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artoneishさんのMagical Charming!の長文感想

ユーザー
artoneish
ゲーム
Magical Charming!
ブランド
Lump of Sugar
得点
95
参照数
3394

一言コメント

ライターがしげたさんと分かっていながらまたしても完全にやられた。これだからしげたさんのファンはやめられない。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

【6/2 True√未クリアの状態で感想投稿→友人からTrue√の存在を伝え聞く→あわててプレイしなおす→6/3 文末追記】

全ヒロイン本編&後日談クリア。ステディモードのイベントは未プレイなため今後点数を上方修正する可能性あり。

しげた&梱枝りこタッグの前作である学☆王と比較して、良くも悪くも角砂糖らしさがさらに影を潜めた本作。これが新たな「らしさ」に育ってくれることは私としては大歓迎なのだが、現段階では萌木原氏を中心とした作品をメインウェポンをしたときのサブウェポン(つなぎ)程度の立ち位置にある気がする。次回作以降に期待したい。

以下本作の感想。
恋愛ストラテジーという触れ込みにある通り、主人公がヒロインと距離を近づけていく一連の流れの中にクロノカードを用いた選択肢という形である程度の自由度を持たせている。恋が成就するまでが本編、後は後日談でひたすら愛し合う、これが「恋して愛する幻想曲」なのかなぁ。
ヒロインみんなそれぞれの良さがあるが、私的にはオリエッタと諷歌を推したい。特にゲーム開始時点で恋を知らない純真無垢な乙女なオリエッタが主人公に惹かれていく様はかなりツボだった。後、諷歌のえち。
また、選択肢でネタに走るとネタENDに入るなどスタッフの遊び心も感じられる。この辺りの感覚はティンクル☆くるせいだーすをプレイした方なら大体どんなものか理解して頂けると思う。

原画はSDを含め全て梱枝りこ先生。りこさんのファンとしてはうれしい限りだが、私の記憶が正しければ最近の角砂糖作品のSDは基本的に奏ナコトさんが担当していたハズ。今作に限ってりこさんを起用したのはなにか意味があるのだろうか。
しかしいつも思うが、りこさんの描くヒロインはみんなほっぺたとか色んな場所が凄くやわらかそうだよなぁ。プニプニしたくなってくる。

音楽、声優は今回はあんまり印象に残らなかったな。主題歌、エンディングテーマのお馴染み佐倉紗織さんを起用したのは評価したい。後、そろそろなかせひなさんをヒロインで聞きたいなぁと思ったり思わなかったり。

システム面では、冒頭で述べたクロノカードを用いたストラテジー、ステディモードなど今までの角砂糖とは違う新たな試みに挑戦した、という点で評価したい。クロノペディアで用語やイベントの説明をいつでも確認できるようにしている点も好印象。

総合的にみて、およそ期待通りのレベルの作品だったと思う。まあ私自身はりこさんの描くキュートなヒロインを拝めればそれだけで満足なわけだが。次も是非ともこのタッグで出してほしいと強く願う次第である。

●攻略順:秋音→姫百合→諷歌→オリエッタ
●ヒロインの印象:オリエッタ=諷歌>秋音>姫百合

【6/3追記】
確かにオリエッタ√終わった時点で明らかな歯切れの悪さを感じていたものの、まさかループものとしてTrue√を用意していたとは。「体験版と本編のシナリオが別」という宣伝すら既に伏線だったという事実は素直に凄いと言わざるを得ない。「クロノ」カードという設定の時点で時間関係のシナリオが来るだろうと予測していたのにもかかわらず、この世界観に気付けなかったのはひとえに私がまだまだ未熟ということなのだろう。

以下、True√を攻略しての感想。
まず、シナリオ面。
ヒロインENDの時点では回収されなかった伏線がおおむね回収されており評価が大きく上昇。またサブキャラ含め各キャラクターに等しく見せ場が用意されており、総括編としてふさわしい出来だと断言できる。手に入れたクロノカードを用いた簡単なゲームパート的なものもなかなか面白いものだった。
一番評価が変わったのは音楽面。
Trueの後半は盛り上がる曲が何曲か使用されており、改めてLump楽曲の質の高さを認識することとなった。

総合的に評価して点数をつけるにあたりどの程度にするか迷ったが、色々驚かされるものではあったものの感動したりする展開は出てこなかったため、とりあえず95点としておく。ステディモードの出来により+される可能性は否定しない。

【6/8追記】
ステディ&クロノペディア→all complete
みんな可愛すぎるわコンチクショー!!!(+5)
イスタリカ√とシャロン√を追加したFDの開発を強く希望する。