前作からシナリオとエロシチュが大幅パワーアップ。TS娘用のコスも多岐に渡り、浅く広くではありますが、様々な要望に応えた作品に仕上がっています。それだけに肝心のエロテキストがTSファン向きではないのが実に惜しい。
処女作ということもあり色々と迷走していた初代に比べ、本作はかなり安定した
作りになっています。シナリオが大幅に強化され物語として読めるようになり、
キャラ同士の掛け合いも増えて個性に魅力も出ています。
ボリュームも前作の2倍以上に膨れ上がり、ヒロイン数も一気に倍増。
エロゲとしての完成度は、前作とは比べ物にならないほど高くなっています。
中でも脇役の濃さがいいですね。特に男共が面白い。
カラオケボックスの会社員や恭子の父親、弘二なんかは特にお気に入りです。
会話は面白く、エロシーンは鬼畜・下劣化し、でも憎めない一面も持っていたり。
女キャラだと千里はいいキャラしてますね。同じ狂科学者でも後輩で頼りないあたりが、
前作の佐藤部長といい具合に差別化できています。外道なところは一緒ですが。
たくやのエロシチュも、陵辱・レイプが大半だった前作に比べバリエーションが
多種多様化しています。お風呂関連や弘二絡みなどの新シチュはもちろん、従来の
レイプ方面でも新たなパターンが用意されています。特に新シナリオの夏美エンドや
家庭教師バッドは、シチュが意外すぎて笑えました。
エロに直結しませんが、TSならではシーンも序盤にいくつか用意されていますね。
女湯や一緒にお風呂は実に王道ですし、女性服の買い物シーンも鉄板です。
そして何より、コスチュームが頑張っています。制服2種類（立ち絵のみなら3種類）、
チャイナ服、ウエイトレス、ノースリーブ普段着、ブルマ、ロリ衣装、羽衣（？）と
実に多種多様。TS娘をアレコレ着せ替えるのはロマンだと思うのですが、その辺の
ニーズに本作は十分応えてくれています。
ただ完成度は上がったとはいえ、問題点もまだまだ残っています。
まずはエロテキスト。前作よりは幾分か改善されたものの、それでもTS用の文章では
ありません。前作がエロ小説なら、本作はエロゲテキストといった感じ。
やはりTSエロの内容ではなく、抜き目的として使いづらいのは相変わらずです。
そしてシナリオ。シチュや展開は十分面白いのに、肝心の中身がおざなりに処理されて
しまっています。ここが本当に惜しい。特に舞子と女弘二は、TS娘特有の状況や
たくやの心境を上手く使えば、独特の面白い物語になったはずです。
舞子なら男女をそれぞれ体験した拓也の心理を使えば、相手をより深く理解する展開に
持っていけるはず。舞子を拒絶する場面なんかは面白かったんですが、もう一歩踏み
込んで書いてもらえれば、更に良くなったかなと。
弘二は男女逆転エンドが無いのが勿体ない。女体化して不安な弘二に拓也が共感し、
優しくして結びつけるEDがあってもよかったと思うんです。
エロシチュとしても、女体化直後のTS娘をいただいちゃうのは新鮮ですし。
（ノベライズ版は男拓也が女弘二を犯すシーンあるんですよね。明日香ルートゆえ
結ばれませんが。）
静香や恭子、めぐみのシナリオも素材は十分面白いのですが、やはり書かれ方が
おざなり。いずれもプロットやCGはそのままに、文章を再び書き起こせば良作に
なりそうなだけに残念です。
以上、いくつか問題点はありますが、元祖Xchangeを楽しみたいのであれば、
1ではなく本作をオススメします。女体化直後の自慰シーンがないのは残念ですが、
同じ値段であればこちらの方が間違いなく楽しめるでしょう。
それでもTS作品としてはややクオリティ低めですが、安定した作りなのでプレイ
して損をした、ということにはなりづらいかなと。
また1の陵辱・レイプシーンが楽しめた方であれば、自信を持ってオススメできます。
純愛エッチが増えたとはいえ、強姦系が減ったわけではありません。むしろ増えました。
本作でも十分堪能してください。