リアリティの高い作品
いろはとほんわかした日常を繰り返す物語ではない
住民たちからの差別的な視線や、いろはの家族や友人など、設定がネガティブな要素で構成されており、それが尾を引くがゆえシナリオを楽しむことがやや難しく感じる
(というか、ちょくちょく邪魔をしてくる幼馴染、ケモノ娘を解剖したがる保健教師と、モブでないところにもやや不快要素が混じっていたりするところもまた)
いろはは、野性的な側面(道端の草食べたり)も持ちながら、文化的な側面(言葉や料理等)もあったりで、設定的に中途半端ではないかと思ったりする
神も出すなら、村の風習等ある程度補足するような要素があってもよかったとも思える
ロープラであるから、と目を瞑るにはやや不満点が多すぎる
小番が自身を責めるシリアス部分に関しても、やや説得力に欠ける語り口で、読み手として納得しきれなかった(いろは以外が不幸に陥っても、それは当人の責任だと断じる主人公の言葉に首を傾げた)
暗い設定を思いついてそれを中心に組み上げていったが、その曇りをはねのけるテキストに力がないという点と、それを作品で一貫させた理由、ライターの意図が読めなかったというところが、低い評価をつける理由である