だれかのためではない、自分のための物語。
いつだってヒーローは、誰かを救おうと手を伸ばすし、そうやって手を伸ばす背中には、きっと見守ってくれる誰かの目があって。
自分は頼りない、どうしようもない人間だと貶めてしまうこともあるけれど、そんな自分を肯定できるきっかけをくれるのは、やっぱり周りにいるたくさんのやさしいヒトたち。
わたしたちの魔法は、誰にも負けない想像力。
その想像は、目に見えない誰かの「想い」をいっぱい心に留め置くための、受け皿なんだと、そう思えた。
銃のカタチをしたそれは、自分の想いは不幸を招くと抱いたゆえのそのカタチなのだろうけれど。
誰かに向けるよりも、自分に向けることが多かったのも、その不幸を抱いて眠りたいということなのだろうけれど。
ヒーローが、そして隣にいてくれていた相棒が、そのカタチによりそうように、想いをカタチにすることで、何かが変わったのだと、思う。
わたしたちの魔法は、誰にも負けない想像力。
その気持ちならば、たくさんたくさん、届けられるはずだ。
抱きしめたり、言葉にしたり、手紙にしたり、本にしたり。
想いが届くようにと「想像」しながら届けようとするから、
その心は、手紙を届ける列車にも、手紙を受け止める郵便受けにもなれる。
見えないからこそ「想像」は、誰かにとって、自分にとって、わたしたちをヒーローにしてくれるのだろう。