主人公がヒロインのナプキンを回収するために行動を起こすという話。しかし、その後の話には驚かされたし、こんな展開を誰が予想しただろうか。
この作品の強みというのは、タイトルのインパクトに負けない予想もつかない展開と主人公の魅力にあると思う。
基本的にこの作品はバッドエンドに至るためのゲームであり、取り返しのつかない事象というものを題材にしている節がある。
主人公である大月経介という人物は、使用済みナプキンを回収し自慰に耽るというなかなかの変態性を持った人物である。
そしてナプキンを回収するためならゼロの知識から作曲まで行うという情熱を持つほどの無駄に有能な変態っぷりを発揮するなど非常に面白い。
しかしこの主人公、自分の変態性を客観的に見ており、自身の変態性というものを人一倍理解しているため、人を愛する資格はない、人に愛されるわけはない、といった考えを持ってる。
こういった考えを持っているため、主人公はヒロインに好意を寄せていても、告白を躊躇してしまうため悲劇が起こるといった話である。
自身の変態性に辟易してきたころ、改心しようと決意した時に、ヒロインの私物を盗むかどうかの選択肢が出る。
これが、ハッピーエンドかバッドエンドの分岐となっている。盗まなければ当然ハッピーエンド。盗めばバッドエンドに繋がるといったものである。
自身の性癖を克服できなかった主人公は(恐らく)作者の性癖から、他の男とセックスを行い、孕む。
ヒロインが他の男の子を孕んだり、死産したりするといった展開を誰が予想しただろうか、非常に衝撃的だった。
それでもただの鬱展開ではなく、テーマ性がしっかりしており、主人公、ヒロイン共納得した形に収まった終わり方にしたのは流石だった。
桜ルートは最後に推奨されているだけあり、非常に良かった。
タイトル回収した時は痺れてしまった。
某ルートでもっとはやく告白してくれたらこんなことにはならなかったという台詞があったが、それがこの作品の本質だろう。