様々な設定が明らかになって、その衝撃に負けないくらいゲームも話も面白い。恐らく、いつ思い返しても「凄い作品だった」と感じるだろう。最高の時間をありがとう。
こんなに時間を気にせずプレイし続けたのはいつ以来だろうか、一日のほとんどをこの作品に費やすほどハマっていた。少し休憩しようと横になっても領地の事、敵戦力の事を考えてしまって眠ることができない。そんな感じで鬼畜王ランスの世界に居続けた。だからクリアした時の感動は尋常ではなかった。世界を統一したという圧倒的な征服感と、長きにわたる戦いもついに終わりだという達成感に包まれた。
まあ、こんだけハマったんだからクリアした後もすぐには次に切り替えられなくて、他のエンドを見に行ったり、またラスボスを倒しに行ったりしていた。こうやって感想を書いている今も横で戦っていたりする。なんでこんなおもしろいのだろうか。
20年以上前の作品なので絵に関して少し心配した瞬間もあったがすぐに自分が馬鹿だったことに気付く。みんなかわいいし、かっこいいしで中盤くらいになると、むしろこの絵じゃなきゃなぁとすら思うようになっていた。特にヒロインが実に私好みのタッチで、03で見たキャラよりこちらの方がいいなと感じるキャラも中にはいた。
操作に関してもはじめは何をやったらいいかわからずたじろいでいたが、徐々に慣れてくる。このゲーム、あまりにも自由すぎるのだ。リーザスを占領した後、ヘルマンいかずゼスを攻めたっていいし、JAPANを攻めたっていい。何なら探索し続けていたってなにも文句を言われない。防衛戦も同じだ。別に迎撃しなくても良い。
コマンドがたくさんあってその一つ一つが物語を進めるための重要な要素に成り得る。「徴収とかそんなの絶対何かしらのペナルティが待ってるじゃん…」と構えていた時もあった。王様だから何してもいいのだ。他にもすぐ女を犯せたり、気に入らなかったら殺したりともう王様の特権をフルに使っていた。こんな奴が世界を統一しようというものならそりゃあみんな躍起になって止めようとするだろう。序盤の暴動が起きるまでの流れが当然すぎて爆笑してしまった。
にしてもランスの鬼畜っぷりは見ていて本当に面白い。姫を人質にとって相手を降伏させたり、目の前に女がいたら無理やりにでも犯したり。しかも周りが火事でもそれをやってのけるという。こんなにも欲望に忠実な主人公もなかなかいないだろう。まさに鬼畜王。
戦闘で苦戦したのはゼス攻略と魔人戦。ゼスは純粋に迎撃回数が多いのでどこにどれだけ人を割くかなど中々考えさせられた。しかも攻撃時は奴隷将軍率いる部隊が非常に突破しにくい。ぶっちゃけ四将軍より厄介かなと。
ピカも不意打ち過ぎて初見はかなり驚いた。ランス、リックを連れていったものだから画面も真っ白、頭も真っ白といった感じだったよ…。オートセーブ機能がついていて本当に良かった。ずっと仮病のアイツがまさかここで使えるとは思わなんだ…。
また、これは事故なのだが志津香が犯され殺されてしまうシーンを迎えてしまった時は絶望した。まさかピンクのうしを放っておいたらこんなことになるだなんて…全部リアのせいだと心の底から彼女を憎んだものだ。ただ、正妻を放っておいて他の女とやりまくっていたのも正直どうかと思うので、黙って涙を流しながらやり直し気持ちを切り替えることに…。例の二者択一では勿論、志津香を選んだ。
魔人戦は多くの場合すんなりいったのだがレッドアイだけはかなりの時間をかけた。フリークがいない場合、もう地道に削るしかないと思っていたが、暗殺なんて手段があったなんて…。美樹ちゃんが必殺技を繰り出すまでロードし続けるあの作業は何だったのか。
美樹ちゃんが本当に強い。彼女とメガラス、それからセシルがいなかったらエンディングを迎えることはできなかっただろう。セシルは最後まで活躍してくれたし、何ならリーザス正規兵よりも信頼していたかもしれない。ルイスなんていなかった(いつの間にか戦死していた…)
てな感じでこの作品はゲーム自体も最高に面白いが、話もまた最高に面白いから困ってしまう。人間界を統一したら魔人との全面戦争に突入するなんてそんなの燃えないわけがない。しかもその魔人たちが今まで戦ってきた相手とは比べ物にならないくらい強いからもう…魔人編に入ってからは止まらなかった。
そして、その物語の中、戦争の中で描かれる人間ドラマが本当に素晴らしい。しかも「どれが」ではなく「どれも」なのだ。人間とか魔人とか関係なく至る所に「良いなぁ」と感じる瞬間があって、色んなキャラクターに魅力を感じるように。案外、魔人も実は悪い奴ばかりじゃない。
カイトなんかは分かりやすく良い奴で、彼の台詞に目を潤ませることもしばしばあった。どこまでも良い人止まりだけれど、そんなことは気にせずひたすら彼女の幸せを願っている彼が本当に素敵で切なくてなんとも...。他にもレイやカカカ、カーミラさんの最後はグッと来た。
私的にかなり好きだったのがシェリエラちゃん関連のお話で、人間になった喜びいつまでも享受し続けている彼女が大好きだった。
「お姉様たちにも見せてあげたかった」
酷い扱いをされていたにもかかわらず彼女達を「姉」と呼ぶシェリエラちゃんを見て、人間になる前から優しい心を持っていたんだなとしみじみ。完全なハーレム要因なので忘れられそうだが、作中で一二を争うくらい好きだった。
今まで謎だったヘルマンやゼスの存在を知り、改めてランスの世界観に魅せられた。元々、この作品はそういった意図があって作られたものらしいので、本当に見事な出来だったとしか言えない。鬼畜王はナンバリングタイトルじゃないから後に回そうとか言ってたら、こんなに衝撃は受けなかっただろう。そしてこれから先、それらの舞台を中心とした作品をプレイしていくわけだ。ああ、武者震いが止まらない。