愛されなかったバケモノたちが、愛されなかったバケモノたちを好きになって、相思相愛。いい純愛じゃないですか。うんこは運が無かった。
うんこヒロインそまり。
彼女は生まれも育ちも恐らく至極平凡な少女で、多分最もバケモノと縁がない少女だと思う。
彼女が狂ったのは本当に単純な話で、
運が無かった。
それだけ。
運が無かったばかりに、
レイプされ、
恐らく中学生くらいに望まぬ妊娠堕胎を経験し、
ダンゴ虫入りの泥団子を食わされ、
信じていた友人には裏切られ、
恐怖のチンコ大嫌いバケモノに変異してしまった。
別に彼女はチンコ大嫌いになりたかったわけではないはずです。
普通にイケメンと恋愛して、普通に家庭を……そこまで考えてるかは知らないけど、
とにかく普通の幸せを望む、普通の女の子でした。
彼女は運が無かった。
運の無い彼女はレイプグループから逃げるように転校した後もやっぱり運がありません。
チンコ嫌いからレズを拗らせてイケメン女に惚れるも、当の想い人はチンコ(実はチンコ付いた女)にメロメロ。
想い人の気持ちを奪うチンコに、これまでの恨み辛みを込めた復讐を……
……一旦ストップ。
うんこヒロイン、そまり。彼女が主人公にオナラとうんこを浴びせかけるのは、そまりルートだけの話です。
なぜそまりは、他のルートでは大人しく主人公を放置したのか。
特にイケメン女もとい華愛美と主人公がくっつくルートとか、もう刺しに行ってもいいんじゃないだろうか。
まず一つ。他のルートでそまりが大人しくしていた理由。
結局の所、主人公なんて嫌いな男の一人ってだけで、どうでも良かったのでしょう。
復讐するほどの価値が無かった。多分それだけ。
そまりと主人公がイチャイチャするルートでは、そまりにとって主人公の価値は非常に高かった。
そう、主人公の価値は高かったのです。
チンコは嫌いだったけど、主人公への愛情は確かにあったのだと私は思っています。チンコ嫌いと主人公のバケモノのせいで歪んでしまいましたが。
二つ、華愛美と主人公がイチャラブするルートで、何故そまりは大人しくしていたのか。
簡単です。華愛美ルートは華愛美と主人公が自宅に引きこもってセックスセックスしまくる話なので、介入する余地がないのです。
介入しようにも二人はすぐに引きこもってしまい世間からフェードアウト。超高速でEDまで一直線なので、どうしようもない。
尺の長いエロゲなら華愛美ルートにはそまりの出番も存分にあって、主人公vsそまりの地獄絵図が繰り広げられること間違いなしだったはずですが、本作はミドプラの低予算。そまりの出番は無かった。運も無かった。
話を戻します。
うんこヒロインそまりはチンコへの復讐を果たすため、主人公を調教します。
お尻平手打ちから始まってあら可愛いと思っていたら、靴履きながら全力で尻を蹴りつけるそまり様。主人公のお尻にはどす黒い青痣がどんどん増えていきます。勿論一枚絵でどす黒青痣はしっかり確認できます。
69が始まったと思えば、そまり様は主人公のチン皮を全力で噛み、血を噴出させます。
そしてついでに放屁。
更にうんこ。
更に放屁。
勿論これはエロゲなのでそまり様のうんこを主人公は食べなければいけません。スカトロです。
必死にねちゃねちゃして歯に挟まるとか独白しながら咀嚼し、ゲロを吐き、「ゲロごと食えやおらぁ!」してくるうんこヒロインに逆らえずゲロうんこを咀嚼する主人公。そしてそまりオナラ。
うんこヒロインそまりにとって、主人公への調教はただの憂さ晴らしと化しました。
憂さ晴らしついでにイケメン女、華愛美に奴隷と化した主人公の姿を見せつけて、主人公の事を幻滅させようと目論みます。
果たして学園の屋上に呼び出された華愛美は、奴隷主人公の人間として終わってる状態を目の当たりにしてしまいます。そまりちゃん大勝利!
……なわけがありません。華愛美は性格もイケメンなのでそれくらいで主人公の事を嫌いにはならないのでした。それもちょっとおかしいよ華愛美ちゃん!
何もかも思い通りにならない、運のないそまりちゃん。仕方がないので憂さ晴らしに華愛美をレイプします。
うはwwwおkwwwと後背位を楽しむうんこちゃん。レイプされた少女がレイプに目覚めます。
その時です。
突かれていた華愛美。彼女のしがみついていた金網が唐突に外れたのです。
落ちていくそまり。
なぜ金網にしがみついていた華愛美が落ちず、そまりが落ちるのか。
そまりはレイプ被害者の敗北者から、レイプ加害者の勝利者へ生まれ変わったのではなかったのか。
彼女は運が無かった。
最期の言葉は「――ぐぎゃびっ」。
これは運のない彼女に与えられた救済がなのでしょうか。
彼女の人生とは一体何だったのか。
………………
そまりルートの大まかな流れでした。
実際にプレイしてみると、うんこ&放屁の箇所やそまりの豹変についてはもっと驚くことになると思いますが、まあ大体こんな感じ。
彼女はそれはもう、おまけシナリオですら、うんこばかりあって運のないネタキャラみたいな扱いで散々です。
地獄のような現世において、死とは救済なのかもなあと、ちょっと儚いことも考えさせられました。
私が「駄作」を買った理由は、アリスちゃん(緑髪で、主人公大好きで、とっても優しい天使ヒロイン)とイチャラブしたかったのが7割、本作の狂気に興味を持ったのが3割でした。
結果として前者、後者ともに満足できる出来でしたので、
「駄作」を11月の購入物に選んだのは正解だったなーと思ってます。
アリスルートは双子の妹クロエが超天使です。こんな娘に逆レイプされるとか最高すぎです。
真の顔を見せたアリスもちょっと怖いメンヘラなだけで、うんこちゃんと比べれば屁みたいな狂気度。
恋人である主人公をNTRされて怒り狂うアリスに、最強のカードを叩きつけるクロエ。凄まじい火花が飛び散ります。
クロエが最強のカードを切ったところで、「あ、これもう純愛ルート無理だ……地獄の刃傷沙汰一直線だ……」と私は覚悟を決めましたが、
ここで「駄作」は見事な大逆転劇を見せてくれました。
アリスの切ったカードで、三角関係・刃傷沙汰一直線の殺伐展開が、一瞬にしてハーレム3Pパイズリフェラに豹変する、バケモノみたいな展開が誕生しました。
狂気x純愛ジャンルの中でも早々お目にかかれない、衝撃的なハッピーエンドで閉じたアリスルート。
「沙耶の唄」とか「シンフォニック=レイン」とか、そういう純愛ゲーが好きな方なら、きっと大喜びの展開になっていると思います。是非、一度読んでみてほしいです。