ErogameScape -エロゲー批評空間-

asakuさんのGardenの長文感想

ユーザー
asaku
ゲーム
Garden
ブランド
CUFFS
得点
84
参照数
918

一言コメント

なんて優しい箱庭世界なんだろう・・・ 知らず知らずのうちにこの作品の虜になってしまった

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

適当にまずは個別の感想から

愛ルート
凄く密度の高い萌えというものが凝縮されているかのようなルート。先生とのダダ甘いやりとりなんか悶え死にそうなぐらい良かった。年上なのにもう仕草やら何やら一々可愛すぎる。ふとした時のしりとりのやりとりなんかは、こちらも和んでしまい特に印象に残っている。最後のエロシーンの聖水がすごかった。なんというか気持ちよさが伝わってくるかのような丁寧すぎる描写だった。萌えのシナリオが高いレベルで書かれていた良いルートだった

小夜ルート
主人公と小夜との間に流れる穏やかな雰囲気に終始癒やされた。喋りはしないけど心と心の深いとこで繋がってるって感じはいいね。気持ちが読み取れる主人公は一体どうなってるんだと思うが。途中主人公と小夜2人で練習した後の場面のCGが印象に残っている。この作品CGは少ないけど、その分効果的に使われてるように感じる。そして終盤の方のエロシーンのお漏らししたあそこを何度も拭くっていうのが、CGも合わさって興奮させられた。そしてなぜかここだけ喘ぎ声有り。まあなんか最後に奇跡でも起きて声が戻るなんていう展開じゃないのも良かったように思う。身の振り方を考えなければいけないという問題は残されたままなのが気になるが。ここのルートでは主人公は図書委員のはずなのに、なぜまた臨時図書委員にも任命されて日下部が正規の図書委員みたいになってたんだろうか。微妙に前に選んだ選択肢での整合性が取れていないということかな

あざみルート
キャラが非常に立ってて可愛いなあと思って楽しみにしていたのに個別に入るとなんだかなぁ・・・ もうなんか呼び名で「へっ?」ってなっちゃうよね 主人公も別人格宿してるし。坂上が絵里香さんとか言ってて、絵里香もなんか普通に坂上と仲よさげにしてるしどうなってるんだこのルート・・・ その上坂上を恵里香が自ら遊びに誘うなんて、なんであそこまで?ってぐらいの毛嫌いようからしてユーザーは夢にも思わない、ある意味事件だ。というか坂上は何故そこまで嫌われてたんだろう。ちょっとした部のイザコザが原因であそこまで嫌うものだろうか。まあ本来はもっと詳しくシナリオに盛り込む予定だったのかもしれないが、それも今となってはもう過ぎたことか。このルートはみんな別キャラのようになってて素直に楽しむことが出来なくて残念

春日共通ルート
途中海でのスイカ割りとかビーチボールとか、一歩間違えたら主人公が大怪我しそうな危ないことをよくやるよ。まあ必ず酷いことにはならないという予定調和的なとこはあるけど、やはりヒヤヒヤする。分かってることだけど、彩ちゃんとの夏休みのひとときとかあっという間に過ぎるというのは寂しい気持ちが・・・じっくりねっとり主人公と彩ちゃんの同棲シーン見たいんだがな

桜子ルート
主人公がウジウジしすぎ。それもこちらが見ていて苛々するタイプ。桜子を散々焚き付けておいて、自分では何もできないこれはしょうがないことだったんだと流されるままに・・ でもこれが物語の最初で見せた主人公の姿だったのかもしれない。設定を忘れずよく書かれていたとも思う。しかし同じミスコン優勝者でも、煮え切らない主人公が責められることはなく、桜子ばかりが責められるのはどうなんだ。最後にはちゃんと主人公の過去と向き合えたっていうのは大事なことだったとように思う。桜子は他のルートではいつの間にかいなくなってたりすが、主人公がいないと幸せになれないのかもなあ

撫子ルート
このシナリオをやるとまず間違いなく彼女への印象が変わる。いかにもツンツンな子がデレるっていうのは王道展開だけど悪くない。ツンでも暴力的じゃないし。ここは桜子も混じえての姉妹丼すごすぎる。美少女2人と精液聖水もう液体まみれでなんか羨ましいプレイしてんなあと思っちゃったよ。こういう歪んだ愛も立派な一つの結末と言えるだろうなあ。このルートサブEDなのか少し短かったのが残念

絵里香ルート
エッチなしでベッドでイチャイチャタイムが初心な純愛ぽくていいなあ。こんなの憧れないはずがない。途中エロシーンのベッドの上での呆れるほどのイチャイチャバカップルのやりとりは、見てて飽きないような幸せな空間を演出していて、それがこっちにまで伝わってくるような気もしたほどに良いシーンだった。絵里香の家族間の問題では、この物語の最初絶望していた主人公が、家族愛に憧れている絵里香のためにもなんとかしようと決意するシーンがあるが、主人公随分成長したなあと思わせるような場面だった。最後には、一人塞ぎこんでいた主人公が結婚式を挙げ、そしてかけがえのない友人たちに囲まれ祝福されるというのは、誰が考えられただろうか。てか最後の最後でライターが変わってるか? 文体が軽く、主人公が変にはっちゃけすぎな気が。まあ何にせよ、お節介とも言える人達との出会いが、将来の運命を変えるというそんなルートだった

瑠璃ルートがないっていうのは・・・もったいない気持ちも大いにあるが、自分はなくてよかったのかもしれないとなんとなく思う

彩ちゃんはすごくすご~く攻略したかった。あんな無限の愛を注いでくれる人と付き合ったら一体どんなシナリオになったんだろうか

この作品全体の感想
BGMはこの作品とすごくマッチしていて、落ち着いた感じの優しく心地良い曲が多く、聞いただけでも涙が流れ出しそうですらあった。その中でも特に印象に残っているのは「大切な思い」

エロシーンについてはこちらを惹きつける何かが間違いなくあるだろうな。特に愛と絵里香がよかった。挿入してハイ終了じゃなく、幸せそうに長いことイチャイチャしてたのが良かったのかもしれない。単に自分が聖水好きなだけかもしれないが・・・

この作品のひどく甘く、優しすぎるほどの世界観は高いレベルのBGMテキスト原画が、互いが互いの良さをうまいこと引き立てあった結果生まれたのであろう。一度入ったら抜け出したくなくなってしまう程だった

色々と思いの丈を書き連ねたが、本当に終わらせるのが勿体無いほどの綺麗で優しい雰囲気の、ずっと浸っていたくなるような世界観の良いゲームだった