まさかここまでの出来だとは...。喜びの涙で前が見えなくなった。
ビジュアルファンブックに付属している外伝ということで、おまけ程度かなと考えていたのだが...あまりにも素晴らしい出来にただ感嘆した。たった一時間程度の中でこれほどまでに楽しく、感動する内容を詰めてくるなんて。
本編の時と変わらない面白可笑しい掛け合いが見られて、序盤からもう幸せに包まれていた。何かとこゆ吉を怒らせてみたり、調子に乗った姫にアイアンクローを食らわせたり、相変わらず女の子に容赦のない主人公だ。そんな風に他の女の子とじゃれている主人公を見て、怒りに震える紗香、お似合いのカップルだなと。
もなむーやナノ子も変わらずな反応をしていたし、時たま紗香に嫉妬することはあってもあの頃の環境のまま、素敵な空間がそこにはあった。勿論、唯菜ママ、柚太朗パパも同じで、唯菜さんは相変わらず元気ハツラツ息子にアツアツだった。柚太朗が揉まれまくってぼろぼろになる絵は本作で一番笑わせてもらった。
そして最後の親子三人での会話、あれは反則だった。個人的に向日葵の「お父さんとお母さんの絆は、運命的です。絶対絶対幸せになる星の元に一緒になったんだと思います」という台詞がすごく好きで温かい気持ちになった。
二人の思い出の場所で、今度は娘と三人で笑い合う。
「...そこは、お前のお母さんの定位置だったんだよ」
まさかこんなに素晴らしい一枚絵のままEDに繋ぐなんて...。歌詞がズルいのだ。「振り返る日が来たら~」の部分がもうあの場面に最高にマッチしていた。本編のことを思い出し、様々な想いが脳裏を駆け抜け、自然と涙が零れ堕ちた。
プレイ時間と同じかそれ以上の時間、余韻に浸ることになってしまった。とても素敵な外伝だった。