嬉しい完成度。テーマの好き嫌いはともかく、いい作品でした。
残虐で渋めの世界観と冒頭の村の襲撃からわかる。温くはなさそう、と期待させてくれる。
雄飛と忠保の会話から登場人物の思考がぶっとんだりしていない、地に足のついた人物達だと安心させてくれる。
リツを捜す段階で読み手に与えられている情報と、状況が合致して、適度な思考の機会を与えてくれるのがよい。
景明の落ち着いた口調がまたありがたい。
教師の鈴川といい、大人がちゃんと主体性をもって動いてくれるのは、嬉しい。壊れていたとしても、馬鹿とは簡単にはいえない。
雄飛は熱いね。ここまで熱い男キャラは久しぶりかもしれない。痺れるよ。
残念ながら鈴川との戦闘シーンはやけに冗長に感じた。もう少しコンパクトにできないものか。
雄飛と村正が対峙する絵で殺すんだろうなーと理解、流れ的に武装して現れる理由はそれだけだもんな…
最初は口封じかと思った。
年配の方が頑張る第二章、30年も昔の恋話が原因とはね。強制労働、圧政が舞台の村には若干似つかわしくない。蝦夷の姉妹と小太郎がかわいかった…
小太郎の外見と中身の違いは結局なんだったのさ。
この章から一条がかわいく思える。CGがよいよ
徒党を組んで始まる第三章、景明のハーレムが形成されてきている、ように思え、さよのつっこみがこれまたほのぼのとさせてくれる。
景明の会話の能力と墓穴の掘りよう、塵躯魔京の主人公を少し思い出し懐かしくなりましたね。
こう、レースに集中するのはいいけど、話の主題がずれていくような。それだけ力が入っていたとも言うけど。
駄作駄作言われて、静かに熱くブチ切れる村雨さんは微笑ましい。
この章でわかったけど善悪相殺ね。ゲーム的には好感度高いとだろうけど。
光ちゃん無双の第四章、一条も武者に成れたようでめでたしめでたし。だんだん犠牲者に何も感じなくなってきた、慣れですね。
それにしてもボスっぽい光は無邪気過ぎて緊張感なし。いいんかこれ?
過去編ですね第五章、武器は人殺しの道具だよねー、この章では首領様萌え、弟君が意外と鬼畜だったのが印象的。
英雄編
正宗の成り立ちを見るに、やはり熱い正義の人というのは見ていて落ち着く。
光の考えは全く共感できない、狂う云々以前に意味がない。馬鹿としか…護氏の俺かっこいいのが理解できるよ。
村正の呪いってのが厄介なのだし、一条と組んでやるのが最善だろう。村正の呪いは村正の世界観を現したものなんだろうけど
生産的じゃねーっつかそんなことで争いはなくならないよ。
真面目に考えると戦いは常に正義と正義のぶつかり合いというのはわかる。で、勝った方がより正義だった負けた方が悪だった
でいいと思うんだけど。独善結構。一条との決戦の時の景明の弁はどうも後ろ向きな気がして、合わなかった。
一条の「それでも…」のセリフが好きです。
最後の折衷案ともいうべきすっきりしない終わり方は割と好き。
復讐編
こちらは、今までの登場人物の関係の伏線を回収、香奈枝はやばい性質と思える節があったので、納得の展開。
可愛げは、ないですね。こちらも光同様ある意味狂気がかってますな。
復讐もののよくある展開ではないかと。茶々丸の謎さ、獅子吼の真っ直ぐさ、花枝のいい性格のが印象に残る。
魔王編
村正兼光兼茶々丸ルートな魔王編。初めて、護氏、雷蝶の活躍が見れるのが新鮮。とはいえ護氏は光が突っ込んだように俺かっこいい
の人でさしたる面白さもなし。この頃になると光にも慣れてきた。戦う思想は相変らず共感できませんが。
村正は2世の方のが容姿性格とも好みでした。3世と立ち位置が入れ替わってくれればよかったのに。
堀越公方副官には痺れますな。最初からこういう性格でもよかったかも。お兄さんとの感動の再会もできたようだしめでたしめでたし。
獅子吼はやっぱりいいキャラです。一番面白かったのは六覇羅対GHQのあたりまでかな。
四天王が画面からいなくなってからは個人的に消化試合。その後、光の出生がわかる驚きの展開はありましたが。
光とのエロがあったら面白かったかも。まぁ、いいけど。
悪鬼編
次回作への伏線?光倒して即終わりじゃなく、ヒロインそれぞれの決着をちゃんと持ってきたあたりはいいですね。
それに誰もぶれてないとこがさらにいい。あとね、そりまちさんの弁はもっともです。
登場人物がそれぞれに個性的、世界観もグッドと言うことなしでした。ただ、英雄の物語ではない。これが性に合わなかったのでどうにも残念なところではある。
武帝編というのがあったとしても、自分らじゃ傍観を決め込むのが基本スタイルのようだしね。
武を突き詰めると政治に行きつくと思うんで、そこから逃げてる結末は残念でした。