オタクの自己肯定、あるいは賛美歌 (皮肉であるのかも)
異次元じみたエロゲー空間から放たれたのは、内向的なオタクに向けたメッセージのようなもの。
それはコミュニケーションの否定による自己完結のすすめ、みたいな。その先に幸福があると主張している。
キャッチコピーで「恋愛の最終形」と謳う割に恋愛とは言えない結論だと思う。エロゲーを恋愛と読み替えたのか。
すでに現在のオタクはこれを実践しているからなのか、はたまた私がそうである異端なのか、どちらかは分からないが、突飛な思想ではなかったと思う。
しかし――私が自己肯定できていないからだらうか――これは弱者や世捨て人、言い換えるとエロゲ等に逃げて現実を生きられない「新しい人」の理論であり、そして「人間」に希望がないと思うのだ。
元長柾木の脳はすでに「新しい人」に移行しているのかもしれない。
奇しくもオタクの人権が(比較的)認められた現在では、エロゲやアニメからソシャゲ等に至るまで、ただのコミュニケーションツールとして機能している側面が強く(twitter等での馴れ合いを見れば明らかだろう)、「未来にキスを」の主張と逆行していて興味深い。なんとも皮肉な話だ。