不良少年を女体化させるテンプレTSモノ。TSの面白さを引き出そうと頑張ってはいるのですが、気持ちだけが空回りしている印象を受けました。
昔は仲良かった幼馴染（♂）が今はいじめっ子。
そのいじめっ子が女体化しちゃった、という不良TSのテンプレ展開です。
他作との差異としていきなり女体化するわけではなく、日を追うにつれて
チンコが小さくなっていくような、シークエンス的な表現がなされています。
女体に溺れていく過程、レイプされても屈辱以上に快楽が上回ってしまう描写、
男としての矜持が崩れていく様子など、TSエロゲで重要な精神面を描写しようと
しているのが見て取れて、使えるものに仕上げようと苦心されているのは伝わってきました。
ただやはり不慣れなのか、どれも興奮できるような内容になっていないのが残念。
他のエロゲとの差別化を計ろうとするも上手く行ってないといいますか。
TSエロゲとしては残念ではあるのですが、とりあえず女体化させとけばいいだろ的な
投げやりな姿勢ではなく、なんとかしようとはしてくれているのですけどね。
ルートは3つで、いじめられっ子が女体化いじめっ子に復讐するルート、いじめっ子も
女体化して可逆で楽しむハッピーエンド風味なルート、2人とも女体化してクラスの
慰み者にされるルートがあります。
バッドエンド2つはどれもよくある不良TSモノですが、可逆で楽しむルートはエロゲでは
あまり見かけることはなく、この辺をもうちょい掘り下げたら面白いものができそう。
けどゲームの雰囲気が不良TS堕ちなのでメインにするのも難しそうだなーと。
ホント惜しいところまで手は届いている作品なんですよね。非常に勿体ない。
ボイスについて、いじめられっ子にだけエロ時の喘ぎボイスが実装されている点に
違和感。片方だけってのは入れない方が良かった気が。あるいは2人とも実装するか。
あと苛めっ子の演技が拙いというか、不良ボイスと堕ちTS娘を演じ分けられて
いなくてやはり違和感が。いじめられっ子の方は良好だったのですけどね。
以上、TSエロゲとしては色々と物足りないのですが、頑張ってくれていることは
伝わってくる作品でした。TSではなく制作陣が得意とする土俵で勝負したら
良い抜きゲーができそうですね。
蛇足1
原画の龍炎狼牙さんは過去に数々のTS18禁コミックを輩出された、その筋では
とても著名な漫画家さんです。中でも『アルケミラの雫』は性倒錯の極まった内容で、
名著と呼ぶにふさわしい作品でした。
蛇足2
古き良き(?)抜きゲーを彷彿とさせる、赤黒を基調としたゲームUIが印象的でした。
BGMも格ゲーのキャラ選択時に流れそうなギターサウンドで、どこか懐かしい空気を
味わえましたｗ