3作目ながらシリーズで最もライト仕様なロリTSエロゲ。対男ルートに多少嫌悪感を覚える展開があるものの、総じて初心者にオススメできる内容に仕上がっています。一方で個人的には綺麗にまとめられたシナリオ運びにビックリ。前作・前々作で投げっぱなしだった設定に一応の決着がついています。
お値段は2K据え置きですが相変わらずのクオリティ。下手な商用作品顔負けのグラと
TS&ロリ展開で楽しませてくれます。一方でシチュやエロ描写が、前作より更にソフト
かつライトに。一部を除いて初心者向けのTS抜きゲとなっています。
一方熟練TSスキーの方には物足りないかもしれませんが、過去作をプレイされた方で
あれば、設定面やストーリー方面で楽しめる作品に仕上がっています。
ただTSシリーズモノのお約束として、序盤によくある「男女の差異に戸惑う」展開が
ほぼオミットされています。コレばっかりは仕方ないですね。その辺を楽しむなら
一作目をば。あっちは濃ゆい展開が続くので、万人にはオススメできませんが。
それとエッチシーンのCGで、前作のような蕩け顔がかなり控えめに。
好みによるところではありますが、この変更はかなり残念。
純粋なエロゲとしてのクオリティは前作の方が上のように思います。
2つあるルートのうち、片方は年下幼なじみとの女の子同士にゃんにゃん展開です。
主人公がTSしてアレコレではなく、憧れのお兄ちゃんと同じ目線になれた美依の話が
メイン。過去2作に比べシナリオがしっかり組まれていて、単純な抜きゲーでは
なくなっています。
尺が短いため深くはありませんが、葛藤に揺れる主人公・いつきや美依の描写は
なかなか上手く書かれていました。
一方でエッチシーンは総じてライト仕様。ペッティングや軽い性戯が中心でエロさは
抑えめ。最後の最後でようやく貝合わせがある程度です。同様にTSモノとしての面白さ
もごく僅か。初心者向きではありますが、抜き目的として使うにはさすがに弱すぎる
かもしれません。
でもトイレでおしっこシーンは唯一フェチ要素が全開ですね。お兄ちゃんとして全幅の
信頼を寄せられていた年下の幼女からトイレの使い方を教えてもらうとか、情けない
やら恥ずかしいやら嬉しいやら。これだけでご飯3杯いけます。変態でゴメンナサイ。
もう片方のルートはシリーズお約束、男にヤられるルートです。
しかし今回の相手となる裕樹は、ロリコンとはいえかなり紳士的。幼女モノの衣服を
大量に持っていたり変態要素はありますが、強姦レイプ的なことはしません。
エッチも基本を抑えたものばかりで、かなりライトな作りです。ロリ要素は満点ですが。
ただ中盤で出てくる前作から続投のロリコン教師。こいつが曲者で、ふたちゃん恒例の
レイプ展開になります。シリーズを未プレイの方にはかなり外道な展開になりますので、
気分を害された場合はスキップすることをオススメします。
こちらのルートは、TS的な面白さはしっかり抑えていますね。元男なのに男にヤられる
嫌悪感や、でも体が喜んじゃう状況とかバッチリです。自慰シーンもありますし、最後
のエッチも「ならでは」展開ですしね。開運石鹸の設定を使った感情のオーバーラップ
といい、おいしい展開ばかりでよく出来ているルートです。上記のレイプを除けば。
個人的な事をいえば、今回のライト仕様よりも前作までのような「見る人が見たら
嫌悪感MAXな展開」の方が抜けるし楽しめます。
前々作の友人達やいちぷー先生の利己的な行為は、エロいしシチュもストライクゾーン
だったので。
でもせっかくドぎつさを抑えているのだから、今回は全部和姦で通してライトユーザー
に扱いやすい作品にして貰いたかったです。
結果論になりますが、FDも出しているわけですし、濃ゆい展開はそっちオンリーで
展開してもよかったのでは、と。
（まぁシリーズ3作目でライト仕様って前提自体、間違えてるのは否定しませんがｗ）
以上、レイプ展開を除けば初心者向きのロリTS作品、というのが本作への評価。
後述しますが過去シリーズで投げっぱなしだった設定も回収されていますし、シナリオ
方面でもがんばっている、かなりの良作です。
一方でロリ作品としても非常に優秀。さすがの夢見奏ですね。元男という点に目を
瞑れば、そっち方面でもオススメです。
蛇足1
私は元男×男も、元男×女も同じぐらい好みです。ゆえに本作のようなタイプはどちらも
いただけるのですが、片方のみがお好きな方に本作は少々扱い辛いかもわかりません。
以下、裕樹ルートについての感想。ネタバレ注意です。
いやー騙されました。そりゃ幼女服をしこたま持っているわけだ。設定投げっぱの予定
だったであろう第1作目から、見事に繋いできましたね。
「不幸に遭った少女の願い」という開運石鹸の設定も、初代の内容を違和感なく取り入れ
ていますし、後付け設定としては十分すぎる内容です。
全っ然期待していなかったのもあるんでしょうけど、ビックリさせられました。
アフターの展開もまた素晴らしい。CGとセリフの連動が素敵すぎます。
幻想的な空間で表現される双葉と莉那の別離は、セリフの1つ1つ、差分CGの1枚1枚が
印象的で、読了後は寂しくも暖かい気持ちにさせられました。抜きゲーなのにっ。
ライターのさんきち氏はアトリエかぐや時代から好みでしたが、本作で更に惹かれ
ました。
にしてもこの「ふたば☆ちゃんねる」シリーズ、3作それぞれに特長があって凄く
バランスのいい作品ですよね。1はTSシチュが、2はエロゲとして、3はシナリオが
上質。FD部分込みで3本1セットのフルプラ作品と考えるなら、TSエロゲとしては
上位5本に入るぐらいの名作だと、個人的には思っています。
コレを書いている時点で既に次回作の4が発売決定しているわけですが、次はどんな
ロリTS物を見せてくれるんでしょうか。今から楽しみでなりません。
蛇足2
パンツ差分枚数が凄すぎ。何度もいいますが、さすが夢見奏。
まさか洗ったパンツの1枚CGがあるとは思いませんでした。しかも
しっかりTSシチュしてるから凄いｗ