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alcoholさんの俺たちに翼はないの長文感想

ユーザー
alcohol
ゲーム
俺たちに翼はない
ブランド
Navel
得点
95
参照数
1794

一言コメント

名作になることは間違いないと思っていたが見事に予想通りだった。これが面白すぎたせいで他にやろうと思ってたゲームが面白く感じなくなってしまった⌒゚( ´∀`)゚⌒

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いやーやってくれましたね王雀孫!
自分がそれ散るを初めてやったときからもう3年もたっていましたよ。
しかしあれは衝撃だった。こんなセンス抜群のギャグをいくつもいくつも飛ばせる人がいるのかと本気でびっくりした記憶があります。淫乱肉奴隷とかよく思いついたもんです。そして時は流れ、そのそれ散るで王テキストの虜となってしまった僕ですが今回またさらに深みにはまってしまったようです。例えて言うならば最初は嫌がっていた娘が段々快楽に目覚め(それ散る)、最後には自分から腰を振ってしまう(俺つば)感じでしょうか。もうテキストの面白さといったらこの人に勝てる人はいないんじゃないでしょうかね。

さて、前置きが長くなりましたが早速感想へと移っていきましょう。
今回なんと主人公が5(6?)人というびっくり設定なわけですがこれまた見事にどのキャラも個性的でしたね。とくに統合体なんかは舞人再臨か!?と一人で興奮していたわけですが、主人公だけでなくヒロイン達もまた魅力的でした。大抵どのゲームにも捨てキャラといってはなんですがメインを引き立たせるため、あるいは頭数をそろえるためのようなヒロインが1人はいるものですがこのゲームに限ってはそんなことはなく、4人全員がそれぞれ違った魅力を持っていました。
どのヒロインも最初から心を揺さぶる魅力的な女性というわけでなく、共に時間を過ごす過程で主人公と一緒に磨かれていくのです。一気にヒロインの魅力をだすのではなく小出しに小出しに、積もった塵は最後最高の読後感として読者に残ります。一見他のゲームでもそれは言えると思うかもしれません。確かにそのとおりです、しかしその成長していく様をどう魅せるか、ここに王シナリオのすごさを感じます。
王雀孫といえばコメディ・ギャグのような「笑い」に目が行きがちですが、こうしてやり終えてから全体を見るとその実力はそれだけではなくしっかりとしたストーリーの生地があり、それにギャグのような装飾があるのだと思えます。

僕は今回シナリオを楽しみにしていたのでシナリオ中心のレビューとなりましたが、音楽、ビジュアルといった美術面も非常に品質の高いものだと思っています。今後Navelがどういった活動をしていくかはわかりませんが、再び王氏がシナリオを手がけるならこの会社で出して欲しいものです。というかシナリオにこんな時間をかけるライターを温かい目で見守ってあげられる会社はここ以外ないでしょうw

さて、長くなりましたがこれで終わりにしたいと思います。本当は笑えたギャグパート一覧見たいな感じで書こうとも思ったのですがやっぱり生地のほうがクリームより大事ですのでこのようなレビューにしました。出来るだけ早くまた王テキストが読めることを期待します。あとできれば女生徒Aもw