彩音は星奏のアンチテーゼ、だからこそ
この作品の一番の見どころかつライターが伝えたかったのは星奏ルートと終章なわけだけれど、素晴らしいかつおぞましいと感じたのは新堂彩音の存在。彩音ルートはまあ普通と言えば普通のラブコメだけれども星奏ルートのアンチテーゼとして使われていた。自分の恋がどれだけ大きくても夢や仕事を優先し、それらについて自分から語らなかった自分本位な星奏と、専門コースを諦めてまで主人公との恋を選んだ主人公本位な彩音。この作品に対する批判を見るように彩音のようなヒロインの方がエロゲーのヒロインとしてあるべき姿だと言われるだろうし私もそう感じてしまうが、そういうエロゲヒロインとしての恋を全うした彩音は完全に星奏ルートの前座として生み出された。ライターは彩音をアンチテーゼとして表面的な幸せだけでない愛を描こうとしたのだと思うが、私はだからこそ主人公本位に生きてくれる彩音が一層輝いて見えた。同時にこういうヒロインを踏み台にするライターにおぞましさを覚えたけど。星奏ルートもすごく良かったけど彩音ルートみたいな良く言えば王道、悪く言えばありきたりな物語がここまで輝いて見えるのはこの作品だからこそだと思う。
ゆい、凜香ルートは知らないです…。
星奏には怒りとやるせなさを感じたが星奏ルートまでの言動が可愛すぎるのでムカつく。見返すとサイコパスに見える。