2時間に満たない短さながら、つばきの社会から取り残された、すがるしかない、何もない自分という心情が表現されていてすごいなと思いました。
この作品は理解できる人はうんうんわかるよ〜ってなるけど、わかんない人は一生わかんないと思う。つばきや四方木はそれぞれの苦しみを抱えて、それぞれの価値観で生きている気がする。そうするしか方法がないと言うか。
つばき『こういう人、よくいる。
どこかおかしいのに、人の感情にはやたら敏感で。それを世間では繊細な感受性の持ち主だと言うけれど、私からすれば恐ろしい。』
このセリフ、つばきのプライベートな部分に踏み込まれたら一瞬で脆く壊れてしまいそうな弱さと、日常で目にする一言でまとめられがちな言葉に嫌悪感を抱いた感じが表現されている気がして好きなんですよね〜。
父親のことを“いとしい人”と呼ぶのも好き。
辛く暴力に晒されているのを自覚しながらも、彼から離れたら自分の存在意義がなくなってしまうというつばきの束縛された思いが込められている気がして……。
さざんかの花言葉は『困難に打ち勝つ』
つばきの花言葉は 『控えめなやさしさ』
自分の過去をさらけ出すことは辛いこと。
弱さや脆さを知らない他人に見せつけることになるから、それが出来た2人はきっと強いなと感じました。