犯行の手口やトリックではなく、犯行動機や被害者の選定といった心理描写をメインに推理する内容。
ある分野に優れた者達で集まって出来た学生捜査官「ムシクイ」が奇怪な連続殺人事件を捜査する。主人公だけは本当の特殊能力で、死体か死体の一部に触れる事で被害者が死ぬ運命となる遠い要因を見ることが出来ます。「買い物をしている光景」「部活で練習している光景」といった一見ただの日常にしか思えない場面が捜査が進むにつれて意味のあるものに変わっていくのに驚かされました。
事件の犯人達は一言でいえばサイコパスであり、常識では考えられない理由で犯行に及んでいます。捜査が進むにつれてその理由が明らかになるとともに、「このキャラ、犯人のターゲットの条件に当てはまっているな」と思ったり、実際に拉致されたり殺される事もあるので緊張感のある展開になっています。
トゥルーエンドは謎にしか思えなかった犯人の行動と隠されていた謎が、まるで虫食いの穴が一つ一つ直っていくかのように伏線が回収されていき、背筋が震えながらも続きが気になる。トゥルーでありハッピーではない罪は罪としてこれからも背負っていく終わり方なのも良かったです。