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akurukkusu0927さんのゴールデンアワーの長文感想

ユーザー
akurukkusu0927
ゲーム
ゴールデンアワー
ブランド
NIKO
得点
91
参照数
725

一言コメント

この世界には忘れてはいけないものがある・・・でも、私は、俺は、何を忘れてはいけなかったんだっけ・・・

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

はじめてこのブランドのグループに手をつけました。
というのも私は、サンプルCGで各キャラのバックシーンにくぎ付けになったからです。
はい!尻フェチです。すごくエロく描かれてるんですよね~~
この作品は何といっても尻です尻、尻。大事なことだからセンセイ3回言いました。
明日の試験で、出しますからね。
出すって、尻には出しませんよ~何言ってるんですか、でもでも出すなら・・・

まりかの小振りな尻もいいし、
瑠璃のドーンとした尻もいいし、
夏未とユキを並べて・・・( ' ^'c彡☆))Д´) パーン!グフッ
すいません、取り乱しました。
みんなのお尻を横一列に並べて一人ずつ、あそこやあそこも舐めてみたいなぁ~なんて、これっぽっちもおもってないんだからねっ!
・・・いい匂いするんだろうなぁ。。。

・・・。
・・・・。
・・・・・。

はっ!!さて!本題にうつっていきますが。

エロ全振りの作品かなと思ったんですが、とんでもない、そんなことはありませんでした。
次の作品も積んでるのでやってみます。最新作期待しています。

各ルートの感想と総評を述べていきます。

●瑠璃

最悪な男に引っかかった悲劇の少女

瑠璃を最初に攻略すると別ルート行ったとき、瑠璃が大変な目に合うんじゃないかと
危惧しましたがそんな心配いりませんでしたねw

ちょっとフルボッコにされすぎて少し手塚が可哀そうな感じはしましたが、
ま、女性を性欲処理の物扱いをした報いですね・・・
ヤリチン野郎は社会的に抹殺されるべきです!!(私怨)

シナリオとしてはまあ在りがちなケースでしたが、瑠璃の素直さと献身的なキャラは私のツボでした。
ま、世間一般的には倫理的にどうなのかというのがありますが、そりゃ顔見るたびにホテル誘われりゃ嫌気もさすし、
暴力振るわれてもなお、向かい合おうという姿勢は・・・いい子すぎて危ういですね。

主人公のことを一本で想っていたけど、夏希の心の記憶でなぜかあきらめ、あとは下心丸出しの猛アタックを信じ、手塚と付き合ってみるが
やはり、失ってから、改めてあなたしかいないんだ・・・という気持ち。
瑠璃の正確なら優しいから流されて手塚と一線を越えてってもおかしくなったが、純情を守ったのは心の記憶と本能なんでしょうね。

瑠璃の悩みの描写も素晴らしいものでした。


手塚と主人公という天才と秀才の体軸、努力では運命を変えられないことがある・・・ラストへの思いだったのかなとも思いました。

CGはすごくよかったです。瑠璃のお尻アップや騎乗位シーン瑠璃の良さがすごくでてました。
後は胸の食い込みシーンや壁ドン、すごくいい!そりゃラスト、子供できますよね・・・
てか、ここのブランド、バックの描写が業界トップじゃないでしょうか、尻フェチなので///


●リサ
このルートを不要としている人が多いですが私はそうは思いません。
中途半端になったからこのような評価になっただけでルートは絶対に必要だと思っています。
理由は後述。

ここも手塚と主人公のような関係性が徐々に浮き彫りになりましたね。
まぁバッドエンド扱いにンるんでしょうけど、Hでシナリオを占めるのではなく、
もう少し続けて7、主人公とリサの肉欲の日々で、誰かわからぬ少女の声で、主人公に脳内に語り掛けるが、
リサとの情事が大事だと切り捨て、少女の声がだんだんと悲しみに満ちた感じでフェードアウトして終わるとか、

主人公が自堕落な生活をし、死を選んだり、リサの兄のグループに入って乱闘の末、死ぬ前に走馬灯のように何かの記憶が少し思い出すとか
の演出もありかなと素人目には思いました。
それならリサルートがさらに活きてくるのかな?素人の戯言です、失礼しました。

でも私はTRUEはBADが素晴らしいものであるから活きると感じています。

リサのキャラもすごくわかりますね、すずを誘って仲良くいいライバルとしてと最初は思ってたでしょうね、
でもすぐに抜かされ、遠い存在に・・・やり方は褒められたものではないですが、人間の本性をすごく丁寧に描写されていたと思います

何気に好きなキャラでした。リサとの明るい未来も観たかったですね。


●すず

正直ほかのキャラに比べ印象に残りにくかったのが本心でした。
シナリオはまぁ芸能人との恋ということである程度既定路線は感じました。

私にはすずは見た目と違ってエロい子という印象しか残りませんでした。
若干ですが私には、中田氏する精液の量が多いような印象を持ちましたw
その理由はたぶんシナリオの閉め方なんですかね?ちょっとわからないですね

明るい未来の描写がもう少しあれば・・・できたら、TRUEに結びつくような伏線を少し盛り込めたら、なお良かったように感じました。



●まりか

彼氏がヨーロッパにサッカー留学にいったまま連絡もなく、ひょっこり帰ってくる。
そりゃまりかも拗ねますよね。一見わがままに見えて悲痛な胸の内が、
自身の体を使う描写でより色濃いものにんりました。
Hシーンが必要な最たる例だと思います。

一度きつい態度をとったことで、また、主人公がなぜか自分を向いていないことを心で感じ取ったことで、
その人に謝りながら、思い出を残し、誰にも言わず姿を消す。

まりかの心情が見事に表現されていました。

最後のシーンはすごくよかったですね。
数年越しの流行りの終えたプレゼントを今まで保管し、それを思い続けていた人に渡す。
その物に全ての想いが詰め込まれていますよね。


主人公のカッコよさと過去の反省、まりかの可愛さと後悔そして後ろめたさが
伝わってきました。
成長・・・まりかは自問自答しています。したかどうかなんて、、、そんなもの尺度なんて分からない。
ただ言えることは心の底からの笑顔がそこにあるなら、間違いなく成長してる証だと思います。
二人は回り道をしたことで、大きな成長を手にしたと思いますね。


車窓のシーンでのまりかの言葉もぐっとくるものがありました
車窓の歌は誰視点の歌なんですかね?私は主人公視点かと思ったんですが、すべてをリセットしたまりかが夢に会いに行く
(手紙は今まで描いた絵のことなのかな)歌にも感じてきたんですよね・・・どうなんでしょう。


●夏未

言葉の節々が可愛く声優さんとのマッチングもよかったなと思いました。

「もう・・・男の子だから仕方ないけど・・・別に想像に頼らなくても、そのうちちゃんと・・・」
そのうち!?ちゃんとって何をですか!?
千尋にスカートの中をいじる発言では
「しっ、しないしない!そういうことはまだ・・・!」
まだ!?

って突っ込んでいじめたくなる可愛さ
こういう清楚な子がこういう発言するのはグッときますね、
頭ではどんなこと考えてるのか・・・ぐへへへ・・・・・失礼取り乱しました。

このルートはよかったんですが、千尋のことをもう少し掘り下げてほしくはありました。

結局、千尋が言った「お姉ちゃんに会っても・・・きっとわからないから」って発言。
千尋は最後の願いを代償にいなくなりましたが、その発言の真意がわからず仕舞いでした。(見逃してたのかな?)

最後のコリン先生との会話・・・なぜ誰とも関わらない学園生活を希望していたのに主人公らには見えたのか・・・
おそらくこの悪魔の優しさだったのかね・・・誰とも関わらないなんて寂しすぎますし、
こんなくだらない世界でも花は咲いていることを冥土の土産に送ったのかもしれませんね。
ただ、人間忘れられることが一番辛いはずです。千尋ルートがあるとTRUEルートの感動がぶれるので必要はありませんでしたが
おまけルートで千尋の救いを見出してほしかった希望はありました。
シナリオの切れ目のシーンでタイトル背景のシーンが一瞬差し込まれますが、いつもならキャラ立ち絵があるところ、
千尋が居なくなったあとだけ、背景のみにしたのはよかったなと感じました。


このルートから少しづつ真相に近づいていきましたね。夏未が家の中で何かを忘れていく感覚
夏希の想い出の品が何の意味があるのかわからなくなる。
主人公に近づくと大切な何かの記憶が失われていく。
一人っ子である違和感。
なぜ、厳しい家庭環境が辛くなかったのか。
夏希の望み、贖罪ですね。

夏未の心の記憶の苦しみが表現されてました。

主人公も悩みます、デートプランやデートの練習は誰としたんだっけ??
でも、あなたのことが!夏未のことが!!好きだから!!!

これはある意味良かったのかとも思いました。

命を懸けた贖罪と愛する人の幸せを願った、意固地で負けず嫌いで口の悪い・・・でも、笑うと可愛くて、相手のことを
自分のことのように悩み喜び悲しめる、一人の少女の命を懸けた最期の願い・・・

目標はまだないけれど、彼らは明るい未来に進んでいけるでしょう。なんせ彼女が愛した二人なのだから・・・。


●ユキTRUE

ユキと晴れて付き合うことに。
なぜユキはひたすら、主人公を夏未とくっつけがったのか、最悪誰とでもいいという始末。
登校はするが人目を避けるように過ごし、授業にも出ない。
ユキの行動が把握できない・・・いつも肉まんを食べる理由、話した覚えもないのにユキが知っている情報。
ずっと気になっていた夏未を前に告白が成功するにも関わらず、なぜか心が嫌がっている。

周りの少女たちが言う、ユキと主人公の関係に納得したという言葉・・・。

ユキも一緒に写真を撮ったり、肉まんばかり食べてたり、ゲーセンに行ったり。
応援してるとはいっても、ユキの心は切実に「思い出してよっ・・・雄也・・・お願い、少しでいいから・・・」だったのかもしれない。

「例えもし今までの事全て忘れるような事があっても、俺はまたユキを見つけて、ユキを好きになる」
この言葉はグッときましたね。このあたりからある程度の想定をしていたので、ユキにしたらその言葉を
体現したわけですから泣きますよね・・・。

残された時間を目いっぱい楽しもうというユキの描写がよかった。
Hの後、主人公を膝枕しているシーンでの「足痛い」の少し喜びを含ませた声優さんの演技がよかった。

ユキの最期を悟った最後のH。初めてユキから誘った。Hシーンがシナリオに厚みを持たせましたね。

夏未と主人公を歩道橋の上に導き、ボイスメッセージを聞くように指示した後の
最初のOPムービーの差し込み、ユキのメッセージはズルいなと思わせられました。で、そこらの回想、すべての真実を明るみにしていく
疾走感は心地よいものがありすばらしかったです。
そして、主人公と夏未の記憶のないツーショットの真実。

夏未の激高から夏希の決意、人間模様がリアルに描かれていました。

そして、雄也が死んだことが分かった周りの人間の感情。各キャラクターの性格に沿って声優さんの本気を見せつけられました。

そして、夏希の願いがかなった後のタイトルにもありましたが「ねぇ、私の存在理由ってなに?」
人間の生きる糧だと思います。
ただ無為に生きることはかなりつらく過去を変える代償としては適切なのかな。

自身が命を懸けて守った愛する人が別人になってしまった・・・生きてはいても真の意味では生きていなかった。
老婆を見捨てた夏希のショックは計り知れなかったと思います。

そして献身的なユキの行動で、主人公の心の底にある感情をようやく理解します。
なぜ、自堕落な生活を送っていたのか・・・
サッカーができなくなったこと?そんなことじゃない!もっと大切な・・愛する人・・・き・・・なつき・・・夏希!
病室に残された白紙の紙・・・そこに書かれていた愛に溢れる文章を思い出す。
一緒にいた夏未も思い出す、大切なお姉ちゃんの存在を・・・

頑張り屋で強がりで、でも誰もいないところでは一人で泣くようなそんな女の子・・・

そしてこの不可思議な現象の黒幕に接触、そして愛する人を守るため、悲しい決断をする。
あのゴールデンアワーを見た歩道橋での愛の溢れる二人のやり取りは感動でした。

主人公が消えるときに夏希があっさりしていたことやラストへの流れの持っていき方が気にはなりました。それがマイナスポイントであったと
思います。最後のENDの雄也が夏希の肩に手を置くシーンからのタイトルの「ありがとう、また」は最高でした。
「また」としているところから、夏希の気持ちが伝わってきますね。
だからこそ、その間がもったいなく感じました。
が、事実は変えられない、過去を忘れないことが大事であるということで”現在”を過去を受け止め心に刻み生きていくという夏希の強い意志を
現したかったのかなと感じましたが、少し残念な思いを持っています。


もの寂しげに過去をみるな、それは二度と戻って来ないのだから。
抜け目なく現在を収めよ、それは汝だ。
影のような未来に向って進め、怖れずに雄々しい勇気をもって。


全体を通してみると非常にまとまった、よい作品でありました。
リアルな世界や人間模様、そして物語のスパイスとなるSFチックな要素。
そして魅力的なキャラクター。
十分に楽しむことができました。

演出や音楽はすごく良かったです。

私の希望ですが、ここまでHシーンが素晴らしかったので、おまけルートで3Pシーンも観たかったなぁ・・・
夏未と夏希。すずとりさ。まりかと瑠璃。

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ゴールデンアワー・・・黄昏時・・・
この世とあの世が交じり合う、不思議な時間帯。

現代人は、時間に追われ忙しなく瞬間(とき)を過ごしている。

たまには前だけじゃなく、後ろを見てもいいんじゃないでしょうか・・・

これからだんだんと寒くなる季節に入ります。

肉まんでも片手に、白い息を吐きながら、今日の終わりを告げる空を見上げて、
あの金色の日々に思いをはせてみていかがでしょうか・・・。

きっと大切なことを、そして忘れかけていたことを思い出すかもしれません・・・。

それはあなたにとって、明るい未来につながるはずです。