システム周りとコスパの悪さは気になるものの、TSエロゲとしては鉄板をしっかり押さえた作品です。入れ替わりを異性快楽だけに収めず、他人の体であることにも言及していたのが好印象でした。
呪いの壺を割った影響で入れ替わり、という『肉体転移』を彷彿とさせるシチュ。
ですが男性にボイスはなく、シナリオもひたすらエロ特化と狙いはだいぶ異なります
「おかまベジータ面白かったけどエロまで長いのがね」と思われた方は、本作なら
相応に満足できるのではないかなと
シーン数は共通パートで3ヒロインで各2～3シーン、個別で通常エロ込みで3ヒロイン
各5シーンの計20～25。曖昧なのはシーン回想が割り増しされているためで、ミドル
プライスとしては少なめです。加えて通常エロが6もあるので量的には残念な感じ。
二心同体の二人羽織状態も2シーンあって、こちらもTSよりはボディコントロール系
シチュ。純粋なTSシチュは7割ほどです。
ですが質的には十分満足できるレベルかなと。女体の快楽を求めたり他人の体で好き
放題するだけでなく、他人・異性ゆえの違和感にも言及が及んでいるフェチを意識した
エロテキストです。グラフィックも立ち絵はわずかですが、1枚グラでしっかり
TSエロを見せているので多くの方が満足できるのでは。
ただ性的嗜好が体に依存しがち（女体時に女性との交わりで嫌悪感を抱いたり）
なのは人を選ぶかも。他にも暴力的に屈服させられたり、ヒロインによってはモブ
ヤられるシチュもあり、どちらかといえば精神的な要素にフェチを意識される方に
オススメですね
逆に純粋な女体快楽を追求するタイプや、相手の社会的立場に言及するクチのエロゲを
期待すると、質はともかく量的に物足りなさはあるかもわかりません。
シナリオは抜きゲーとして無難に落ち着いたな、という感じ。下手に手を入れず、
抜きゲーとしてハッピーバッドを1つずつ用意したのは良くも悪くも妥当でした。
ヒロインを必要以上に掘り下げないから、ハッピーエンドが上辺っ面だけに見えた
のだけは残念だったかも。バッドは良い感じでした。
とまぁ中身だけなら及第点以上の両作だったのですが、システム面があまりにも不便
なのが残念。特にEnterキーの反応が過敏で、コンマ秒単位の長押しでも連打判定される
のにはまいった。ページ送りにキーボードを使っている身には不便極まりない仕様
でした。全体的にもっさりしている＆中身のわりにメモリ容量を食うのも気になりました。
あと音関連が酷い。S&Lの決定音が空振りSEなのはまだいいとして、射精音が自販機
なのはどうなのよｗ 女体の絶頂にはSEつけてないのだから、いっそ両方無しでよかった
のでは。声優さんも精度が低く、特に絵里は喘ぎが残念すぎました。
以上から、割高とはいえテキストとグラが十分仕事をしていたので及第点越え。
これでシステムが一般商用ゲー並だったらほぼ文句なしでした。あとはやはり
コスパですね。シナリオに力を入れないならエロは全編TS絡みにしてほしいなと。
それだけで随分と増量されますから。