウサで決まりだ。

ゲームについてはそんな感じで、肝心の話の部分はというと…素晴らしかった。何が素晴らしいかって過去作のキャラがこれでもかというくらい活躍する点。中でもCITY決戦は熱かった。シリーズを通してずっと運がなかったコパンドンがここぞという場面で大吉を引く、こういうのは嬉しい。そしてパットン組の加勢には度肝を抜かれた。ここにきて闘神ζを出してくるのかと、Ⅵの時に博物館でチラっと見かけたときの記憶が一気にフラッシュバックした。

解放イベントはどれも良かったがやはりⅥ好きの私としてはゼスの解放イベントが一番胸に来た。ゼスで起きたことはゼスで解決するのだと、獅子奮迅の活躍を見せる四天王たちの姿を見て感銘を受けた。そしてパパイアがパスワードを入力する場面で…涙。立ち上がるたびに成長していくゼスという国が本当に好きだ。

Aエンドで好みだったシナリオはやはり「海から」になるかなと。船を二隻に分け、海から敵陣へ迫る。その事実だけでグッとくる。男のロマンというやつだろうか、モンスター達を掻い潜り、荒波にも耐え辿り着いた先で最終決戦。こんなの燃えるなという方が難しい。

ケイブリスが語る過去の話も中々に聞き応えのあるもので、単なる怪物などという認識は払拭された。ランス達にとってはこの戦いが最後の希望だが、それはケイブリスにとっても同じことだったわけだ。お互いが真剣な状態で始まる決戦、胸の奥がカーッと熱くなった。戦闘中にケイブリスが吠えるシーンがまた良い。「最強」と「最強」のぶつかり合いは最高だ。

どのエンドでもシリーズらしさ溢れるスカッとした終わり方をしていただけに最後は…まあ固まってしまった。悲しみや怒りといった感情すら湧かない、それほどまでに衝撃が勝った。一部だけでも十分以上に面白かったがまだその先があるのかと、そしてその先に待っていたものがとんでもなかった…。


☆二部
まずは出てきた年表をじっくり眺める作業が始まる。あれだけ意志力が強いランスでも魔王の力に呑まれてしまうという事実に少なからず驚かされた。そしてその魔王ランスを唯一止める方法がリセットビンタなのを見てほっこり。ケッセルリンクにシィルとシーラが誘拐された時もそうだったが、彼の心の支えの二番手に来るのが娘なのがまた良い。

ランスに救われた世界が、今度はランスが原因で滅んでいくのがなんとも…。何よりランスのことを慕っていた仲間たちの気持ちを考えると…。リックなんかは何としても止めたかっただろうし、だからこそ片腕片足を失ってまで戦ったわけだ。他にもダーリンが消えて錯乱するリアなんて容易に想像できるし、シィルとランスが大好きだったかなみやサテラの苦悩は計り知れない。

無敵の魔王ランスを誰が止めるか、そこで立ち上がったのが彼の子供たちってこんなの興奮しないわけがない。それもただ声をかけて仲良くなるとかではなく、どのキャラクターとも何かしらの出来事を経て徐々に距離を縮めていってくれるのが嬉しい。性格がまったく異なる娘、息子たちが終盤には一丸となって父を止めに行く。こんな素敵な話の流れを見せられたらもうそれだけで感動に至ってしまう。

また、彼らを陰で支える者たちとして出てくる親たち。彼ら絡みの話が本当に胸に来る。中でもリアの存在は大きくて、彼女の心情を察すると苦しくて苦しくて…。その辺は後にキャラクターごとの感想で語りたい。

特訓に際して、リックや謙信たちが現れたときは高揚感で満たされた。こういった展開を望んでいたのだと、まるで自分の願いを叶えてくれたかのような話作りに感涙した。いつまでも栄光にすがり続けることなく、次の世代へ託す。パットンの台詞は短いながらもグッと来るものだった。このあたりから目に涙が溜まり始める。

シィルが復活した事実も嬉しいが、もっと嬉しかったのはランスの台詞。これまで決して口にすることがなかった「好き」という言葉を零すランスを見て号泣。今まで濁し続けてきたのに最終作になってそれを言うとか…ずるい。あの「離れるなよ」は鬼畜王、ランスクエストマグナムの時に聞いた以上に温かみを感じた。

そして、血の記憶との戦い。本当にランスの背中を追ってきて、ランスシリーズを追ってきてよかった。

「おい、お前ら見ているか?」
「俺様の活躍、ちゃんと見ているか?」

今まで様々なゲームをプレイしてきたが、画面に向かってあんなにも涙を流しながら頷きまくった作品はない。ランスⅩ延いてはランスシリーズの中で最も好きな台詞。

歴代の魔王が出てくる演出もとても燃えた。ここで初めて姿を確認できる魔王も少なくなく、姿が切り替わるたびに「おおっ」と声を上げていた。スラルなんかはどんな容姿をしているのか見てみたかったので嬉しい。彼女が一番の鬼門だったが。

過去作も含め、険しい戦いを経てようやく辿り着いたエンディングはもう感無量。すべての戦いが終わり、すべての冒険が終わった。なんて凄い作品をプレイしてしまったのだろうと、一人振り返りの会を開いていた。

また、エピローグのルドラサウムの件については鬼畜王ランスをやっていたからこそ、ぞわっと鳥肌を立ててしまった。もし鬼畜王に触れていなかったら、消化不良感や何となくモヤモヤを感じてしまったかもしれない。もう一つの結末を知っているからこそ、この結末がしっくり来たのだ。本当にあの作品の存在価値は計り知れない。


物語に関してはこの辺でここからは印象深いキャラクターごとに感想を述べていく。


☆シィル
前作ラストで氷が解けて、再び彼女と共に冒険ができることをとても嬉しく思った。他の娘に子供ができているのを見て自分もさりげなくアピールしている姿が何とも愛らしい。また、今作ではいつの間にサテラとも仲良くなっていて、その描写が後々効いてくる。

戻ってきた彼女との日々に安堵していた私としてはあの展開は辛すぎた。なんで尽くしている彼女ばかりがこんな目に合うのか、今回ばかりは苛立ちすら覚えた。だが、その後のケアがあまりにも素晴らしかったのだ...。

ずっと、ずっと思っていた夢が叶って、嬉しさを隠しきれない様子の彼女を見て、こちらまで幸せな気分になった。最後まで奴隷と主人の関係で通すのだろうなと思っていただけにこのシーンは衝撃的で、死ぬほど嬉しかった。ランスが言った通り、最期まで彼の傍にいた彼女にも「お疲れ様」と言いたい。


☆かなみ
序盤からランスに放置プレイをさせられたり、バボラ戦では巨大かなみちゃんにさせられたり、食券イベントではリアに脅されたり...。相変わらず散々な扱いを受けていた。でもランスが優しい言葉をかけるとすぐ許してしまうなど、ちょろさにも磨きがかかっていた。

二部では出番が全然なくて少し寂しかったが、二部攻略後に手に入る鈴女の食券イベントにて出演。転生の意味を理解し、思いが溢れ出てしまうかなみちゃんにつられて私も大泣きしてしまった。しまいには鈴女に「泡沫の夢」なんて言わせるし…この作品において、彼女がどういった存在であるか。それを彼女に示させるのはずるい。


☆リア
念願のランスの子を産むことができて大層嬉しそうな彼女。子供が生まれたことにより、あのドSな女の子が涙脆くなっているから驚きだ。三人で死ねるならそれでもいいなんて言い出すし。

息子が成長してもその溺愛っぷりは変わらず、二部ではザンスにベタベタだった。そして、だからこそザンスの危機にはクルックーや周りに当たり散らした。だが大好きだった人とその人が残したものを失うなんて耐えられるはずがないと私は思う。息子が産まれた時の彼女の反応を知っているからこそ、あのシーンは効いた。


☆志津香
前作でナギと共にロリっ娘化してしまった志津香ちゃんは、それでも以前より幸せそうにしていた。渋りながらもナギの言うことはだいたい聞き入れてしまう彼女。その光景がまた微笑ましい。

二部にてついにランスへの想いを露わになり、ようやく来たかと。彼女のツンを堪能しつつ、デレを待ち望んでいた私は両手を上げて大喜びした。どんなに酷い扱いをされようとランスが満足すればそれでいい。投げやりではなく、本気で彼の事を愛していることがわかる。そして、だからこそ想い人からの罵倒には耐えられなかったわけだ。泣いてしまう彼女を見て胸が痛んだ。

あんなに尽くしたにもかかわらず、その後の関係はさほど変わらなかったのは二人らしいというか何というか。最後まで志津香というキャラクターを保ってくれたようで個人的には嬉しかった。


☆マリア
これまで様々な発明でランス達を救ってくれた彼女は今回も大活躍だった。にしてもマリアをパイアールに絡ませたのは天才だと思う。物理的なパワーで負けることはあっても、技術力で負けることのなかった彼女を見事へし折ってくれた。そこからのあの勝ち方。すごく気持ちが良かった。チューリップ三号を使ってくれたのもたまらない。

周りの嫁力が強いのでどうしても影が薄くなってしまいがちな彼女だが、ピンチの時は誰よりも頼りになる。過去作同様、共に彼女が戦ってくれた事実がとても染みる。


☆フェリス
だいぶ回復したようで、ランスとぎこちないながらも会話している彼女を見て、なんだか懐かしい気持ちに。すっかり丸くなったランスを見てフェリスが引いてるのが面白い。

食券イベントのパステル、五十六との絡みが好きで、すっかりママ友みたいになっているのが和む。そういえばフェリスも元はカラーだったなぁと。これからもほかのママたちと仲良くやっていってほしいものだ。


☆コパンドン
CITY決戦では大活躍だったが、他はあまり活躍無し。食券イベントではランスを買える金額に到達したにもかかわらず切ない結果に。でもそこで前向きになれるのがコパンドンの凄い所。強く良い女だ。

二部ではすっかり仕事人間になってしまったコパンドン。だが彼女は自分の人生を悲観しておらず、とても生き生きとしている。そんな彼女を見てホッとした。


☆リズナ
何かと敵に攫われがちな彼女だが、今回はレベルが違った。カオル、ガンジー、ウィチタの姿を見るに彼女もダメかなと思っていたが、ランスがしっかり救ってくれた。自分の女は何が何でも守り抜く、そういうところがかっこいいのだ。

二部にて魔人となった彼女は元の性格のまま。それでも魔王の子供たちと戦うのは主であり、恩人であり、想い人であるランスのため。サテラと違って敵対心を持っていない上で戦うというのが凄い...。ついにハニーたちの姫になっていて笑ってしまった。


☆マジック
名ばかりの女王ではなく、魔軍討伐のために皆をまとめたり、国民たちを助けたりと立派な女王となっていた。それがわかるという意味でもゼス開放イベントは必見。

反面、ランスの嫁は誰かという話になると沸点が低くなってしまう彼女。相変わらずリアとの関係は険悪で、食券イベントでも共通シーンでもバチバチしていた。昔はあんなにランスの事を敵視していたのに。

昔と言えば本作では愛らしいおでこを見せてくれなくなってしまった。パッケージ絵を見たとき「誰これ」と一瞬思ったほど。まあ女王としての貫禄を出すためにも幼く見える要素を排斥するのは良い判断だとは思う。でもやっぱりデコが恋しい。


☆ウルザ
車椅子に座っていたあの頃が嘘みたいに機敏に動き、芯のある発言をするウルザちゃん。軍師のため直接的な活躍の場は少ないが、彼女のフォローがあったからこそランスが自由に動けて、それが勝利に繋がっていた。

もうすっかりお堅い女性になっちゃって、卑猥なシーンなんてないだろうと思っていたらハニーがやってくれた。普段のしっかりとした服装が印象的な分、ひらひらな服を着たウルザちゃんは可愛さが爆発していた。


☆香姫
毒団子最強。香ちゃんがいなかったらこの戦いに勝利の二文字はなかった。パーティが強くなってきて、火力特化にしてみたりするけれど結局、毒が一番楽だと気付く。ガルティア戦では世界一の団子職人の実力を見せつけてくれた。にしてもランス城内でも被害が出ているのは笑う。

二部にて成長した香ちゃんの姿が拝めるのだがその美しさたるや。元々の落ち着いた性格も相俟って見惚れてしまった。それでもナギやリセットと仲がいいのは変わらないなど、残してほしかった部分はちゃんと残っている。


☆謙信
彼女の大食いを生かす場面がついにやってきた。ガルティア戦にてランスが「こっちには謙信ちゃんがいる」と言っていたが、本当に頼もしすぎて吹いてしまった。ランスへの愛の深さは変わらず、食券イベントではその旨を語っていた。彼女の戦う理由がまた良い。

二部での登場は予想外だったが、あれは本当に嬉しかった。もう少し出番がほしかったというのが正直な気持ちだが、見たかったものは見られたのでこんなものかなと。


☆千姫
前作、「ヘルマン革命」にて子供を授かり、戦人として生きる道を捨てた彼女は今どうしているかなと覗いてみると...立派な保母さんになっていた。序盤にその光景を見た瞬間、この作品をやってよかったなぁと思えた。立場上、他の母親と会話する場面が多く、それもまた魅力的な光景。

武器は置いたにもかかわらず、城に敵が攻め込んできた際に気迫だけで追い返していたのは流石の一言。子を守る母という属性が追加されてより一層強くなったよう。


☆クルックー
ついに女神ALICEの上をいってしまった法王様。魔王ランスを止めたのは子供たちであるし、血の記憶を倒したのはランス。だが、世界を救ったのは彼女だ。まんまと創造神たるルドラサウムをはめてしまった。

また、母親になることで堅さは少し和らぎ、よく笑うようになった彼女。でも性格的なところは変わらなくて、シィルの件に関してもいつものように「聞かれなかったので」と答えていた。彼女を通してシリーズを振り返ってみると感じ入る場面が多々あって、ランスクエストからの登場にもかかわらず非常に重要なキャラクターだったことがわかる。

“楽しかったよ”と私も彼女に言いたい。
 

☆パステル
変わらずランスと険悪な仲なのがどこか安心する。リセットが間に入ることで初めて家族らしい会話が生まれる、その光景は見ていて微笑ましかった。海からエンドの際にリセットの声援を聞き、ランスと共に気合を入れる場面がとても好きだ。

立場上、先代の女王達との絡みも多く、案外適当だった彼女たちを見て唖然としていたのがツボ。ランスクエストでは得体の知れなかったビビットさんだが、本作でようやく魅力が引き出されたように感じる。

エピローグにてちゃっかり英霊になっていた。


☆リセット
一部ではまだまだ子供だったが、二部にて真価を発揮する。まあ見た目は子供のままなんだけれど...。率いていたのはエールだが、それは彼女の存在があってこそ上手くいったのかなと。時たま女王としての威厳が垣間見える瞬間もあったりして、内面の成長が伺えた。

一部のケッセルリンク討伐の際にランスを落ち着かせたビンタは二部でも有効で、それが人類の切り札の一つになっていた。共に生活し、時に親馬鹿っぷりを発揮してしまうほど可愛がっていた娘から受けるビンタ。正気に戻らないはずもない。改めてリセットはランスにとって非常に重要な存在だと気付く。


☆シーラ
ヘルマンの大統領でという立場でありながら、ランスの奴隷でいるときに浮かべる表情は幸せそのもの。奴隷一号のシィルとも馬が合っているようで安心した。また、ぺルエレとの関係も良好で、自分の言うことをすぐ信じてしまうシーラを見て罪悪感に駆られているぺルエレが面白い。

二部では性格はそのままの、落ち着いた美しい女性に成長していた。魔王の子たちの安否がわからなくなった時もリアたちとは違い冷静だった。ふと思ったが、彼女に奴隷の気はまだ残っているのだろうか。とても気になる。


☆ミラクル
前作でようやっと姿を見せたわりには存在感が大きすぎる。出番は決して多くはないのに、彼女の発言が妙に頭に残ることが多かった。特にシャリエラとの会話は興味深くて、彼女の優しさと価値観がよく表れていた。返しの「良いことがあるから」が素晴らしい。

二部でも目立ちたがり屋なところは変わらず、トーナメントに参加したりもしていた。また、娘であるミックスの事を大層好いており、彼女もまた母親であることを実感させる。ミックスもミックスで嫌がりつつも母の指示に従っているのがまた。ママ呼びが萌え。


☆ビスケッタ
ランス城を守る鉄仮面のようなメイドさん。これまではあまり見せ場のないキャラだったが、本作ではしっかりと存在した。ランスに助けられたときにビスケッタさんがつい零してしまった本音は多くのユーザーの心を掴んだ事だろう。無論、私もそのうちの一人であり一気に彼女のことを好きになった。

そんな彼女は二部に入って、ランスが魔王になってしまっても彼のメイドであり続けた。それだけでも100点なのに陰でランスを戻すために動いていたなんて事実が露見してしまったらもう...株の上がり方は作中一だったと思う。


☆あてな2号
いつもアホな一面ばかりが目立つ彼女だが今回は違った。量産型あてな二号の登場により、その指揮を行うことになった彼女はCITY決戦で大活躍。量産型あてな二号の強さにビビった人も多いはず。あれだけ強いのにマリエータ隊ごときに負けるはずがないんだよなぁ...。

また、量産型あてな二号にはきちんと食券イベントが用意されており、その内容がかなり良かった。ありがちなお話だったけれど、不意を突かれたのもあって涙が出そうに。数ある食券イベントの中でもかなり好きな方。ちなみにあてなの食券イベントは相変わらず嵐のようだったなと。騒ぎ出したと思ったら次の瞬間には寝ていた。


☆スー
カタコトでランスに懐きまくりだったスーちゃん。本当に可愛かった。可愛かったんだ...。あまりの変わりように唖然。くそジジイやりやがったな…と言いたいところだが彼女が無事、社会復帰できたのだと考えるとまあ...。

それでも昔のことは覚えているようで、食券イベントではそのあたりの会話が見られる。まあ当然のごとくランスに関する記憶は酷いことになっているが、それでも覚えていてくれたこと自体は嬉しい。成長とは時に美しく、時に儚い...。


☆リック
レイラへの告白には驚かされた。てっきりレイラの片思いで終わるものだと思っていた。あれだけ女性の事が苦手だった彼がよくもまあ…成長したんだなリックと長年付き添ってきた友のような顔つきで彼を見ていた。

二部では先にも述べた通り最高にかっこいい登場の仕方をする。本当にキミのバイ・ラ・ウェイに数々の場面で助けられた。だから、ザンスへの継承が行われたときは嬉しくもあり、寂しくもある。また、リックが大好きな私としては、未だに最強の剣士と呼ばれているの
がとても嬉しかった。


☆アニス
こいつはもうさぁ、Ⅵの時のトラウマが蘇るからやめていただきたい。乗っ取られたり、暴走したり今回も人騒がせなやつだった。でもまあ、お仕置きのシーンが見られたので水に流してやろうと思う。ランスも言っていたことではあるが、案外いい身体つきをしていてびっくり。実は顔も普通にかわいい。でも頭が...。

食券イベントではアニスのわりと壮絶な過去が明らかになって少し、ほんの少しだけ彼女を見る目が変わった。まあ迷惑をかけない程度に元気な彼女でいてほしいかな。


☆キムチ
香ちゃんの次にお世話になった最強ユニットその2。相手には毒団子を食わせ、自分は優雅にキムチ鍋を味わう。此度の戦いも非常に有意義であった。キムチ鍋は初期の発動値こそ低いものの、自動回復を持つユニットがある程度集まってきて、部隊ボーナスで全体強化などとつけるかなりの割合で発動してくれる。

物語上での登場機会は少ないけれど、そのための食券イベント。相当辛い経験をしているはずなのにすべてを受け入れ笑っている。本当に強い女性だなと。ゼスの中で最も強い女性は、実はキムチさんなのかもしれない。


☆ナギ
食券にて、かつての四天王たちとも再開するイベントが本当に良かった。あの頃はまともな会話すらできなかったが今は違うのだと、うりうりしまくるパパイアさんを見て幸せな気持ちに。パパイアさんの台詞は毎回じわーっと染みてくる。

二部でも登場するのは驚いた。印象的な会話はやはりタイガー将軍とのもの。復讐がどれほど空しいものであるか志津香と語る姿はやはり頭に残る。所々記憶が戻っている彼女だが、言及はしない。する必要はもうない。


☆ダークランス
もうね、マフラーを巻いている彼が出てきた瞬間、ドバーっと涙が出た。本当にリセットちゃんには感謝ばかり。立ち絵だけでこんなに泣かされたのはいつ以来だろうか。二人には申し訳ないが、フェリスとダークランスの遠距離なやりとりがたまらなく好き。

そして、二部では復讐から解放され、兄弟たちを可愛がる良いお兄ちゃんに。Ⅵから彼を見続けてきた身としてはもう、ジーンときてしまう。本当に立派になったお前は。ランスの事も「オヤジ」なんてさ。まあすぐ「クソ」とつけていたがそれでも最高なのは変わらないこんなにいい息子を持ったことを、ランスは誇りにすべきだ。


☆美樹
シィルを凍らせたときは本気でキレそうになったが、美樹ちゃんも負い目に感じていたよう。無事を知り、嬉しそうにはしゃぐ彼女を見てもういいかなと。あんな健気な子が魔王だなんてにわかには信じられない。

美樹ちゃんも頑張っていたのだけれどやっぱり魔王化は止められなくて、ランスがいなかったらと思うと恐ろしい。ようやく普通の女の子になることができた彼女を拝めないのは残念だが、戦場に登場しないということはつまり平和に暮らしているのだろう。


☆健太郎
普段は頼りないけれど、やる時はやる。メデュウサ戦は頼もしかった。まあ本当に頼もしいのは魔人に対抗できる日光さんの存在なのだが...。日光さんに逆レイプされていた過去がちょっと羨ましい。

一部ラストでランスが駆け付けなかったら結局、彼は魔王化する美樹を斬ることができなかったと思う。世界のために美樹を殺すか、美樹のために世界を壊すか。そんなの後者に決まっている。だって美樹ちゃんの事大好きじゃん。


☆日光
人間体があまりにも美しい。美しいのだけれど…。意志の強いキャラクターたちが輝くこの作品において彼女の流されやすさと甘さは正直、目に余るものあった。そして本人もそれを自覚していて時折、苦い表情を浮かべる。

逆にカオス達といる時は終始穏やかな表情を浮かべていて、彼女にとってエターナルヒーローがどういった存在だったかがわかる。カフェをめぐるカオスとの会話からは彼女がいかに優しい心を持っているかが伺える。そりゃあブリティッシュも心配するわけだ。


☆カオス
ちんちくりんとか言っていたくせにちゃっかりカフェとやっていて笑った。しかもパワーアップしているし。カフェが怒っていたのはたぶんスイッチが入ってしまったカオスがやりすぎてしまったとかそんなところかな。

そして、二部。「ランス」呼びになってしまったのを見て胸が痛んだ。あれだけ一緒にいたのだ、こんなのあんまりだ。しかし、だからこそ「心の友」への切り替わりには感動。本当に最高の相棒だよ。


☆カフェ
カオスとの仲は相変わらずでランスは「中年夫婦」と形容していた。エターナルヒーローの会話イベントが大好きな私だが、その理由は彼女にあるのかなと。明るく元気な彼女の性格が周りを温かく包み込んでいる。だから「良い」と感じるのだろう。

また、二部では鬼畜王をプレイした方ならあっと思うファンサービスを仕込んできてくれた。エピローグで彼女がどうなったかは描かれていないが、エターナルヒーローの五人でお茶でもしていたら嬉しいなあ。


☆シャリエラ
鬼畜王の時とは打って変わって不思議ちゃんなキャラになってしまった彼女。鬼畜王の彼女が大好きだった私としては少々複雑な気持ちにもなったが、今回は今回で良いシーンもあった。

ケイブリスとの決戦前にて、自分が望まれて生まれてきたことを知る彼女。レーゾンデートル、人口生命体にはありがちな話ではあるがやっぱり良い。やっと心から笑えるようになった彼女を見てなんだかこちらもスッキリした。


☆クエルプラン
好奇心で性交したら恋に落ちてしまったとってもかわいい女の子。10で出てきたキャラの中でもドンピシャだった。人ならざる者の恋物語というものは、なぜこれほどまでに心惹かれるのか。

恋する苦しさのあまり「こんなことなら...神になど生まれたくなかった…」と悲しむ彼女を見て彼女と同じように悲しんだし、人間になることができて「恋してもいいんだ…」と笑みを浮かべる彼女を見て同じように...。本当にずっと彼女と同調していた。

そんな状態だったからあの姿を目にしたときは衝撃と怒りと苦しみが、感情がぐちゃぐちゃになった。どうか彼女を救ってあげてほしいと泣きそうになるくらいこの作品に懇願した。

最高のエンディングをありがとう。寄り添う彼女が凄く幸せそうにしていて結局泣いてしまった。


☆ホーネット
鬼畜王の時から可愛かったけれど、まさかここまで美しくなられるとは。その美貌を目にした瞬間、「助けなければ!」という使命に駆られた。あの厳しい条件を見事クリアしたこともあって、助け出したときは嬉しさのあまり声を上げてしまった。

ホー様とえっちができる、強行突破ではそれが大きな力の源になっていた。達成感のあまり上手く喋れなくなるホー様はとてもかわいいし、えっちの際は期待通りの反応を見せてくれた。

魔王の娘という立場から今までは散々ごまかしてきたが、二部の最後でようやく自分の気持ちに素直になれたようでホッとした。「私は、平和の方が好きだったようです。」そう語る彼女の表情はすごく自然だった。


☆サテラ
ランスの事が気になって気になって仕方のない可愛い子。ランスが自分の使途になった時の喜び方なんかもう最高だ。また、想いの丈が一気に漏れ出すえっちシーンも同様。こんなに可愛い魔人がいていいのか。

二部では魔王ランスの傍で彼を支え続ける。常にランスの事を考え、ランスが苦しまずに済むよう様々な策を練る。その姿はメインヒロインと言って相違ない。魔王の子たちから見れば邪魔してくる魔人にしか映らないだろうが、リセットだけはちゃんとわかっていた。

メインの道中や食券イベントでシィルと仲良くなっていく姿を見ていたからこそ、あの抱擁には貰い泣き。どれだけシィルの事を大切に思っていたかが伝わってきた。本当にいい子過ぎる。


☆シルキィ
戦場では道具のように使われ、夜は魔物たちの慰み者になって、それでもなお人間は殺さないというのだから凄い。流石は英雄といったところか。そんな彼女をできるだけダメージの少ない方法で仲間にするランスも良い。

二部でも人間好きなところは変わらなくて、魔王の子たちとの戦闘後の会話はなんとも彼女らしい。プレイ中は常に好感度の高いキャラクターだった。


☆ワーグ
鬼畜王の時は実質、世界を救った彼女だが、今回はそこまで大きな活躍はなかった。ビジュアルはだいぶ変わったのにこっちも可愛いから困る。表情も豊かになっちゃって、ますます魅力的になった。

食券イベントではランス以外のキャラと仲を深めつつも、やっぱりランスが一番のよう。個人的にセスナとの絡みが好きなので、もっと仲良くしてほしかったり。まあ、あの二人はずっとあんな感じな気もするが。


☆ガルティア
香ちゃんの毒団子の扱いにただ笑い続けた。作中の誰よりも香ちゃんを姫として、いや神として崇めていたガルティア。複雑そうにしている香ちゃんがとても好きだ。

また、同じ虫使いということでカロとのイベントも用意されていたのが結構嬉しい。「向こうに嫌われたからって、こっちまで嫌い返さなくちゃならんって理屈はないだろ?」この台詞には彼の性格がこれでもかというくらい出ていて、本当にいいやつなんだなと。

そして、スラルの墓参り。ケッセルリンクとの会話は、言葉数こそ少ないのだけれど、主を想う気持ちが静かに伝わってきた。やはりこれが食券イベントの中では一番好きかもしれない。


☆レイ
本作のメアリーとレイの関係だけ見ても素敵だが、鬼畜王の事を思い出すとより一層良いものに見えてくる。例え離れ離れになろうと二人の縁は切れない。

現に二部では再び魔王の下についたレイがメアリーと共に大会に参加しようとしていた。その時の会話がこれまた素晴らしい。嫁馬鹿なレイに呆れつつも嬉しそうなメアリーを見てほっこりした。


☆ケッセルリンク
不幸なメイドたちを救い続けるフェミニストの鑑。それを逆手に取られて内部から壊滅させられている様は気の毒としか言いようがないが魔人だから仕方ない。散り際もかつての主君ではなくメイド達を想ってというのがかっこいい。女だけれど。

ガルティアと同様、スラルの事を語る姿は印象的。別にはっきりとした描写があるわけでもないのに、こんなにも三人の関係に惹かれるのはなんなのだろうか。「スラルの料理を食べる二人」みたいな絵が見てみたい。


☆レッドアイ
アニスに憑依と聞いた時はランス史上最強のモンスターが爆誕してしまったかと天を仰いだが、思ったより弱かったので安心した。やっぱり重要なのは頭なんだよなぁ。

続くトッポス戦も軽い絶望を味わったが...見方も化物みたいに強かったので結局、本作の彼にはあまり脅威を感じなかった。鬼畜王の頃の方がだいぶ威厳があったかなと。闘神に戻って出直してこい。


☆メデュウサ
こんなに怒りが湧いたキャラはいないし、多くのユーザーもそう感じただろう。というかよくもまあこんな容赦のない物語を用意してきたものだ。しかも魔人としてもめちゃめちゃ強いから余計に質が悪い。フルスペックの彼女の強さは異常だ。

そんなこんなで様々な憎しみが収束していたから、ランスくんの情け無用なとどめには喚起した。美しい女相手にこんなの初めてじゃないだろうか。ユーザーの想いをすべて背負ったような魂の一撃に感謝。


☆ケイブリス
六千年の時を経てようやく自分の番が回ってきたんだと、彼にも彼のドラマがあってそれがなかなか熱い。美樹を殺すのに一年もかかると言われて「たった一年」と捉えた意味がよくわかる。

まあ最強の魔人になっても小物らしさは消えなかったけれど、それが彼であり、ここまでくるために必要だったものと考えると名残があっていいのかなと。技名に「リス」という文字が含まれているのなんかも、「のし上がってきたんだぞ」というのが伝わってきて良い。

二部ではまさかの生存。またちんちくりんのリスからやり直しということだったが、魔王のシステムはランスの手によって破壊されてしまったのでもう魔王になることはできない。ちょっと可哀想だ。


☆ランス
初めてランスを見たときは「こんな主人公でいいのか」とも思ったが、彼が主人公で本当に良かった。やると決めたらとことんやる。例え魔人だろうと、魔王だろうと美人だったら犯す。そのどこまでもまっすぐな姿が眩しかった。

また、奴隷のシィルの事をとても大切にしており、それは本作だけでなく過去作のありとあらゆる場面でわかる。実はずっと相思相愛の状態で旅を続けてきたわけだ。

ここまで連れてきてくれてありがとう。


☆総括
こんなにも長いシリーズ作品を今まで遊んだことがなかったのもあって、読後はとてつもない寂寥感に襲われた。ああ、もうランスは終わってしまったのだ。もう冒険はできないのだと思うと辛くて辛くて...。だがそれ以上に幸福であった。この作品を通して作り上げた思い出はいつまでも胸に残り続けるだろう。

本当に、本当にありがとう。