Vol.1よりアクの強いヒロインに。シナリオも爽やかスポ根から軽音部の比較的最近っぽい展開へと、かなり趣が異なっています。「ときメモ」らしさも強くなっていますが、クオリティはシリーズ他2作に遜色劣りません。「虹色の青春」が楽しめたのであれば、こちらも十分オススメできる内容です。
ファンの方が狂喜乱舞したかはちょっと覚えていません。
見晴ファンがorz状態だったのは憶えています。ええ憶えていますとも。
ということで片桐さんがメインヒロインのドラマシリーズ2作目です。
システム関連については前作とほぼ同様。最も異なる点はやはりサブヒロインの存在でしょう。
専用のショートシナリオが付き、ミニゲームを攻略する事で先が見られるようになっています。
本編1回でコンプは出来ませんが、放課後モードという別システムを用意し、専念して
遊べる仕組みは、さすがコンシューマの老舗といったところ。細かい配慮がなされています。
本編シナリオですが、こちらは前作と比べると対称的な作りです。
直球スポ根だった「虹色の青春」に対し、本作は複数人の恋愛沙汰や音楽に対する苦悶など
比較的現代っぽい内容に。青臭さのあるシリーズ他2作ですが、本作はやや垢抜けた感じがあります。
クオリティは同レベルですので、どちらが好みはプレイヤー次第でしょう。
昨今のエロゲプレイヤーは本作のが好きになれるかも。
ヒロインが特徴的なのも本作の色といえます。ドラマシリーズの虹野さんや詩織は
原作の特徴がマイルドになっていますが、片桐さんのは健在です。ルー大柴みたいな
あの口調で話します。これもどちらが良いかはプレイヤーの好みでしょう。
そんな彼女の特徴も含め「ときメモらしさ」がドラマシリーズ中一番強いのが本作です。
知らないとNG、という要素は少ないのですが、原作特有のアクの強さは最も出ています。
スピンオフ作品といって差し支えなかった「虹色の青春」に対し、ファンディスク的な側面が
見られる「彩のラブソング」といったところ。これまた好みはプレイヤー次第です。
こうしてみると、システム以外Vol.1とVol.2で正反対な印象を受けますが、どちらもクオリティは高く
過程を丁寧に描いたシナリオが、爽やかな感動を与えてくれる点も同じです。
ヒロインや内容で片方だけプレイするよりも、両方プレイして「どっちが好みだった」という
楽しみ方をするのが一番幸せだと思います。短めですし、機会があれば是非プレイしてみてください。
蛇足1
本作での不満はただ一つ。鈴音が攻略できない事です。見た目も正統派で好感度もいきなりMAX。
更に健気で大人しめな後輩。ここまでキャラ立てしておきながら、攻略できないのには納得がいきません
でした。しかも、Vol.1の秋穂みのりはシリーズ通して見せ場があるのに対し、鈴音はVol.3では
ちょい役程度なんですよね・・・何とも不憫な子です。
蛇足2
上で名前を出したみのりちゃんですが、彼女の成長がシリーズのテーマの1つだったりします。
「旅立ちの詩」までプレイされる方は、本作でも彼女の頑張りを追ってあげてください。
Vol.3までプレイしきると、ちょっと素敵な物語が見られますよ。