ノベルゲー史上最高の演出
TYPE-MOON商業3作品目。
月姫、Fate、空の境界と世界観を共有しており、月姫に出てくる魔法使い・蒼崎青子が主人公という設定。
CG、BGM、演出が高水準でまとまっていて、総合的に良作以上といえる。
特に目立つのは演出面で、ノベルゲーの到達点に達している。背景変化、視点の変化、Fate以上の戦闘演出等素晴らしいとしか言いようが無い。これと同じものを他ブランドが作るのは無理だろう。
原画はこやまひろかず氏で、武内崇氏とはまた違った雰囲気の絵であるが、この作品に合っていると思う。
各要素のクオリティが高いため、シナリオの悪い部分が目立ったのが問題。
まずシナリオの長さが、サイドシナリオも含め15時間程で、短い。
短さにも関連して、主要人物の背景描写が足りずあまり感情移入が出来なかったのも、魅力あるキャラなだけに残念。
また、明らかになってない伏線や戦闘で活躍してないキャラ(神父等教会側のキャラ)もいて物足りないところで終わってしまう。
ライターの奈須きのこ氏によると今作は全3話のうちの1話であるとのことだが、それならそれで続きはいつ、どの媒体で出すのか早い段階で明言してもらいたい。
もう一つ批判点として、ED曲が雰囲気に合わず、EDの余韻が台なしだったのが残念だった。
総評としては、不満も残ったがとても面白く、TYPE-MOONらしい作品だった。
製作で演出にウェイトを置いた場合、とても時間がかかるのは理解できるが、もっと早いペースで作品をリリースしてもらいたいので、演出に力を入れるのは戦闘パートのみにしてそれ以外は思い切って最低限に留める形で次回作以降はお願いしたい。