ハッピーエンド
ネタバレ全開なので未プレイの方は見ないでね
考察というより自分が思ったことを書き連ねているだけ。
全ての登場人物が不幸なのではないか?と思わざるを得ない設定と世界観。
それゆえにハッピーエンドの幸福感は測り知れない
他のエロゲだと主人公に対して特に深い印象を持つことはないけど、イストリアに関しては主人公である英士が一番印象深かった
進行として、共通の後に夕桜とゆるぎ、小夜と玖々里の2パターンに分岐、その後それぞれで√に突入。
これらすべてをクリアした後にtrueへの選択肢が出てくるといった形。trueの際にも1度選択肢が出てbadかtrueの分岐もある。
これだけなら一般的なエロゲと特に変わりないが、1回目の選択肢がそのままヒロインの人生を左右する選択肢であるからして強烈な物。
「玖々里を見捨てる」「夕桜を見捨てる」
という二択、これをプレイヤーに選ばせるの本当に鬼では???
見捨てた後は普通の幸せを送る、不幸なことなんてほとんどなかったのように平凡な日常。
でもそれは結局犠牲の上に成り立つハッピーエンドだし難しい。
bad endはC・Aとして夕桜にポーカーで負けるというもの。それだけならばよかったが、小夜がCA=英士ということを知らずに復讐をする。
CAがエースの貴公子として今まで常勝出来ていたのは小夜がイカサマをしていたという点。これで英士の心がバキバキになったのは言わずもがな。
その後に紅葉が死体蹴りしに来たのもなかなか。
正直物語の流れとして考えるならbad endが一番自然だったと思う。
あれ程沢山の物を抱えてきた英士が今まで自殺を選らばなかったのは本当におかしかった。
bad endでは結局死ぬことになるけど、紅葉に一矢報いることが出来たのはよかったのかな、個人的にはbad end凄い好き。あの後の世界線も見てみたかった
「紅葉が僕を、殺しちゃった」
共通部分は過去の凄惨な事件やトラウマなどをある程度ぼかしながら進めていく。
英士は紅葉の奴隷という立場と、玖々里を救った友人的存在という立場、この二つの状況下で悩んでいる部分が一番見てて辛かった。結果的にはこれも紅葉の掌の上だったが、「僕を信じて」と玖々里に危険を仄めかしていたのに車に乗り込んだ時の心情は一体どうなんだろうね
true endは今までの不幸の原因を取り除いたり色々したり。
印象的な場面は
・CA=英士と打ち明ける部分
・玖々里を守るために紫子に立ち向かうゆるぎ
・英士と宗名の過去
・英士が紫子に刺されて玖々里の涙の治療を断った部分
・英士、夕桜vs征士
・紫子のために涙を流した英士
・英士vs紅葉
正直もっといっぱいあるけど書ききれないからこのくらいで。
一番印象深かったのは英士が紫子に対して涙を流した場面。
今まで自分や自分の周りの人がどれだけ不幸に陥っても涙を流すことはなかったが、紫子のすべての秘密を知り、紫子に対して涙した英士の感情はいかに。
また、紫子の「わたくしのために、あなたが涙を流してくれるなんて」
というセリフがめっちゃ刺さった。心を揺さぶりまくった。
自分のために心から涙してくれる人は絶対にいないと思ってたと思う。だって実力行使で紫子は人魚姫を求めていたから。仕方なく涙を流すのであって100%自分のために涙を流してくれているわけではない。
でも英士は涙を流した。このシーンが一番感動したし印象深かった。
印象深かったセリフは玖々里の
「何度でも、何度でも。あたしはあなたのことを、愚直に信じ抜いてみせるわ」
ですかね
何度も英士に騙されてきた玖々里だけど、「僕を信じて」と言われると途端に信じてしまう。それが嘘だと分かっていても。
これは玖々里が人魚姫で他者に対して自己犠牲の精神があるという点だけでなく、紫子の実験台時代、姉である汐入哀のことを愚直に信じ続けていたという点もあるだろう。
あと様々な部分で伏線が張られていたけど、結構分かりやすい伏線が多かった。これに関してはプレイヤーが推察しながらプレイできるという利点もあったかな?
紅葉が寂しいから人間のような人魚姫が欲しい、という考えが凄く心に響いたね。
結局のところ全体通して何が言いたいかって言うと、英士たちみんな幸せになれて良かったな、と。