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asteryukariさんの夏色さじたりうす ~浜井原学園弓道部~の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
夏色さじたりうす ~浜井原学園弓道部~
ブランド
ブルームハンドル
得点
67
参照数
141

一言コメント

せっかくこんな題材を扱ったのだからもう少し頑張ってほしかった感は否めないが、とあるヒロイン?が可愛らしかったので満足。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

弓道を題材にしたという珍しい作品。だがそこに熱血や青春といった要素はあまりなく、結局はヒロインとのイチャイチャ劇に繋げるだけ。まあそこは美少女ゲームなので仕方のないことではあるが、せっかく弓道という言ってしまえばマイナーなスポーツを取り上げたのだから、もっと弓道に関する詳細な描写が欲しかった。

練習ではこの先、弓道をやっていく上で必要な事、気を付けなければならない事について語ってくれて案外、真面目な部活動の風景が見られる。ここは凄く嬉しくて、私の求めていた風景でもあった。だが、試合になるとその丁寧な描写が噓みたいに消える。

恐らく、弓道に関する知識の限界だったからだと思うが、何とか話を膨らませてほしかったなと。明日は大会だからとんかつ食べるぞなんて会話をしていたのに、いざ大会の日を迎えてみると前日の尺が食事のシーンとあまり変わらないという。唖然としてしまった。

「皆で目標に向かって頑張る」風景が少しだけ見られただけでも喜ぶべきか、あのみんなで歩いているCGはなかなかお気に入りだ。

となると個別ルートに目を向けようという話になるのだが、その個別ルートもなんだか薄っぺらい。起伏を持たせるのは良いけれど、そんなテーマで最後までやっていくのかと思ってしまった。また、せっかく部活を通して仲を深めた仲間達が一気に置物状態になってしまったのも勿体無い点であり、いくらヒロインルートとは言えど、もっと彼らとの絡みを入れても良かったのではと思う。

総じて不満の募る作品ではあったものの、ぐっとくるヒロインには出会えたのでまあこんなものかなぁという感じだ。そのヒロインの名は…鬼和綾人。男だけれどそんなの関係ない、道着はヒロイン勢の中で一番似合うし、私服も一番可愛い。おまけに狙ってなどいない天然ものだからこその良さも…。自然に上目遣いをしてくる彼...彼女に心を奪われてしまった男性ユーザーたちも多いのではないだろうか。確認したら人気投票は一位だったということで、思わず笑ってしまった。最高だよ。

本作のファンディスクも綾人くんとのいちゃらぶえっちな作品ということで、胸が高鳴るばかり。美少女キャラにおいて男の娘が一位で、それ専用のFDが作られるとはなんというか時代を感じる。



作品の内容的には微妙であったけれど、好きな点をいくつか拾えただけでも儲けものだったように感じる。同ブランド作品である「こなゆきふるり」もまたマイナースポーツものなのでいつの日か触れてみたい。