理不尽、不合理が目立つ作品だったが全体としてはよかった
最初に断るとストーリー展開も書いているのでこれからプレイする方は下のほう(特に律子、千帆)は見ないことをお勧めする。
まず、システム面。これについては特に述べることはない。
次にBGM,OP,EDだが良い出来だった。
そして肝心のシナリオだが、これはプレイ3時間ほどでGIVEUPしたくなったほどひどい出来だ。
まず、理不尽すぎる。何かにつけて校長ににらまれるしいちいち誤解される。
個別ルートに入るとそうではないのだが共通ルートはひたすらに苦痛だった。
プレイする方も15話くらいまでは辛抱してもらいたい。
次に個別ルートについて。
私は理瀬>綾佳>律子>千帆の順にプレイしたがある意味これがエストなのではないかと思う。
理瀬ルートは理瀬のお母さんがクローズアップされたルートだった。
主人公の負った傷や過去の裏切りなど核心にバンバン食い込んでいくシナリオだった。
ここでは校長がなぜあそこまでかたくなに変革を望まないのかという理由も明らかになる重要なシナリオだ。主人公との恋愛も良く最後のほうまでは非常に順調だったのだが、一つ文句をつけさせてもらうなら主人公のけがの回復速度だ。腹部の大きな血管を切ってショック症状を起こしたのに担ぎ込まれた翌日の朝に退院できるのはいささか虫が良すぎたと思う。まあ、フィクションだからとか主人公補正だとか言われたら元も子もないのだが。
次に綾佳ルート。これは校長と綾佳の関係や出生の秘密。一言で言ってしまえば校長ルートみたいなものだ。なぜ校長が娘の綾佳にきつく当たるのかといえば自分の子供ではないから。しかしこれが実は意外な展開へとつながっていって・・・
これ以降はこのルートの核心に迫るので自身でプレイしていただきたい。
ただ、綾佳が一生懸命白百合会の活動に励んでいく姿は見ていていいものがある。
次に律子ルート。他のヒロインと違って敵の紅薔薇会という共学化反対。つまり主人公の追放を意味する指針をとっている政党の会頭という葛藤のヒロインである。
とにかくこのルートでは校長がひどすぎた。この時点で校長には理不尽なことで嫌悪感を抱いていたが、娘を結婚させるために主人公の誘拐を1000万で依頼するなどといった暴挙にひどく殺意を覚えるレベルだった。逮捕されてもおかしくないはずなのにそれを許してしまう主人公はお人よしなのかはたまた・・・
最後に千帆ルート。幼馴染ルートと聞いてさすがにこのルートに校長とか理瀬のお母さんがかかわってくるはずもないし安心できると思っていたら、主人公に借金を押し付け東宝曽田父親が登場。個別最初は理瀬と千帆の三角関係でとてもよかったのだが中盤になると母親から電話で夫に刺されたと電話がありみんなに被害が及ばないように学園を離れかつてのボロアパートに移る。しかしこのあとがひどくて父親は現れ主人公に睡眠薬のようなものを盛って眠らせ、千帆をおびき寄せさらに薬を盛って組に売り飛ばそうとする極悪ぶり。
主人公もこんな親を持って道を踏み外さなかったものだと感心してしまった。
さてここまで述べてきたが
シナリオ:共通40、個別各80→60
CG:80
SD:100
音楽90
システム:90
というわけで平均をとって84点という評価をつけた。
シナリオを見たときから非常に期待していた作品なので
正直共通ルートは残念だったがそれ以外のところは非常に良かった。
ただ、魅力的なサブヒロインだらけで4人だけはもったいなかった。
ぜひともFDも期待したい。