思い通りにできる”自分”しかいない夢の世界か?それとも、思い通りにいかないことがあっても、思い通りにするために挑み続ける”みんな”の世界か?どちらが幸せなのだろうか・・・。”生きる”とは何か、考えさせられ、そして何かを吸収させてくれる。ただ、シナリオに癖があり、好き嫌いが大きく分かれそうな作品。
とりあえず、終始、混乱してばっかでした。このシーンは夢か現か、それとも・・・。何が現実なのか?
この作品に影響されたのか、今、パソコンに向かってキーボードを叩いている自分は現実なのか。
現実だと思って過ごしたこの20数年間は、もしかして長い夢を見ているのではないかと、馬鹿な事を考えたりもした。
というのも、今が夢じゃないと証明できないですからね・・・。
覚めない夢はない・・・確かにそうだが、目覚められない状態だったら・・・。
夢という、まだ、解明されていないものをテーマに描いた物語は、とても興味深く自然と吸い込まれていった。
夢って実のところ何なんでしょうね・・・。
全てが自由になる理想郷で孤独な夢の世界か、
それとも様々な困難や理不尽が待ち受けているが家族や仲間がいる思い通りにならない現の世界か。
彼ら彼女らように、どうしても逃げたい事情を抱えていた時、私ならどの選択をしていただろうか・・・。
人間は、生物界では、一番恵まれた存在だ。だからこそ、苦悩というものがあるのではなかろうか。
「なぜ人間は安易に死を選んではいけないのか?」
万人受けする答えが未だ無い、”死”という永遠の人間のテーマ。
その答えの1つがこの作品を通して見つかるかもしれない。
BAD→ノーマル→弥生→景子→咲→舞亜→有栖の順番に進めました。
いろんな方がおっしゃってたように、この順番が一番しっくりとしました。
(BADの使い方が正しいか分かりませんがw)
【シナリオ】34/40
・共通 4/5
・弥生 4/7
・景子 6/7
・咲 7/7
・舞亜 4/7
・有栖 9/7 全ての謎が解け、エンドへの持って行き方。そして、有栖を魅力的に描いていたことに。+2。
【音楽】14/15
OP、EDともに作品を上手く表わしていて印象的だった。
珍しくBGMがすごく耳に残り、良かった。
【CG】25/25
もう何も言う事はなかったです。ただ、もう少しボリュームが欲しかった。
【キャラクター】19/22
声優さんとキャラクターが非常にあっていた。
・弥生 4/4
・景子 4/4
・咲 3/4
・舞亜 3/4 ←最後までやらなかったら0点だった。
・有栖 4/4 ←一番好きになったキャラ。
・サブ 1/2
【H】4/3
大変エロく感じた。別アングルの描写はかなりよかった。+1。
胸の揺れなど細部にこだわっていた。
【合計】96/105→(単純計算で)→91/100
全体の印象としては、好き嫌いが大きく分かれる作品かなと思っています。
私は、このような作品はとても好きです。
何よりも世界観が良かった。
次の作品、クロノクロックも期待しています。
●共通ルート
OPの名前の通り、夢の無限回廊。色々なところで伏線があり、謎が深まっていきます。
想像がついてくることもありますけどね。読んでて面白いです。色々と考えさせられる。
ただ、所々、読みにくかったです。恐らく、読点が少なかったからかなと思う。誤字も多かったように思いました。
そして、何よりも、難しく表現しているので理解に時間がかかった。
センター試験の現代文小説で出されていたら、発狂するレベルです。(別に貶してはいません)
後、場面の移り変わりが激しいので、頭を柔軟にしないといけませんね。
舞台が夢の世界なので、あえてこのようにしたのか、分かりませんが、よく判らない非現実的な世界が上手く表現できていると感じました。
人間の弱さ、欲望・・・、難しい表現を使っていたとは言え、丁寧に描かれていたと思います。
「夢だけは自由に行動できる。都合よく人間を動かせ、満足できる。それを現実だと思いこめば、どれだけ幸せか・・・。
誰しも夢で見たはずだ。到底、人に言えないような夢も。なら、委ねてみてもいいんじゃないか・・・。」
●BAD√
とても現実に耐えられない。幸せな道を選ぶのは人間として仕方ないのかも知れません。
ただ、私は虚無感だけは味わいたくありませんね。
●ノーマル√
これもBAD√と同じ結果。何も変わらない。ある意味、幸せなことですね。
●弥生√ 「どうしてわたしだけ?しょうがないじゃない・・・私はこうなんだから。でも、もう手放したくない。」
過去のことについて、もう少し踏み込んだ描写がほしかったかなと感じた。
シナリオの厚みは感じられなかったが、最低限の装飾をつけて、スッキリと終わらせた所は良かったと思う。ただ、あっさりしすぎていた。
大人びている部分と我儘な子供っぽい部分が共存しており、そのギャップにクラッとやられてしまった。
hについては濃厚に感じた。別アングルの描写や、胸の揺れを表す描写など細かなところも好印象だった。
立ち絵も印象的だった。弥生はシナリオよりも単純にキャラが魅力的だった。
まだ、この時、大事なことを私はまだ気付いていませんでしたw
●景子√ 「正しいって何?どうしてあの人は・・・何を考えてるの?もう何もいらない。でも、逃げ道にできるなら・・・」
人に思いを伝えることが苦手な少女。ギター片手に、聞いて欲しいからではなく、ただ人前で歌う少女。
人気投票ではヒロインの中で最下位でしたが、好きなキャラでしたね。お兄様・・・いいですね!
有栖についての伏線が張られた気がしましたが、もしかして有栖って・・・。
夢の世界であるから、大きく動かしましたね。でも、夢の世界であるが故に非現実的だといって、冷めることもなく、面白かったです。
景子もそれを取り巻く人間も成長しましたね。
ギター片手に、、聞いてもらうつもりもなく、ただ駅前で歌う・・・。景子にとっての、サインだったのかもしれませんね・・・。
是非とも3人でしっかり話して前へ進んで、景子の幸せな顔を拝みたいものです。
シナリオはあえて最後まで描写しなかった所はよかった。最後まで描写していたら、私の評価は下がっていたと思う。
あっ後、咲さんかっけーっすw
まだ、私は大事なことに気づいていなかったw
●咲√ 「私達・・どうしてもっと上手くできなかったのかな?どうして、こうなっちゃったんだろう。あの選択は正しかったのかな?
”私”を見てよ・・・。でも・・・。」
咲の抱えた苦悩が丁寧に描かれていました。自分の選択は正しかったのか。
当初は、最善策だと思って掴んだ鍵。時間が経つと、違う鍵を掴んでいたら、もっと幸せだったのでは?
誰しも考えてしまう苦悩ですね。
それとは別に有栖と舞亜の関係、もしかして・・・。
咲√終了後、大事なことにようやく気づきました。今までのルートの評価がアップしました。
●舞亜√「本当にいつまでも世話がやけるんだから・・・。お・に・い・ち・ゃ・ん」
短かった・・・。もう少し欲しかったです。
全てが分かる前と後で大きく評価が跳ね上がりました。だからこそ、ボリュームが欲しかった。
●有栖√ 「あたしって、あたしなのかな?あたしは何?怖いよ。」「キミはそう言ったじゃないか!どうしてなんだ!?もう自分は・・・」
このルートを最後にしないとダメだと思います。全ての疑問、不明瞭だったことが明らかになります。
最後のシーンでは、少しウルッと来てしまいました。携帯電話の会話のシーン、ああいうの好きですね。好物です。
明るいキャラには、総じて深い闇があるものですが、こういうことだったのかとスッキリしました。
自分も”彼女”と同じ立場だったら、立ち向かえるだろうか。
生きるとは何か・・・少しでも何かを吸収できる良作でした。