抜きゲーとしてはかなりレベルの高い、TS不良モノの金字塔。快楽堕ち後にもう一歩堕落する描写が特に素晴らしく、十把の類似作品とは比べ物にならない出来栄えです。本作をプレイしてTS的な面白さを見出せなかった場合、他の低価格不良モノは軒並み全滅と判断していいと思います。
内容は不良が性転換して快楽堕ちする王道シチュで、ナンパ→セフレ→売春のビッチ
ルートと、ライバル不良にとことん堕とされる輪姦ルートの2つに分岐します。
どちらのルートも主人公のカオルが非常におバカ。強気をくじき弱きを助ける正義漢
ですが、どうにも男らしさを履き違えている上に単純思考で
「フェラしてくれよ友達だろ?」→「しょうがねえなぁ」
「ヤらせてくれよ友達だろ?」→「友達の頼みを断るなんて男じゃねえ」
とかやってるうちにハマりこみ、気つけば快楽最優先のビッチに。他にも酒を一気飲み
する男を見て「男らしい…!」とか、いやもうホントアホですこの娘。
共通ルートは上記の友人3人にご奉仕する他、姿見オナニーしたり、ナンパにあって
ラブホ入ったり。中でもTS娘がナンパに引っかかる展開がレアですね。大抵は「男に
声をかけられるなんて!」って殴るか逃げちゃいますし。
ところがカオルは相手のイケメンデカマラに惹かれ、しかし男の部分が拒否反応を
起こし葛藤。でも最後は流されてアヒンアヒン。ベロチュウに夢中だったりして、
完全に女の子しちゃってます。
ナンパ男に雌色に染め上げられるシチュはやはり至高ですね。実にエロい。
分岐のうちビッチルートは合コン相手とセフレ関係を結び、ズブズブとハマって
いきます。見所は雌として男を求めてしまう心理描写。
女体ゆえの快楽欲しさではなく、男に媚びを振ること自体に快感を覚えている。
その微妙なニュアンスの違いを巧みに書き分けています。
対して陵辱ルートは不良につかまり雌奴隷に。シチュはそこら辺の同人作品と大差
ありません。が、そのエロさやインパクトは段違い。
何が凄いって、やはり土下座ですね。イかせず焦らしあげた上で自主的に土下座させ、
また焦らされそうになると、即自分から頭を下げ許しを請う、頭の上げ下げを往復する
シーンが見られます。
普通この手のシーンは「嫌々1回土下座→はいエロシーン」ですが、本作は容赦なし。
カオルを骨の髄まで調伏させて、自分から媚びへつらい人としての尊厳を捨てるまで、
ひたすら苛め抜きます。
カオルに自分を重ね「快楽に負け、人として最底辺以下にまで堕とされる」事に快感を
覚える、そんなTS的マゾ嗜好をお持ちの方にオススメしたいワンシーンです。
以降も女体化エロより、人間として最低以下に堕ちていく描写がメインです。
ライバルに、雑魚不良に、男子に、女子に、変態ビッチとしてなじられる快感。
陵辱ルートの面白さはそこに集約されています。
ただラストの腹ボテエロは無くてよかったかも。恥辱ネタもなく単なる公衆便女化で、
自己を重ねる楽しみがなかったので。
以上、両ルート共に個別の面白さがあり、CGやテキストのエロさも(少々やりすぎ感
はありますが)バッチリ。御苑生メイさんのぶっ飛んだ演技も加わって、非常にパワー
溢れる作品に仕上がっています。
それでいて堕ちる過程や心理描写も十二分に表現されていて、ロープライスのTS抜き
ゲーとしてはまさに出色。2K強という値段すら安く感じられるクオリティです。
シチュを最重要視する私としては物足りない部分もありますが、「TSモノでエロが
見たい!」という方には外せない、まさに良抜きゲーと呼ぶに相応しい作品です。
蛇足1
正直なところ、どちらのルートも特異な設定の作品ではありません。シチュは平凡です。
卑語を連発してアヘ顔晒し、土下座に豚鼻セフレに売春と、ド派手で汚いパワープレイ
ばかりのよくある抜きゲです。
しかし本作は、快楽堕ちと別の堕ち様をない交ぜにせず、1シーンごとに丁寧に書いて
いるのが特徴。快楽に溺れるまでを前半で書き切った上で後半、ビッチルートなら男に
媚びる雌へ、陵辱ルートなら人として最底辺へ叩き堕としています。
ゆえに堕ちる過程の心の変遷や戸惑いが、他作に比べ非常に細かい。
派手に喘いでアヘ顔晒している中にも、そんな丁寧さが介在しているからこそ、
ナンパ男に篭絡される様や土下座シーンが魅力的なのでしょう。
方向性の差異はあるにせよ、他の低価格作品もこのぐらい丁寧に作り上げてくれると
幸せなんですけどね。このような良作をプレイした後は、そう願わずにはいられません。
蛇足2
比類なきロープラTS不良モノと述べましたが、唯一Norn製の「最強の不良~」は
快楽系ではない、対男のライトな純愛TSモノ。その出来はベクトルは違えど本作に
勝るとも劣らないクオリティです。この2作がツートップといった所でしょうか。
フルプラ+シナリオ重視作品も含めるならXCAがありますけどね。