長い制作期間に釣り合わない
和泉つばす先生の5年ぶりの完全新作。
制作発表の頃から注目していた作品だが、終わってみればあっけなかった。
まずはシナリオだが、全体的に描写が足りないと思う。
一番気になったのは美桜さんルート。
発売前からこのルートを一番楽しみにしていたのだが、主人公が恋心を抱く過程があっさり過ぎて呆気にとられた。幼馴染の関係から恋仲へと変わる部分を楽しみにしているのにこれは頂けない。
あと終盤の喧嘩も展開が急すぎてついていけない。もう少し丁寧に書いて欲しかった。
夕莉さんルートは、終盤に死神を使うならモブ女視点の描写を入れたほうがいいと思った。いきなり花子さん死にますと言われても少しわかりづらい。前半は良かっただけに少し残念だった。
花子さんの描写は良かった。姉らしい頼もしい場面も多かったのでそこは満足。
特に気になったのはこのくらいだが、全体的に構成がいまいちな感が残った。
死神の設定自体は悪くなかったと思うが、それだけに上手く纏めきれてないのがもったいないと思う。
絵は綺麗。というより購入目的の7割はつばす先生の絵。
ただ、5ルートでCG枚数70枚(差分抜き)は少し物足りなかった。(美夕さんの私服、いつか見たいです)
あと、重要な場面のCGでパンチラ(というかパンモロ)するのはやめてほしかった。シーン中のレイプ目もあまり入れて欲しくはなかった。
音楽はさすがぱれっとと言うべきか。OP2「Distance」は早くちゃんとしたフル版を聴いてみたい。
BGMも良い曲が多かったと思う。
制作発表をしたのが確か2011年冬のコミケだったので約2年半待たされたわけだが、その制作期間に見合うボリュームではなかった。
定価も通常のフルプライスより高く設定されているが、これはつばす先生の絵の単価が上がったのだろうか。その辺にしか値上げの要素が見当たらない。
しばらくはイベントでグッズ乱れ売りしてまた稼ぐのだろうが、次につばす先生の絵で新作を出すなら、だだ甘なイチャラブゲーを所望したい。