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asteryukariさんのそして煌めく乙女と秘密^5の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
そして煌めく乙女と秘密^5
ブランド
ねこねこソフト
得点
73
参照数
206

一言コメント

女装学園モノなのかと言われればそこまででもないし、かと言って全く無駄な要素だったというわけでもない。なのでそれ目的でプレイすると肩透かしを食らう。まあ話自体もキャラクターの可愛さくらいしか見るところがないものが多いので、おすすめはできない。ただ、そんな中だからこそ、一際強い光を放つお話があった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

多くのシナリオが女の子の可愛さと卑猥さを前面に押し出したようなものだったが、流華√だけは違った。彼女の√では、なぜ主人公がこの学園に呼ばれたのか。この学園の目的、真相に迫っていくお話が描かれており、それなりに読みごたえがあった。

彼女がなぜ無口になってしまったのかなんかも深くは語られないものの、触れられてなるほどなと。それにしても理事長さんは良いキャラしてる。理事長というキャラがその立場上、学園もので何かと敵になることが多いからか、彼の純粋な想いが染みてきた。まあ仕事にかまけていて放置していた彼にも非はあるがそれを清算するためには十分な行いだったのではないだろうか。

また、ここにきて主人公もかっこ良い所を見せてくれる。今までただ盛るだけの猿のようであったが、この√の終盤にてバシッと決めてくれた。
「この婚姻届けにサインすれば、流華は俺の嫁だ」
「王上院家の娘じゃなく、あくまで姫乃宮家の嫁となる」
「つまり俺と結婚すれば、王上院家から解放されて自由になるわけだ」

うーん、男前すぎる。その過程が描かれなかったのは少々残念ではあるが、見たかった締め方をしてくれたので嬉しい。

そんな感じで流華√はそれなりに面白かった。また、全ての個別√を読み終えた後にいつも通りスタッフルームを見に行ったのだが、そこで書かれていた伊集院光のおまけシナリオが結構面白かった。というか笑った。あれだけ大事に使って感動的なBGMをバンバン入れてくるのはずるい。本当に「あとこのBGMも止めろっ」だよ...。