プレイ後になんともいえないモヤモヤがつきまとってくる作品。特にシナリオの後半が、前半のドタバタ学園物から一転、神秘的で壮大な物語であるために、なかなかこの世界から抜け出すことができませんでした。これほどまでにのめりこんでしまう作品に出会えたことに、ただ、ただ、感謝ですね。
本作はクライマックスである英雄編でクルルを選ぶか、委員長を選ぶかで分岐はしますが、基本的に1本道のシナリオ構成となっています。
正義編と真実編をクリア後に英雄編に入ることができますが、前2編の終わり方が、印象的すぎて、正直なところ英雄編は消化試合のように感じてしまいました。なんとなく、強引に物語の解決に持っていこうとしているかのように感じてしまいましたし。
あと、光の魔女たちが、魔法で闇の悪い心までをも封じていたことに関しての顛末については、その後どう収拾をつけるのか、描いて欲しかったなという願望もありますね。基本的に物語の焦点は、魔女っ娘委員会に当てられていますが、光と闇のイデオロギーの対立の問題というのも少し気になったので。
それはともかく正義編においての、光の女王としての責任に追われ、主人公と距離を置かざるを得なくなり、主人公は日常を送ろうと努力するのに、上手くいかない。そしてクルルから手紙が来て終わる。このように表面的には問題が解決したように見えるのに、根本的には何も解決していなくて、やるせない想いを抱えるクルルと主人公の2人が描かれて終わるというのは個人的にとても好きな終わり方でした。
また、真実編において、自我を保てなくなることを予見し、主人公に幻覚を見せることで、自分を殺させる委員長
取り返しがつかなくなる前に、せめて愛する人に抱きしめられたまま死にたいという、委員長の強い心を見て、胸のざわつきを止めることができませんでした。
こういった表現できない何かを感じさせてくれる暗いEDも素晴らしいと思います。
いろいろ書きましたが、総合的に見てもレベルの高いシナリオであると思います。
また、オルとのバトルシーンで手に汗握りながらクリックを続けていたことを思い出してみると、戦闘もシナリオの絶妙な位置に配置されていて上手く生かされていました。
もう発売してから8年も経つんですね・・・。こういう作品もっと増えないかなあ・・・。
akann0721「共通でいろんなヒロインとエッチしまくるのはホントによかったなあ・・・」
!?