可愛い可愛い宇宙人娘の襲来。ただでさえおもしろい掛け合いに、理解不能なことや理不尽なことが入り混じってきて大変なことに。意味が分からないのに、意味が分からないからこそ笑える。こういう作品は貴重だと思います。
はとさんのおもしろおかしいテキストを求めて本作をプレイしたわけですが、期待以上のものを受け取りました。いや、やっぱりおもしろい。友人同士の会話だけでもおもしろいのに、言葉の通じない且つ天真爛漫な文字通りの宇宙人が混ざってきたらそれはもう止まりませんよ。
サラサちゃんの意味の分からない言動、行動にタカタカ共々翻弄されました。大体意味が分からないのですが、たまの理不尽(フライドチキンを出前で頼んだら拳銃が出てきて笑顔で発砲してくるシーン等)がホントに突然すぎて理解が追いつかないですし、その光景を前にずっと笑ってました。あぁこういう笑いは久し振りだ、こんなことで笑えるんだ、笑うってこうだよなとなんだかホッとしましたね。
サラサちゃん、タカタカに対してよく迷惑をかけていますが、彼女の根底にはしっかりと"仲良くしたい"という考えがあるからこそなんですよね。ならもう少しアプローチの方法を変えろと言いたくもなりますが、そこはほら、可愛いから許してあげてねということで。あの天真爛漫さこそが彼女の魅力ですから。
この仲良くしたいというのはゆくゆくはゾモゾ人として地球人との親交を深めていきたいということも含んでいると思いますが、彼女の気持ちとしては"タカタカと仲良くしたい"なんですよね。別にだからと言って恋愛がしたいというわけではない、無垢な彼女はそこまで望んでいない、ただ一緒にいたいだけなんだ...と思っていたら終盤の手紙のシーンで
「あのね、タカタカに言いたいのに、いつも言えなかったことがあるの」
「なんか、恥ずかしくて、勇気が、出なくて」
「最後まで言えないかも」
「だからもしものために、この手紙に書いておきました」
「今、月がとってもきれいです。きっと明日は晴れだね」
なんて美しき日本語表現を交えつつ告白してくる。異文化交流成功してるじゃん!いや、重要なのはそこではないのですね。なんだ、サラサも立派な女の子だったんだなって思いましたよ。これが恋かどうかさておき、"好き"と言う気持ちを相手に伝えたい、そう思えただけでも立派なことだと思います。
こんなロマンチックなやり取りがあったのにもかかわらず最後はギャグ全開で締めにかかる、いいですね、ホントはとさんのこの感じがたまらなく好きです。
あとはまあ適当にヒロインについて軽く語っていこうかなと思います。
●サラサ
無邪気で暴れ回る問題児…には違いないのですが同時にそこが彼女の魅力でもある。普段は片言?だが、たまに冷静になり流暢な日本語を話し始める。どこまでが素なのと疑問にも思いましたが、そういうところは別にいいんですよね、どちらの彼女も地球の人たちと仲良くしたいという意思は変わらないのですから。
●ルゥ
おまけエピソードの彼女の豹変っぷりには笑わせていただきました。本当はいじめられたい、大好きな人にぐちゃぐちゃにされたいなんてあの彼女が言うとは思いませんでしたからね、それを見てちょっとかわいいなと思ったり。
●ミサキ
かわいい妹。いちいち早口で尋問するのが地味に好きですね。兄のことが心配で心配で仕方ない、だからこそガミガミ言う。甘やかし系の妹とは違った魅力があります。
●花奈多
主人公が最終的に誰とくっつくとかはハッキリしてませんが、なんだかんだこの二人になるのではないしょうか。いつもそばにいて、長いこと一緒に生活してきた。それだけではなく、母親の話を介したことでより距離は縮まったことでしょうね。母親の話に関してはここでこういった話を展開していくのかと驚きましたが、中々に綺麗で切ないお話で今までの会話劇とは違う良さがありましたね。